★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第128話 カツヤとの再会
「カツヤ!!」
ユウキが叫んだ前では、カツヤ達が魔物と戦っていた。
「ユウキ加勢する?」
「もちろん。味方に当たらないように気を付けて。」
「わかったわ。」
ユウキ達は遠距離から魔法を放ち、カツヤ達と戦っていた魔物を倒して行った。ユウキ達が加勢したおかげか?魔物の群れはすぐにいなくなった。
「ユウキ!!ありがとう助かった。それにしても・・・随分強くなったんだな?」
「あ、ああ。俺達も必死にレベル上げしたからな。それよりも大丈夫か?」
「ああ。見ての通りだ。ちょっとずつだが先には進めている。まあここの魔物達が強すぎるから順調とは言えないけどな。」
(よく見たら装備もボロボロだな。どうする?カツヤ達には一度戻るように言うか?いやでもカツヤ達は聞かないだろう。責任感の強いヤツだしな。なら俺が装備を貸して一緒に進む方が安全か。)
「俺達が見張りをしてるから少し休んだらどうだ?装備もボロボロじゃないか。」
「俺達が見張りをしてるから少し休んだらどうだ?装備もボロボロじゃないか。」
「そうだな。ちょっと休憩するか。ユウキ?色々話をきかせてくれ。」
「ああ。」
(さすがに、これ以上は隠せないな。しょうがない全て話すか。カツヤ達が死ぬよりかはいいもんな。転生した当初は憎かったが、カツヤが別に悪いわけじゃないしな。)
ユウキは今までの事をカツヤ達に話す事を決めた。そして・・・
ユウキの話を聞いたカツヤ達は全員が沈黙したのだった。
(やっぱこうなるよな。さてどうしよ・・・。怒ってるよな・・・やっぱ怒るよな~・・・殴られたりする?あ~魔王城で言ったのは失敗したか?俺達の力を見た後じゃ怒りづらいじゃん。俺嫌なヤツに見えてるよな~・・・あ~失敗した。)
「カツヤ・・・」
「ユウキ・・・。俺とユウキとアイはずっと一緒だったよな?」
「ああ。」
「確かに俺は勇者になって調子に乗ってたかもしれねぇし、お前の言葉に甘えて好き勝手やってきた。だけどな・・・隠すなんて酷いじゃねぇか。」
「カツヤ・・・悪い。」
「まあいいぜ。正直こんな場だからこそ冷静にお前の話を聞けたっていうのはある。ここに来るまでに聞いてたら絶対嫉妬してただろうしな。」
「・・・」
「だからこれで許してやる。」
カツヤはユウキを思いっきり殴った。ユウキもそれを受け入れた。
「悪かった。それと・・・ありがとう。」
「ああ。だが、多少は予想してたんだ。ユウキ達の事はアイやリヨン、アイカにフローラとも話してたからな。どう考えてもお前らの行動はおかしかったからな。」
(そりゃそうだろうな。あからさまに避けてたし。)
「じゃあ俺達もユウキ達について行くぜ。お前らと比べたら弱いかもしれないが、それはいいだろ?」
「ああ。もちろんだ。一緒に魔王を倒そうぜ。」
(俺達がいればカツヤが一緒でも大丈夫だよな。正直嫌われる可能性もあったのに、一緒に来てくれるなんて、やっぱりいいやつだな。プレイヤーがいなかったらクソだな。って思ってたけどやっぱお前勇者だよ。)
「それじゃゆっくり休めたし、そろそろ行動を開始するか。」
(なんだかんだでやってたゲームと全然違う形にはなったけど、これはこれでハッピーエンドだな。カツヤはアイとアイカと良い感じだろうし、俺は俺でジュリア達と良い関係が築けた。ゲームじゃ魔王戦で即死する俺だったけど、ゲームじゃ魔王戦前にカツヤにアイを奪われる俺だったけど、うまく死を回避できたし、寝取られも回避できた。後は魔王を倒して、邪神を倒すだけだな。)
「俺とジュリアとカツヤで前衛、中衛にアイ、リヨン、アイカ、後衛にリーネとニーチェで行こうか。道中は俺とジュリアで魔物は倒していく。カツヤ達はまだレベルが心もとないから魔物がいれば積極的に倒していく。ここは19階だから魔王のいる30階に行くまでにはいくつかレベルを上げれるはずだ。」
「ユウキ・・・」
(いやいやアイさんや。そんな目で見ないでよ。貴方にはカツヤがいるでしょ。そんな俺がアイを寝取ったみたいに見えるから。それにそんな目で見られても俺はもうアイには興味ないからね。やめてよ30階の魔王の前にカツヤから俺に切り替えてやっきなってカツヤが魔王に突っ込んで死ぬとか。いやいやフラグじゃないから。俺OKしないからね。カツヤもしっかりアイを抑えててよ。)
「おいカツヤ?お前アイとは仲良くやってるんだろ?なんか俺を見るアイの目が変なんだけど?」
「ああ。多分俺よりユウキの方が強いってわかったからだろ?」
「おいおい俺はアイには興味ないぞ。ちゃんと言ってといてくれよ。」
「ああ。わかってるってユウキはユウキでジュリアとよろしくやってるんだろ?」
「まあな。」
「まかせとけ。なんだかんだいって俺はアイの事好きだしな。」
「頼むぞ。」
(とりあえずフラグは折っておかないとな。ホントこの世界、何があるかわからないからな。)
そうして、ユウキ達はカツヤとともに魔王城の最上階を目指すのだった。
第129話 魔王バラデミラ
