★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第120話 これはなんの罰ゲーム!?
「女神様からの手紙にはなんて書いてあったんですか?」
「いや、それは・・・。」
はぐれ魔人4体を攻略したユウキ。最後の魔人アースンから、女神からの手紙を貰い内容を読むとユウキは驚き固まってしまった。
ユウキが急に固まったのでジュリアはユウキから手紙を奪い内容を見た。
「え〜と何々・・・。あっ!リーネ。証の入手方法が書いてあるわ。やったわね。これでリーネもサブ職業に付けるわ。」
「はい。ありがとうございます。」
「それで?特に変な事は書かれてないけどユウキはどうしたの?さっきからずっと固まったままよ。」
「どうしたんだマスター?メデューサの目を見て石化したみたいになってるぞ。」
(どんな罰ゲームだよ・・・。世紀末覇者もビックリだろ・・・。は〜。やるしかないのか。絶対女神様の思い付きだろ・・・。見て笑い者にしたいだけじゃん。)
「ああ。なんでもない・・・。」
「とりあえず指輪が4ついるみたいだし、入り口の指輪ん回収しましょう。アースン。ありがとう。」
「私はいつでも貴方達の挑戦を待っている。いつでも来るが良い。その時は又、知識を披露してくれ。」
ユウキ達はアースンと別れ、入り口で炎、海、岩の指輪を回収した。
「じゃあユウキよろしくね。」
回収した指輪はジュリアからユウキへと渡された。
「あっ、ああ。」
指輪を受け取ったユウキはしぶしぶ、4つの指輪を指にはめた。
(女神様なら言葉に出さなくても、伝わるよな。)
ユウキは指輪をつけた右手を天に突き上げた。
(我が生涯に一片の悔い無し)
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何も起きなかった。
(だよね・・・。知ってたよ。ちゃんと言葉にしないと何も起きないって。てかよくよく考えたらこれって死ぬ前に言うセリフじゃん。絶対言葉のチョイス間違ってるよ。)
ユウキは再度、右手を突き上げた。
「我が、生涯に・・・一片の、悔い、無し。」
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・
・
やはり、何も起きなかった。
「何も起きないですね。」
「ユウキ、手紙には叫びなさい。って書いてあったわ。そんなボソっと言っただけじゃダメよ。」
(ジュリア達はこのネタを知らないからそんな簡単に言えるんだよ。これ日本でやったら一瞬で周り全員から白い目で見られるから。最悪捕まるよ。は~。そんな期待するような目で見ないで。わかったから覚悟を決めるから。)
「ふ~。」
ユウキは息を吐いて、覚悟を決めた。
指輪を4つ付けた右手を天に向かって振り上げる。
そして・・・
「我が生涯に一遍の悔い無し!!!」
ユウキは大きく叫んだ。すると・・・
ユウキに向かって天から白い光が伸びてユウキを包み込んだ。光が収まると・・・
ユウキの手には一枚のカードが握られていた。
ユウキがそれを鑑定すると、『はぐれ魔人を攻略した女神の証』と書かれていた。
(ふ~。やりきったぞ。でも・・・めっちゃ疲れた。今日はジュリア達に癒してもらおう。)
・
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リーネがサブ職業に就く為の証を無事?に手に入れたユウキ達は、近くの町で宿を取る事にした。テレポートを使えばカツヤ達との合流場所であるフレイヤに行くのはすぐだが、フレイヤに行ってカツヤ達が戻ってきていると、ゆっくりできなくなる。
そういう思いもあって、少しゆっくりしてからフレイヤに向かう事にしたのだった。
宿についたユウキは早速、『はぐれ魔人を攻略した女神の証』をリーネに渡した。リーネはそれを受け取るとサブ職業のスキルを使う。
すると・・・
