★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第118話 風の魔人ウインドン
「残るはぐれ魔人は2人ね。やっぱりサブ職業の証は全部のはぐれ魔人を倒さないと手に入らないのかしら?」
「多分ね。」
(あの女神なら、そういった仕様にするはずだ。はぐれ魔人は今の所、全く強くないからもしかしたらはぐれ魔人を倒しただけで手に入らないかもしれないけど・・・。まあ今の所、他にやる事はないんだし、動いていれば何かしらあるだろ。)
「それにしても驚きました。炎の魔人をあんな簡単にやっつけるなんて。」
「そうよユウキ!先に言っといてよね。せっかくシャドー対策に色々考えてたのに全部無駄になったじゃない。」
「アタシもどうやって倒そうか。どうやって戦おうか考えてたのに無駄になったぞ。」
「ごめんごめん。次からはちゃんと言うようにするよ。」
ちなみに火の魔人フレイムンを閉じ込めた火の指輪は、フレイムンがうるさいので、袋の中に閉まってある。
「なら、次にむかってる風の魔人ウインドンについて教えてくれるかしら?」
「OK。じゃあ風の魔人がいる洞窟から説明するね。」
ユウキは風の魔人のいる洞窟について説明した。
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「迷いの森・・・ですか?」
「ああ、正直正確なルートは俺も覚えていない。だけどヒントが隠されてる場所は知ってるから、その場所にさえたどり着ければ攻略するのは簡単だ。」
「出てくる敵は森の妖精なのよね?倒して大丈夫なの?」
「森の妖精って言っても魔物だからな。問題ないだろ。」
「マスター?ウインドンはどうなんだ?」
「ウインドン戦はとにかく敵の数が多い。連続戦闘になると思う。フレイムン自体はそこまで強くないよ。」
(たしかゲームではウインドンの所まで辿りつくと、大量の森の妖精に囲まれるんだったよな。ゲームじゃ5体の森の妖精との闘いを4回して、その後、フレイムンと森の妖精4体との戦闘だったから、森の妖精が全部で24体か・・・。5体ずつ襲ってくるとかないだろうし24体との戦闘になる可能性もあるな。)
そんなこんなで、フライを使って南に移動していると、南の島にうかぶ洞窟を発見した。
「あれね。」
「ああ。」
「早速入りましょ。」
ユウキ達は洞窟に入っていく。洞窟に入ると、いきなり階段があり、その階段を降りると・・・
「ユウキの言っていた通りね。」
前後左右に通路があり、それぞれの先は空間が渦巻いていた。
「ああ。決められた順番に進まないと出る事もできない。迷いの森と呼ばれる所以だ。」
「どこから行きましょうか?目印とかも付けて行った方が良いでしょうか? 」
(どうなんだろ?目印なんてゲームじゃなかったからよくわからないな。)
「とりあえず適当に進んで見ようか。出てくる魔物も火魔法なら一撃だろうしね。」
ユウキ達は迷いの森を適当に進んで行く、右に、左に、上に、下に・・・
「全然ダメじゃない。入ってきた階段見つからないし、出れないじゃない。」
「まあ出るだけだったらエスケイプで外に出る事はできるから。」
「毎回毎回同じ光景なので、進んでるのか進んでないかもわかりませんね。」
「同じ景色ばっかりでアタシは疲れたぞ。」
(さすがにどう進めば良いかなんて覚えてないからな~。それにゲームじゃひらすらコントローラー動かすだけだったから特に苦労もしなかったし、現実じゃ自分で歩くから肉体的にも精神的にも来るもんがあるな。)
その後も右へ、左へ、下へ、上へと移動するユウキ達。
「おっ!!ここだ。ここだ。」
ユウキ達は真ん中に木がある場所に辿り着いた。
「いつもと違って木があるわね。あれにヒントが書いてあるの?」
「ああ。気の裏側に彫られてるんだ。ちょうどヒントも見つかったしちょっと休憩しようか。」
ユウキ達は休憩しながら、木の裏側に書かれているヒントについて話合った。
木の裏側には・・・
