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第15話 現実世界の野宿はきつい・・・

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

リルの村を出てポルートに向かうユウキ達、道なりに進むがそれなりに魔物が出る。ゲームだと急に魔物が現れて戦闘画面になるが、現実ではそうではない。歩いていると遠目に魔物がいるのがわかるので近づいて行って戦闘になるか、近づいてきて戦闘になる。

リルからポルートの間の道で出てくる魔物は毒スライム、ソルジャーアント、キラービー、ゴブリンソルジャーが主だ。カツヤの剣でなんなく倒せるモンスターだ。ユウキのファイア1発では死なないが、アイスの魔法だと1発で倒せる事もあった。カツヤとアイのレベルは10なのでポルートに行くまでは危険はないだろう。

ちなみにポルートではボスを倒すのにレベルが15はないときびしい。
(まあポルートまで最短距離で進むのは大丈夫だろう。あそこは近くの塔でレベル上げが可能だからな。それにしても野営ってきついな~。ゲームだったらアイテムでテントを使用したら次の日になってHPとMPが半分回復してたけど、自分でテント組み立てて交代で見張りをしないといけないもんな。寝る時間も3分の1だと何日も野営は無理だな。)

1日ではポルートにつかなったのでユウキ達は、森の中でテントを張っていた。今は森にいた兎を捕まえて火であぶっている所だ。干し肉やパンは袋に入っているが、運よく兎がいたので晩御飯にしている感じだ。

「それにしても3人で冒険に出るなんて村に居た頃は考えた事もなかったね。」
今は3人で火を囲みながら食事をしており、アイが話始めていた。
「たしかにな。姫様に連れられていきなり王都だもんな。」
「カツヤが勇者になったからみんな期待してるんだよ。俺なんか魔法使いだからあまり力にならないけどな。」
「そんな事ないよ。ユウキの魔法で今日もモンスター倒してたじゃん。」
「MPが問題だよな。切れなかったらそれなりにやれるんだけど・・・カツヤみたいに剣で倒せたらいいんだけどな。」
「まあ俺についてくれば大丈夫だぜ。なんたって勇者だからな。」

3人での食事が終わり、交代で見張りをしながら寝る事にした。見張りは1人じゃきついだろうという事で、
カツヤとユウキ
ユウキとアイ
カツヤとアイ
が順番に見張りをする事となった。ほぼ見張りの為、寝る時間は3時間程しかなかった。

ユウキとカツヤが見張りをしながら話していた。
「なあ、ユウキ?お前ってアイの事どう思ってるんだ?」
「アイの事?」
「ああ、俺はアイの事が気になってる。勇者として魔法を倒したら一緒になりたいと思ってる。」
「なるほどね。アイはかわいいもんな。俺もアイは綺麗だな。って思うよ。ただ、アイはカツヤの事が好きなような気がする。」
「本当か!?」
「ああ。ただの勘だけどね。」
(今はカツヤにアイを譲っておくさ。その内アイ以外にも手を出すだろうからその時には俺がアイをもらうけどな。)

ゲーム世界でカツヤは王女、聖女、女騎士、踊り子、など綺麗な女性を口説いてはハーレムを気づいていた。そんなカツヤを傍で見ていたアイはカツヤに愛想をつかしてユウキとくっついていた。ユウキはその事を知っていた。そして今度はそのハーレムをカツヤではなく、ユウキが築こうと思っていた。もちろんアイも含めて・・・

「おっそろそろ交代の時間かな。カツヤ、アイを起こして見張りを代わってきてよ。」
「わかった。」

アイがテントから出てきたので、ユウキはコーヒーをアイに渡した。
「はい。コーヒーだよ。見張りって意外にきつそうだよ。野宿はあまりしたくないね。」
「そうね。宿屋でゆっくり寝たいわ。カツヤとは何を話してたの?」
「色々だよ。これからの事とか。勇者の事とか」
「そうなんだ。そうよね。カツヤって勇者なんだよね。」
「ああ、アイツがいないとモンスターと戦うのも苦労するよ。さすが勇者だよな。俺達と強さの次元が違うっていうかさ」
「たしかにね。レベルが上がる度にカツヤがすごく強くなっていってる気がする。」
「でも前で戦うからケガも多いじゃん。その時にアイがいないと回復できないし、カツヤも助かってると思うよ。」
「そうかな~?あいつ自分で回復できるよ?」
「たしかにな。でも攻撃魔法も使うじゃん。回復はアイが!ってアイツも思ってるよ。」

アイと二人きりになったがあまり気の利いた会話はできなかった。冒険の事などを中心にいつものように雑談しただけだった。それはユウキが眠った後のカツヤとアイも同じだった。

野営を終えて更に北に進むこと2日。ようやくポルートの城が見えてきた。
「ようやくポルートに着いたぞ。」
「やった~。ようやく着いた。もう野宿はいやだよ~。」

(たしかにアイの言う通りだな。見張りって言っても時々魔物が出るぐらいだったし、3日間3時間睡眠はきつかった。しかもテントの設営もめんどくさかったし、そして一日休んだのにHPもMPも半分しか回復しないとかどんな罰ゲームだよ!って感じだったもんな。)

ゲームではテントは消耗品で一回使えば無くなっていた。そしてHPとMPが半分回復する。上位の上級テントを使えばHPとMPは全回復するがユウキ達は持っていなかった。

(早めに上級テントを手に入れないとな・・・)
ユウヤのつぶやきとともにポルートの街へ3人は入って行った。

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