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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第26話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第26話 東に向けて出発!目指すは・・・

ポルートで準備と情報収集を終えたユウキ達は東に向けて出発しようとしていた。

(カツヤは更に装備が凶悪になってるな。鎧は真っ黒で盾は銀色、兜は白って・・・)
「カツヤなんか見た目がおかしいけどどうしたんだ?」
「しょうがないだろ?これが一番防御力が高いんだから。」

(まあゲームの時は俺もその装備にしてたと思うけど、実際に見てみると無いよな・・・)
「私もカツヤに言ったんだよ。もっとトータルのバランスを考えたら?って。でも防御力が~。一番良い装備品だから~。って。」
「まあお前が納得してるならいいよ。」

「ユウキはなんか貧弱そうだな。そんな装備で大丈夫なのか?」
「ああ俺の場合後ろから魔法を使うからな。鎧とか兜で動きづらくなるとやばいからな。」

ゲームの時と違ってこの世界では誰でもどのようなモノでも装備できる。例えば魔法使いが鎧を装備する。みたいに。ただ、鎧と兜でがちがちに装備を固めた魔法使いなどは存在しない。近接戦闘ができないのに装備を固める意味がないからだ。

カツヤが動きづらそうな鎧一式を装備してるのに対して、アイは僧侶として白いローブに杖を装備している。ユウキは黒いローブに杖だ。ジュリアは革製の鎧に細剣を装備していた。

「よし。じゃあ準備も整った事だし東に向かうか。目指すはパルテ神殿とベルの街だな。」
カツヤが先頭を切って、ポルートを出た。

「カツヤさん。真っすぐパルテ神殿を目指すんですか?砂漠にはピラミッドがあると聞きましたが・・・」
「ああ。確かに砂漠にはピラミッドがあってそこには昔の人が残したレアなアイテムが眠ってるらしい。って俺も聞いたよ。俺は行きたかったんだけどアイがな・・・」
「ちょっと!!それだと私が行きたくない!!って言ってるみたいじゃない!」

「いや。だって、現にお前アンデットとか無理!って言ってじゃん。」
「たしかにそうだけど・・・」

カツヤとアイは事前にピラミッドについて話していたらしい。ピラミッドに出てくるモンスターがアンデット系の為、行かない事にしたらしい。



それを聞いたジュリアは小声でユウキに確認を取る。
「ユウキさん。ピラミッドは行かなくてよかったんですか?」
「ああ。別に必ずいかないといけない。って場所じゃないからな。そのまま通り過ぎても問題ないな。」
「そうなんですね。レアなアイテムがあるんじゃないんですか?
「ピラミッドではレアなアイテムって程のモノはないな。俺がとった腕輪ぐらいかな。ただ、ピラミッドを経由した方がレベルも上げれるからパルテ神殿についた時に転職がすぐにできるようになるんだがな。」

ゲーム進行ではポルートが攻略推奨レベル15で次に砂漠のピラミッドを目指す。このピラミッドが攻略推奨レベル18なので、ピラミッドを攻略しながらレベルを上げるのが通常のルートだった。ピラミッドではレアなアイテムはビュンビュンの腕輪だけだが、カツヤ用の武器が手に入る場所だった。と言ってもその武器はベルの街のカジノの景品で取得する事ができるので必要性はあまりないのだった。

ユウキとジュリアが小声でヒソヒソ話していると、カツヤとアイがユウキに近づいて聞いてきた。

「ユウキはどう思う?ピラミッドに行くか行かないか?」
「そうだな。アイが怖いなら別にいかなくてもいいと思う。だが、パルテ神殿で転職するにはレベルが20はいるみたいだしどこかでレベル上げしないときついんじゃないか?」

「たしかにユウキの言う通りだな。俺は勇者から転職できないから転職に関してはどうでもいいけど、レベルは上げといた方がいいか?」
「カツヤはでしょ!!私は僧侶から上級職に転職したいよ。」
「俺も魔法使いのままはきびしいからな。」
「私も・・・上級職があるなら転職したいです。」

ジュリアは職業が王女だった。この職業が初級職なのか上級職なのかはよくわかっていなかった。

「わかった。わかった。パルテ神殿に行くまでに道中はモンスターを積極的に倒して行こう。俺も新しい武器の感触とかたしかめたいからな。」
(砂漠でレベリングはちょっときついよな。ていうかまた野宿するよな・・・4人だから前よりはましか・・・砂漠にはオアシスがあったはずだよな。)

ユウキはゲームの知識を思い出してレベリングができそうな場所を考えた。どこかないか考えていると・・・
「そういえばパルテ神殿の近くで大量に経験値をくれるスライムが出るって噂を聞いたよ。」

アイからナイスな情報が出た。
(それだ!!パルテ神殿の周辺は低確率だがメタリックスライムが出るんだった!それを考えるとパルテ神殿にまずは向かうのが最適だな。)

「アイ!それは本当か?」
「うん。酒場で冒険者の人が言ってたのを聞いたの。」
「だったら先にパルテ神殿に行ってからレベル上げした方が良さそうだな。」
「そうだな。それだったら先にパルテ神殿を目指した方が良い気がする。」

「決まったな。それじゃあ砂漠は長居せずにさくっと抜けるとしよう。」

カツヤがそう言い、ユウキ達はパルテ神殿を目指し東に進んでいった。日が暮れる頃には砂漠が見えてきた。
「今日はここで夜営しよう。砂漠の中は何もないからきつそうだし」
「わかった。テントの準備をするよ。」

ユウキとカツヤがテントの準備をして、アイとジュリアが食事を作る。明日の砂漠越えに向けてユウキ達は一夜を過ごすのであった。

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