★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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最終話 英雄カツヤと英雄ユウキ
「ようやく邪神を倒せたわね。」
「ああ。長かったけどようやくだ。」
魔王バラデミラを倒したユウキ達は、カツヤ達を残し邪神のいる所に向かった。魔王の魔にある黒い渦の中に入り、邪神のいる世界に移動していた。邪神の世界に行くと、黒い渦は消えてなくなった。
移動した先は、日の光のない暗い世界だった。暗い世界と言ってもそこにあったのは邪神がいるであろう城が大地の真ん中に立っていただけだ。周りは山々に囲まれており、そこらかしこに魔物があふれていた。どれもこれもドラゴンファンタジーには存在しない魔物だった。
出てくる魔物を蹴散らし邪神の城に向かったユウキ達は、城を進みながら邪神のいるであろう奥を目指した。初めてくる場所の為、隅々まで探索しながら進んで行くと最奥にいる邪神が見つけたのだ。
邪神との闘いはまさに死闘だった。魔王バラデミラとは比べ物にならないぐらいに強かった。一定時間物理無効だったり、一定時間魔法無効だったりといやらしい能力を持つ邪神だったが、ユウキ達邪神の所に辿り着くころには、メインの職業のレベルはカンストしており、ステータスは大幅に上がっていた。
最後は、ユウキの一撃により無事に邪神を倒す事に成功したのだ。魔法バラデミラを倒してから5日程の超短期決戦だった。
邪神を倒し、その亡骸をどうするか悩んでいると、目の前に女神ナディアが現れた。
「「「「ナディア様!?」」」」
「ユウキお疲れ様。無事に邪神を倒してくれたのね。」
「はい。かなり強かったけどなんとかなりました。これもナディア様がサブ職業だったり色々してくれたおかげです。」
「まあそれぐらいしないと邪神は倒せないからね。それより邪神は私が預かるわね。」
「預かる・・・ですか?」
「ええ。邪神と言えど神だから又復活するのよ。私が悪さしないようにしっかり教育しておくわ。まかせてこういうのは得意だから。」
「女神様。私達邪神を倒したけど、来た時の黒い渦はなくなっていたわ。元の世界に戻りたいんだけどどうしたらいいの?」
「もちろん大丈夫よ。その為に私がここに来たんだから。」
「それなら安心ですね。ナディア様よろしくお願いします。」
「わかったわ。」
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一方その頃・・・
魔王城のあった場所は大きく変わっていた。魔王城はそのまま城として使われ城下町ができていた。城下町は大いに賑わいこの世界で最大の町へと変わっていた。
そして、その城の王様と言うと・・・
「カインよ世界会議はどうだったのだ?」
「お父様。はい。至って平和でしたよ。お父様が守ってくれた後は平和そのものです。魔物の脅威はありますが、マインががんばってくれてますので。」
「マインはあまりここにこないががんばってるみたいじゃな。」
「ええ。今大の勇者として、各国から引っ張りだこですから。」
「おじい様、おばあ様、今日もあの話を聞かせてください。私、あの話大好きなんです。」
「もちろんじゃ。何度でも話してやるぞ。あれは儂が勇者と呼ばれていた所から始まるのじゃ・・・」
「あらあら寝ちゃったみたいね。それにしてもユウキは本当にあなたの話が好きですね。」
「ははは。そうだな。あれからもう50年か・・・。どこにいるのやら顔を出せばよいものの一度も顔も見せんのだからな・・・。」
「そうね・・・」
そんな話をしていると・・・目の前に白い渦が現れた。
「!?お父様。お母様。離れてください!!」
カインが剣を構え、白い渦警戒していると・・・
白い渦の中から4人の人物が現れた。
「誰だ!?」
「ユウキ!」
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ナディアから元の世界に転移してもらったユウキ達。転移した先では・・・
「誰だ!?」
「ユウキ!」
見てみると、王様らしき人と御年輩の老人達と、老婆の手の中で寝ている小さな子が見えた。
「あれ?どこだ・・・ここは?」
「ユウキ!ユウキなのか?」
老人がユウキに近づいてくる。
「え~っと・・・はい。どなたですか?」
「儂じゃ。カツヤじゃ。」
「「「「えっ!?」」」」
「カツヤ?・・・えっなんで老人?」
「お前こそどうしてそんな若いんだ?あれから50年も経ってるのに。」
「「「「50年!?」」」」
「そうじゃ。あれからずっとユウキ達を待っていたんだぞ。待てども待てども顔を見せに来ぬからどうしたもんじゃと思っておったのじゃが・・・」
「待って。本当にカツヤなのか?」
「ああ。儂はユウキの親友で一緒に魔王を倒したカツヤじゃ。ユウキに生き返らせてもらったカツヤじゃ。」
(えっ!?せっかく戻ってきたのに50年も経ってるの・・・。あっあれか・・・別の空間にいったら元の世界と時間の流れが違うってヤツ・・・邪神の世界にいたのは5日だからその間に50年経ってるって事!?うそーん。まじで!?感動の再会どころじゃないじゃん。女神様教えといてよ・・・)
邪神を倒して元の世界に戻ってきたユウキ達だが、驚く事に、世界は50年の時が経っていた。その間に魔王城はカツヤとアイ、アイカが立て直し、今ではカツヤとアイの息子のカインが王様になっていた。カツヤとアイカの娘のマインが新しく勇者となり、世界の平和の為に各国を動き回っていた。
ユウキがいつまでも戻ってこないので、カツヤとアイは、ユウキ達の事を忘れない様に、孫にユウキと同じ名前を付けていたのだった。
「そっか・・・どうする?ジュリア。リーネ。ニーチェ。」
「どうもしないわよ。おもしろいじゃない。4人で又世界を周ってみましょ。50年でどれだけ変わったか見て見たいわ。」
「そうですね。私もエルフの集落がお兄様によってどうなったか見てみたいです。」
「アタシもだ。ミランにも久しぶりに会いたいぞ。」
「ああ。そうだな。折角戻ってきたし平和になったんだ。4人でゆっくりしようか。」
カツヤとアイ、アイカと再会を喜んだユウキ達は、平和な世界を旅する事にしたのだった。
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※あっ!50年経ってる事伝えるの忘れてたわ。まあユウキの事だからうまくやるわよね。
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この世界の英雄は魔王を倒したカツヤという事になっているが、一部の人は知っている。この世界を平和に導いたのが本当は誰だったのか・・・
ユウキは今日もジュリア達とドラゴンファンタジーの世界で、イチャイチャしながら楽しく過ごすのだった。
【終わり】
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完結まで呼んで頂きありがとうございました。皆さまの応援のお陰で完結を迎える事ができました。後日談など書く予定もありますが、一旦ここで完結と致します。
引き続き、他の小説も楽しんで頂けると幸いです。
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