リーネがまばゆい光に包まれた。毎回毎回お馴染みのいつもの演出だった。
「ありがとうございます。無事にアルテミスのサブ職業に就く事ができました。」
ユウキは早速リーネを鑑定し、詳細を確認した。
【名前】リーネ
【職業】フォレストガーディアンレベル65、アルテミスレベル1
【レベル】60 → 65(+1)
【HP】730 → 780
【MP】800 → 850
【力】690 → 740
【体力】690 → 740
【守り】800 → 850
【魔力】810 → 860
【敏捷】820 → 860
【賢さ】740 → 790
【運】740 → 790
【スキル1】フライ・精霊召喚(ジン)・癒しの風・レインボーショット
サイクロン・転移・精霊召喚(ドリュアス)・限界突破
フォレストガード・森の祝福・世界樹の奇跡
精霊召喚(ガーディアン)・状態異常無効
ソーラーキャノン・サブ職業
【スキル2】女神の目
【職業履歴】
ダークエルフLV35
急所付き・ダークバインド・ダークショット・森の癒し
3段打ち・ブラックホール・影移動
「アルテミスの職業について、女神の目っていうスキルを覚えたみたいだな。俺とニーチェの鑑定のようなスキルだな。相手の情報がわかるのと、弱い魔物には威圧効果みたいなのもあるらしい。」
「すごいじゃない。私も鑑定系のスキルがほしいわ。持ってないのって私だけじゃない。」
「女神様に祈ったら案外、次のスキルはそれ系統だったりすると思うぞ。」
「そうね。今度教会で祈って見ようかしら。それよりユウキ?全員がサブ職業についた事だし、レベル上げはどうするの?」
「ああ。もちろんレベル上げはするよ。だけど、ちょっとゆっくり休みたいな。その後、フレイヤに行ってカツヤ達がいなかったら戻るまでレベル上げで良いんじゃないか?」
「そうね。私もゆっくり休むのは賛成よ。どこかゆっくりできるところはあったかしら?」
「前のリゾートタウンはどうですか?」
「温泉とかどうだ?」
「「「温泉!?」」」
「ああ。俺の知ってる所にゆっくりできる温泉宿があるんだが?」
「「「賛成!!!」 」」
満場一致で温泉宿でゆっくりする事が決まるのだった。
第121話 温泉宿オアシス
ユウキ達は無事にそれぞれがサブ職業に就く事が出来た。
ユウキが真の勇者、ジュリアがヴァルキリー、リーネがアルテミス、ニーチェがセイレーンのサブ職業だ。
サブ職業の効果はとても大きい。それぞれの職業にレベルがあり、上がる度にステータスが上がっていくからだ。要は全ての能力が2倍になるのと等しいという事だ。ユウキのメイン職業は主人公というユニーク職業で、カツヤの勇者よりも強い職業だ。それでも強いのに、サブ職業に就く事で能力が約2倍になるのだからすごさがわかるだろう。
もちろん、ユウキがプレイしていたドラゴンファンタジーのゲームでは、選べる職業はもちろん一つだけだった。
サブ職業のレベルはメイン職業に比べそれ程高くはないが、ユウキ達は冒険を一旦ストップし、ゆっくりと休息期間を取る事にした。休息期間と言っても1カ月も2か月も休む訳ではない。ちょっと2泊3日の小旅行に行くような感覚だ。
「こんな所に温泉宿があるなんてね。ユウキは良く知ってたわね。」
「ああ。だけど俺も来るのは初めてだからあまり詳しくは知らないぞ。」
(ゲームではよく泊まりに来てたっけ。なんせここは混浴で入ると必ず女性が先に入っててラッキースケベイベントが毎回起こる所だからな。まあでもゲームだと泊まりは一瞬だったから今回は実際の良さを味われるからけっこうたのしみだな。)
「いらっしゃいませ。温泉宿オアシスへようこそ。ご利用は初めてでしょうか?」
「はい。4名で2泊お願いできますか?」
「ありがとうございます。お部屋はどう致しますか?」
「もちろん4人一緒よ。」
「わかりました。では離れの昇龍の間をお使いください。食事はどうされますか?部屋に運ぶ事もできますが?」
「私は部屋でゆっくり食べたいですね。」
