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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第38話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第38話 リヨンの転職先はゲームになかった精霊士!?

エルフの里でアッシュを見付け、世界樹を救ったユウキ達はパルテ神殿で転職ができるようになるまでベルの街に滞在する事にした。

「なあ、ちなみにユウキとアイはなんの職業に転職するんだ?」
カツヤが転職について聞いてきた。

「私は巫女になろうと思ってるよ。」
「巫女か~。たしか僧侶の上級職で女性限定の職業だよな。」
「うん。レベル20を越えたら転職できるはずだよ。」
「でも転職したらレベルって1になるんだろ?大変じゃないのか?」
「一応ステータスは半分になるって聞いてるからなんとかなると思うし、覚えた魔法なんかはそのまま使えるみたいだしね。」

アイは今、僧侶レベル23だ。僧侶は基本職の為、カンスト時のステータスの平均は200程だ。なので、今のステータスの平均は50程になる。転職してレベルが1になるとステータスが半分になるが、上級職の巫女はカンスト時の平均ステータスは400程なので、早めに転職した方が得になる。

「ユウキはどうするんだ?」
「俺は大魔法使いだな。レベル20になったら転職できるはずだからな。」
「そうか~。転職したらレベル1になるけど又、魔法とか覚えるんだろ?うらやましいな・・・俺も転職したいな!!」
「いやいやお前は転職したら弱くなるだろ!!俺もアイも強くなるために転職するんだからな。」
「そりゃそうなんだけど・・・」

カツヤは初めから最上級職の勇者の職業についていてカンスト時のステータスの平均は800だ。今もレベル23なので、180程のステータス値になっている。

「ジュリアとリヨンは転職はどうするんだ?」
「私も転職できるならしたいのですが、王女の先の転職先を知らないのです。わからないまま転職して弱くなってしまうのもいやなので、今回は保留にしようと思っています。」

(ジュリアの職業って転職できるのか??。俺も王女の職業を知らないからアドバイスできないんだよな~。でも王女は上級職だからきっと最上級職の職業があるはずなんだよな~。その辺りは調べながらやっていくしかないか・・・)

王女の職業はゲームで登場しなかったので、ユウキも知らなかった。

「私は狩人だからな。ちょうどいい機会だから、転職して精霊士になりたいと思っている。」
「精霊士?なんかすごそうな職業だな・・・」
「エルフのみがなれる職業で弓とともに精霊魔法を覚えるらしいんだ。条件がレベル30以上で、ちょうど30になった所だからな。」

(精霊士!?知らないぞ。そんな職業は・・・・。リヨンってレンジャーに転職するのが通常だけど・・・エルフ専用の職業なんてあるのか・・・)

「なるほどな。とりあえず転職したらしばらくこの辺りでレベル上げた方がいいな。みんなレベル1になったらきびしいもんな。」
「そうだね。」

「ユウキさん。あなたは転職するんですか?」
「いや。俺は転職しないよ。もう英雄の職業についてるからね。だけど、大魔法使いの職業には転職してなかったから魔法とかどうしようかと思ってるんだよね。」
「そうですよね。それはもう転職したらカツヤさんと一緒に行動するのはやめた方が良いですね。」
「まあ、一応考えている事はあるからジュリアにも後で話しておくね。」
「わかりましたわ。」

転職の話をした後はそれぞれ各部屋で休む事にした。すると、
ジュリアがユウキの部屋を訪ねてきた。

「ユウキさん。これからの話を聞きに来ましたわ。」
「ああ。じゃあ座って待っててくれ。」

ユウキはジュリアを椅子に座るように案内してお茶を取りに行く。
お茶をジュリアに渡して話始める。

「とりあえず、これからパルテ神殿に行くまでにベルの街で盗賊被害の話が出る。具体的にはカツヤか俺かアイかジュリアかリヨンかはわからないけど、お金を掏られる。」
「えっ!?」
「まあ誰かが盗賊にお金を盗まれると思ってくれ。」
「はい・・・」
「それで盗賊のアジトを見つけて、お金を奪い返すんだけど、そこで盗賊のボス、女盗賊なんだけど倒すと仲間になる。」
「前にユウキさんが言ってた話ですね。」
「ああ。仲間になったらそれぞれが転職して次の目的地を目指すんだけど、ロッテルド王国のサマンサ王女がこのタイミングで船を貸してくれるんだ。だから海路を進めるようになる。」
「次はどこを目指すんですか?」
「目的としては海を渡って南の大陸に行き、プラネット国で勇者の盾を入手するようになると思う。」
「勇者の盾?ですか?」

「ああ。勇者には専用装備があって、勇者の剣、勇者の兜、勇者の鎧、勇者の盾と4つの専用装備がある。魔王を倒す為にその4つの装備を見つけるのが次の目的になると思う。だけど、勇者の盾はカツヤが自分で闘技場で戦って手に入れないといけないから実際すごく時間がかかると思う。」
「すぐに手に入れる事ができないんですね。」
「だからそこでカツヤと別れて別の勇者の装備を探す。ていう名目でカツヤと別れようと思ってる。」

「なるほど。」
「そこでジュリアに協力してほしいんだ。俺は残りの勇者シリーズの装備の場所を知っている。だから、適当にポルートに勇者の装備の書物があった。とかポルートで調べれば他の装備の場所もわかる。とか言ってほしいんだ。」
「そういう事でしたらまかせてください。ちなみに私とユウキさんの2人が別行動ですか?」
「一応そのつもりだよ。カツヤの方はカツヤ、アイ、リヨン、アイカ。アイカっていうのは女盗賊の事ね。その4人で海路を行ってもらおうかと思ってるよ。」

その言葉にジュリアは顔を赤く染めた。
「ユウキさんと2人きりなんですね。」
「えっ??」
「なんでもありませんわ。わかりました。それでいきましょう。」

今後の行動を話し合い、ジュリアはルンルン気分でユウキの部屋を出ていくのだった。

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