「それにしてもお前らどんだけ強いんだよ!?」
魔王城の19階でカツヤ達と合流したユウキ達はそれから行動を共にし、魔王を倒す為魔王城を駆け上がった。20階、21階とドンドン先に進んで行き、今は30階の魔王の間の手前まで来ていた。
道中に出てきた魔物はほとんどをユウキとジュリアが倒していた。それもそうだろう。プラチナの森を攻略してからというもの、正直ユウキ達は強くなりすぎていた。
ユウキのプレイしていたゲームで言うと、魔王城はゲームにおけるラストダンジョンだ。ここに出てくる魔物達はラストダンジョンと言うだけあってそれなりに強い。
だがそれはアイ、リヨン、アイカの3人にとってはいう意味だ。カツヤは勇者の職業の恩恵もあり、3人よりも1.5倍~2倍程強い。一人では魔王城の魔物を倒すのも苦労するが倒せないわけではない。
そして、ユウキ達だが、全員がカツヤの2倍以上の強さを持っていた。今のユウキ達にとって、魔王城に出てくる魔物達は序盤で出てくるスライムとなんら変わらない感じなのだ。そりゃ魔物にむ苦戦しないし、ドンドン進むのも当たり前だった。
「まあ俺達は職業2つ持ってるからな。」
「それにしてもだよ。ユウキ達のお陰で俺もここまでで大分レベルが上がったけどよ~。ユウキには追い付ける気がしないぞ。この調子なら魔王も楽勝っぽいな。」
「いやカツヤは魔王はやっぱりレベルが違うだろう。気を抜いたらやられるぞ。それよりカツヤは魔王を倒したらどうするんだ?」
「そうだな~。全然決めてないけど、アイとアイカと最果ての村に帰ってゆっくり過ごすのもいいだろうし、世界を旅をしながら過ごすのも悪くないな~。お前はどうなんだ?ジュリアもいるし、ポルートで王様でもするのか?」
「いや王様なんて柄じゃないよ。4人でゆっくり世界を周ると思うな。」
再会した直後は、まだ距離があった2人だが、ここまで進む中でお互いに元々の関係に戻って行っていた。今は魔王城にいるというのに、リラックスして会話できるまでになっていた。そしてそれは他のメンバーも同じだった。
アイ&ジュリアサイドでは、
「アイは魔王を倒したらカツヤと一緒になるの?」
「そうね。ジュリアは?やっぱりユウキと?」
(ユウキの方がカツヤより強いと知ってからユウキの事がすごく気になるけど、ユウキとジュリア達との仲は入り込める余地がないわ。は~。私もはじめっからユウキ狙いにしてればな~。まあカツヤが悪いってわけじゃないんだけど・・・)
「そうね。私はずっとユウキについて行くって決めてるから。これから先も一緒よ。」
「それは・・・うらやましいわね。」
「アイとカツヤだってお似合いよ。」
(お似合いって言ってくれるのはうれしいけど・・・。)
リヨン&リーネサイドでは、
「リーネ。とても強くなりましたね。」
「兄さんも強くなってるわ。カツヤさんと一緒に旅したお陰ね。」
「ああ。でもまだまだだ。リーネはこの戦いが終わったら集落に戻るのか?」
「いいえ、兄さんには悪いけど私は戻れないわ。あそこはもう私の居場所じゃないの。それは兄さんもわかってるでしょ。」
「でもそれは過去の事だ。今なら・・・」
「いいの。私はユウキ様とこれからも行動を共にすると決めているの。そこが私の居場所で、それがとても楽しいの。」
「リーネ・・・」
アイカ&ニーチェサイドでは・・・
「ニーチェはユウキと付き合ってるんだろ?どんな感じなの?ジュリアともリーネとも付き合ってるんでしょ。」
「ああ。アタシはユウキ達の仲間になったのが一番遅かったが仲良くやれてるよ。マスターとも、ジュリアともリーネともな。アイカは違うのか?」
「あたいもカツヤは良くしてくれてるよ。ただ・・・アイの方がカツヤと仲がいいように思うんだ・・・」
「カツヤとアイは幼馴染なんだろ?だからじゃないのか?それに、そんなの今からどうにでもできるだろ?アタシもガツガツ行ったぞ?」
「そうなの?ニーチェはどんな風にガツガツいったの?」
「それはな・・・」
それぞれが魔王とは関係の無い話で盛り上がっていた。ここは魔王城、凶悪な魔物が多数いるダンジョンの中というのに・・・
だがそれはユウキ達の余裕を現していた。しばらく休憩した後に・・・
「そろそろ魔王を倒しに行くか。」
ユウキがみんなにそう伝える。カツヤ達と合流してからこのパーティのリーダーはユウキに変わっていた。
「おお。サクッと倒してこの世界に平和を取り戻そうぜ。」
(カツヤ達の旅はここで終わる。俺達はまだ邪神がいるから旅を終える事は出来ないけど、カツヤ達には幸せになってもらいたいもんだ。カツヤをプレイヤーとして操っていた身としては、魔王を倒した後のカツヤ達がどうなったのかも気になるし・・・)
そうして、ユウキ達は魔王の待つ魔王の間へと足を進めた。
するとそこには・・・
ドラゴンファンタジーのラスボスである、魔王バラデミラが1人、玉座に座っていた。ユウキの知るラスボスだ。
だが・・・
その姿はユウキの知るものと違ったものだった・・・
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