『太陽は3回昇って、2回落ちるだろう。寒さに震える事3回、暖かさを目指して2回進めば道は開けるだろう。』
と書かれてあった。
(そうだそうだ。右左上下だ。思い出した。)
「どういう意味?」
「ああこれは、東に3回、西に2回、北に3回、南に2回いけば迷いの森を抜けれるって事だ。」
「さすがですユウキ様!」
「マスター。北ってどっちなんだ?」
「えっ!?」
(あれ?そういえば北ってどっちだ?ゲームじゃ画面の上が北だったから気にもしてなかったけど・・・。そういえば地上は太陽の位置を見ながら方角をきめてたっけ。)
「それは・・・。わからない。」
「ダメじゃない。どうするのよ。」
(考えろ。考えろユウキ。いや待てよ。たしか木の裏側はゲームじゃ北側だった。ならこっちが北だな。)
「こっちが北だな。」
「ユウキ様?そのヒントってここからの道を示しているんですか?」
「あっ・・・。」
(そうだ。階段を降りてからの道だった。エスケイプで戻ってもいいけど、そうしたらどっちが東かわからないぞ。)
ユウキはどうしたものかと、木の周りをう~ん。う~ん。とうなりながら考えていた。
すると・・・
ヒントが書かれている所の下に、別の文字が彫られているのを発見した。
『道に迷ったら真っすぐ南に進むべし。そうすれば無事に帰れるであろう。』
「これだ!!」
休憩を終えたユウキ達は、ヒントが彫られていた逆側をひたすら進んだ。5回程進むと、降りてきた階段が見えてきた。
「よし。入口に戻ってきたぞ。これなら方角もわかるし、無事に抜けれそうだ。」
「一時はどうなるかと思ったけど、いけそうね。散々迷って疲れたわ。早くウインドンを倒して帰りましょ。」
ユウキ達はヒント通りに、迷いの森を進み、最後に南の渦を抜けた。すると、目の前には多数の森の妖精が、そしてその後ろには、トレントのような形をする魔人?がいた。
「よくぞ、ここまで・・・」
「灼熱地獄!」
「サイクロン!」
「ヘルファイア!」
「スパーク!」
ウインドンがしゃべり終わる前にユウキ達は先手必勝とばりに広域魔法を連発した。
火魔法がサイクロンの風魔法で火の台風となり、空からは雷が落ちた。大きな轟音とともに、魔法が吹き荒れる。魔法が消えた後には・・・
ウインドン、森の妖精、ともに全て消えていたのだった。
「終わったわ。さあさっさと帰りましょ。」
ジュリアの言葉に、ユウキは地面に落ちてる岩の指輪を拾い、エスケイプの魔法を使うのだった。
第119話 土の魔人アースン
はぐれ魔人を3体倒したユウキ達は、宿で食事をしていた。
「残すところ後1体ね。」
「ああ。後は土の魔人アースンだけだな。」
「そういえば先にウインドンを倒したのは意味があったの?場所的には先に西に行った方が近かったじゃない?」
「あっ私もそれは思いました。てっきり北の洞窟でフレイムンを倒した後は、西の洞窟に行ってアースンを倒すんだと。」
「ああ。それはな、西の洞窟は指輪が3つないと開かないんだ。」
「どういう事?」
「土の魔人アースンがいる西の洞窟は、今までの洞窟内が迷宮みたいになってたり、闘技場みたいになってたり、迷いの森みたいになってたりしてないんだ。入ったらすぐにアースンのいる部屋があるんだ。その代わり入口が閉ざされていて、炎、岩、海の指輪を使わないと入れなくなってるんだ。」
「そうなのね。でもそれならアースンは行ったらすぐに倒せそうね。」
「ああ・・・。」
「どうしたんですか?」
「いや・・・。」
「何よ?言わないとわからないじゃない。」
「アースンとは戦闘にならないんだ。厳密に言うとアースンは力ではなく、頭の良さではぐれ魔人と呼ばれてる魔人なんだ。」
(アースンとの戦闘って実際どうなるんだ?さすがにクイズに正解したら魔人が死ぬって普通に考えたらおかしいだろ・・・。)
「ユウキ様?それなら話し合いで終わるって事ですか?」
「う~ん。それは行ってみないとわからないかな。」
(とりあえず、クイズに正解してアースンから嵐の指輪を手に入れればミッションクリアになるか・・・。)
