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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第35話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第35話 世界樹ダンジョン攻略!宝箱の中身は・・・

世界樹が枯れそうになっている。その世界樹が枯れそうになっている原因はダークエルフが呪いを掛けているからだ。ダークエルフを倒して世界樹を救う為、ユウキ達はエルフのリヨンの案内の元、世界樹に来ていた。

「この樹が世界樹か~。でダークエルフはどこにいるんだ?」
「この樹の一番上にいるはずだ。」
「どうやって一番上に行くんですか?」
「ここから中に入れる。世界樹の中はダンジョンになっているんだ。普段は妖精達が住んでいるんだが、呪いを掛けられてからは魔物が集まるようになってしまい妖精が姿を消してしまったんだ。」
「そうなんですね。」

「早速行こうぜ。」
「ああ案内はまかせてくれ。世界樹には良く行ってるから一番上までは確実に案内できる。」
「期待してるぜ。」

リヨンの案内の元、世界樹の中を進んでいった。
(リヨンが道を覚えているから移動がすごい楽だな。ゲームではこっちが動かさないといけないから一番上までのルートがわからず時間がかかったけど・・・。でも最短で一番上まで行かれるとレベル上げと道中の宝箱がゲットできないんだよな~。てか、普段からリヨンは世界樹に行ってるって言ってたな・・・って事はここに宝箱はないのか??)

「リヨン。ここってダンジョンになってるんだろ?ダンジョンだったら宝箱とかあると思うんだけど、ここにはそんなお宝はないのか?」
「普通にあるぞ。私も世界樹に行くときはよく宝箱を開けていたからな。時間が経つと再度出現するみたいだ。不思議だな。ただ、それほど良い物は入ってないから最近は全然開けてないな。」

「ユウキ。ここには入手しておきたいアイテムはないの?」
いつものようにジュリアがユウキに話かけてくる。ジュリアの中ではユウキはダンジョンの事、宝箱の事など全て知ってると思っているので度々聞いてくる。しかも周りにわからないように小声で。
「あるにはあるんだが・・・」
(世界樹の葉って、死んでしまった者を生き返らせるアイテムだけど、実際どうなんだろ?死んでも生き返るってありえないよな~。)

「リヨン。宝箱からはどんなアイテムが出るんだ?」
ユウキはリヨンに聞く事にした。
「ああ世界樹の葉とか世界樹の種とか世界樹の水とかだな。」
「世界樹ってすごい効果が高いように思うんだけどそうじゃないのか?」
「まあ言われてみればそうかもしれないな。私の場合は何個も持ってるから必要ない。って感じだな。」

「世界樹っていうぐらいだからすごい効果があるんじゃないのか?」
カツヤが宝が気になったのかリヨンに効果を聞いた。
「そうだな。世界樹の葉は瀕死になっても完全回復するアイテムだな。世界樹の種は食べるとMPがアップする。世界樹の水は飲むとMPが回復するアイテムだな。」
「本当!?それってすごい貴重じゃない。リヨン!そのアイテムは道中の宝箱にあるの?絶対ほしいわ。」
「そうだな。俺も魔法使いだからMPの回復アイテムや最大値アップのアイテムは是非ほしいな。それに瀕死になっても回復するアイテムもいざという時の為に必要だ。」
「わかった。じゃあちょっと寄り道しながら進もうか。さすがに宝箱の場所はわからないんだ。毎回場所が違うからな。まあありそうな場所はわかるから遠回りしながら上を目指すか。」

「よっしゃー。テンション上がってきた。道中の魔物は俺にまかせろ。レベル20になって、魔法と特技を覚えたからどんな魔物が来ても瞬殺だぜ。」

カツヤはレベルが20になり能力値が平均で160程ある。
ちなみに僧侶のアイは同じレベル20でも能力の平均は40程だ。
魔法使い設定のユウキの能力値も同じである。
実際は転職を繰り返し英雄のレベル51なので能力値の平均は360程だ。
ジュリアは特殊職業の王女で能力値の平均は80程だった。

カツヤが先頭を歩き、出てくる魔物は文字通り瞬殺していった。でてくる魔物は森と同じ、フォレストウルフ、トレント、ピクシー、キャタピラー、レッドバタフライだ。

(さすが勇者の職業は強いな。俺とアイはあんまり役に立ててないな。なんせ攻撃魔法はファイアとアイスとファイアストームしかないからな。ダメージを与える事はできるけど魔物が強くなるとあまり意味がないな。それにしてもリヨンは強いな。弓の攻撃が抜群だ。レベル25ぐらいあるんじゃないか?ジュリアもさすが能力値80は伊達じゃないな。俺よりも役に立ってるよ。)

魔物を倒しながらしばらく進むと、宝箱を発見した。
「リヨン!宝箱があったぞ。しかも2個」
行き止まりの所に宝箱が2個並んでいた。
「2個あるなら1個は私が開けてもいいかしら?」
アイが宝箱を開けたいと言う。

「ああ。カツヤとアイで開けろよ。世界樹の葉が欲しい所だな。まあ世界樹の種も世界樹の水もどれでも当たりだけどな。そういえばリヨン?世界樹以外のアイテムも出るのか?」
「いや。世界樹以外が出た記憶はないな。」
(そこはゲーム通りか。ゲームではここで世界樹の水を集めてたからな~。)

カツヤとアイは宝箱を開けた。宝箱から出て来たのは・・・

世界樹の葉?と世界樹の水?・・・だった。

「これが世界樹の葉??」
「これが世界樹の水??」

カツヤとアイの反応があまり良くなかったので、ユウキ達は宝箱に近づいて出たアイテムを確認した。

すると・・・

世界樹の葉は緑色ではなく、灰色になっていた。
世界樹の水は泥水のように濁っていた。

(これは・・・。まさか呪いの影響がでているのか?こんなのゲームじゃなかったぞ。これじゃアイテムは呪いを解くまでゲットできないじゃん。さすがにこのアイテムは効果がないだろう。なんかダメージを受けるぐらいの印象だし)

「それは・・・・ダメだな。多分世界樹が呪いを受けてる影響だろうな。」
「そのようね・・・」

世界樹シリーズのアイテムがゲットできない事をしり一同は落胆する。
「まあ落ち込んでもしかたねぇ。サクッとダークエルフを倒した後でもう一度来ようぜ。呪いが解ければちゃんとしたアイテムをゲットできるだろう!」
「そうだな。カツヤの言う通りだ。」
(おっしゃる通り!だな。切り替えてボスを倒すしかないな。)

宝箱を諦めて、一同は世界樹を登って行った。

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