「じゃあ食事は部屋に持って来てくれますか?」
「わかりました。案内するもの来るまでしばらくお待ち下さいませ。」
「雰囲気の良さそうな宿ね。」
「ああ。部屋も空いててよかったよ。」
ユウキ達は案内の者についていき、昇龍の間に向かった。
部屋に入ると、中は、よくある旅館のように床は畳が敷かれ、奥には景色が見れるようになっていた。ベットはなく押し入れに布団が入っていた。
畳の上にはテーブルが置かれていて、テーブルの上にはお茶とお茶菓子が置かれていた。
(昔行った温泉旅館だな。落ち着くわ〜。)
ユウキは押し入れの中にある浴衣を見つけたので一人着替え始めた。
「どうしたの!?急に脱ぎ始めて!?」
「あっ!・・・ごめんごめん。浴衣があったからつい・・・。」
「「「浴衣?」」」
「ああ、みんなは浴衣を初めて見るのか。これは宿で過ごす服みたいなもんだよ。」
「宿で過ごす専用の服があるなんてすごいわね。急に脱ぎますからちょっと焦ったじゃない。
着いて早々!?っ思ったわ。ま、まあそうなっても別にかまわないんだけど・・・」
最後の方は声が小さく、ユウキには聞こえなかった。
「えっ?」
「何もないわ。それより着方を教えてよ。どうやって着るのかわからないわ。」
ユウキはジャリア達に浴衣の着方を教えて、全員が浴衣に着替えた。
「これいいわね。ゆったり着れて楽だわ。」
「アタシもこの浴衣ってヤツ気に入ったぞ。」
「私もです。」
「それじゃ早速温泉に行く?」
「そうね。いきましょう。楽しみだわ。」
(ふふふ。ラッキースケベイベントなんて久しぶりだな。あれっ?ちょっと待てよ・・・。混浴って事は、逆もあり得るって事だよな・・・えっ!?もしかして俺以外に男が入ってる可能性もある・・・それってジュリア達の裸が俺以外に見られるって事・・・それは・・・)
「あっ!ちょっと!」
「?どうしたんですか?」
「いや、あの・・・その・・・。」
「どうしたの?早く行くわよ。モタモタしてると置いて行くわよ。」
(いやいやゲームでは男が入ってた事はないはず。ここは前向きに考えよう。そうだ。俺以外に男はいないはずだ。いやきっといない!いる訳がない。)
「行くよ。行く行く。」
ユウキは温泉に向かうジュリア達の後について行った。温泉には男の湯と女の湯と書かれた暖簾があった。
「じゃあここでお別れね。ユウキの方が早かったら部屋で待っててね。私達も温泉から出たら部屋に戻るから。」
「ああわかった。ゆっくり疲れを取って来いよ。」
「ユウキ様こそですよ。」
そうして、ジュリア達は女の湯へ、ユウキは男の湯へと入って行った。
男の湯に入ったユウキは、脱衣場を見渡し、他の男性客がいないかをすぐに確かめた。
「うっ・・・やっぱり現実はそう甘くはないか・・・5人ぐらい先客がいそうだな。まあでもジュリア達の事だから混浴の方まで足を運ぶとは限らないよな。」
ユウキは服を脱ぎ、タオルをペチンと肩にかけて温泉へと向かった。扉を開けると大きな浴槽が二つあり、どちらにも先客の姿はなかった。
(まあ男なら混浴と分かればそっちに行くのは当然だよな。俺も身体を洗ったらそっちに行くつもりだったし。)
混浴になっているのは、更に先にある扉を抜けた先で露天風呂になっていた。ユウキはささっと身体を流してから露天風呂へと向かった。
露天風呂への扉を開けると、目の前には5つの露天風呂があり、どれも真っ白い湯気が立ち上っていて中は見えなかった。
(とりあえずラッキースケベのイベントが起こる一番左の露天風呂に入って見るか。)
露天風呂に近づくと、湯気の中に人影が見えたので、ユウキはゆっくりと露天風呂に入った。そして、いやらしくならないようにそーっと先客の姿を確認した。
すると・・・
「あら!?ユウキじゃない?奇遇ね。」
「女神様!?」
そこにいたのは、女神ナディアだった。
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