「とりあえず行ってみましょ。アースンを倒したら、今回のはぐれ魔人討伐も終わるわ。終わったらカツヤ達が戻ってくるまではゆっくりするんでしょ?」
「ああ。予定ではな。だけどアースンを倒してもサブ職業の証が手に入らなかったらわからないぞ?」
「それはわかってるわ。」
ユウキ達は準備をして、西の海にあるアースンのいる洞窟へと向かった。
洞窟に着くと、入り口は閉ざされており、入り口の傍には石碑があった。その石碑には3つの窪みがあり、ユウキは岩、炎、海の指輪をその窪みにはめた。炎の指輪を取り出すと指輪に吸収されているフレイムンが騒ぎだしたが無視した。
3つの指輪を石碑にはめると、洞窟の入り口はゴゴゴと音を立てて開いて行った。
中に入ると・・・
「ようこそいらっしゃいました。ささどうぞどうぞ。貴方達は100年ぶりの挑戦者になります。ささ、どうぞどうぞ。」
と、執事のような恰好をした魔人がユウキ達を出迎えた。
「あれがアースンなの?」
「ああ。」
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「それでは、久方ぶりの挑戦者様。今から私からのクイズです。貴方がたの知識を私に披露してください。」
「第一問。10回息を吹ふくと出でてくる食べ物は?」
(あれ?クイズじゃなくてなぞなぞ見たいになってるぞ??)
「食べ物??何かしら・・・。」
(ああなるほど。たしかに日本の首都は?とかってクイズが出ても誰も答えられないもんな。こっちでも通用するようになぞなぞに変わったんだな。)
「答えは豆腐だろ?簡単だ。」
「正解です。お見事。」
「ユウキ様さすがです。」
「では続いて第二問。5つのボールを焼いてできる食べ物は?」
「又食べ物?・・・えっとボール焼き?」
(ボール・・・たま・・・たまご・・・)
「卵焼きだな。」
「ムム!早いですね。正解です。」
その後も同じようななぞなぞが全部で10問出された。
ユウキが6問答え、リーネが3問、ニーチェが1問正解を出した。ジュリアは全ての問題に答えたが、全てハズレだった。
「お見事です。貴方達の勝ちです。これは、見事私の試練を乗り越えたモノへの商品になります。」
そういって、アースンは嵐の指輪をユウキに差し出した。
「ああ。ありがとう。ちなみに再度挑戦したら別の物をくれたりするのか?」
「いえ。何度挑戦に来て頂いてもかまいませんが、景品を差し上げるのはこれっきりになります。」
「そうか・・・。」
(何度も挑戦できるって事はアースンはずっとここにいるって事だよな)
「それと・・・この手紙をナディア様から預かっております。」
「ナディア!?女神様から?」
「はい。嵐の指輪を差し出す事があるなら、その者にこの手紙を渡してくれ。と・・・。」
(この魔人は友好的な魔人なんだな。それにしても手紙って)
「ユウキ?女神様からの手紙?なんて書いてあるの?」
「いやいやまだ読んでないから!ちょっと待って。」
ユウキは女神ナディアからの手紙を開けて中を読んだ。
『おめでとー。無事に4つの指輪を集めた貴方には素敵なプレゼントが・・・。って集めたのはユウキでしょ?さすがユウキね。あなたの予想通りよ。これでユウキ達は全員がサブ職業につけるわね。引きつづきがんばりなさい。
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あっ証の入手方法を伝え忘れたわ。指輪を4つ付けた状態で天に拳をかざして叫びなさい。生涯に一片の悔い無し!!ってね。そうすれば『はぐれ魔人を攻略した女神の証』が現れるわ。
もちろんユウキはわかってるわよね。ちゃんとしないと証は現れないわよ!ふふふ。ちゃんと見てるからよろしくね。』
「これは・・・。」
女神からの手紙を読んで茫然とするユウキだった・・・
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