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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第68話

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ゲーム世界に転生
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よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

アニメで異世界ファンタジーの記事を更新しました~動画セレクション1~5

アニメで異世界ファンタジーの記事を更新しました~動画セレクション6~10

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第68話 水の神殿に向かおう。



 

「ユウキ。これからどうするの?」
「そうだな。カツヤ達は多分、勇者の剣を入手したぐらいだろ?なら一度ベルに戻るはずだ。その後、情報を掴んでたら、勇者の鎧を探すだろ?」

「そうね。アッシュに伝言したし、勇者の鎧を探すわね。」
「たしか勇者の鎧は海底神殿にあるってユウキ様は言ってましたよね?」

「ああ。海底神殿の中の一番奥に勇者の鎧はあるんだ。だけど、そこには海王リヴァイアサンがいる。リヴァイアサンとの闘いでリヴァイアサンに認められたら勇者の鎧を貰えるんだ。」
「どうやったら認められるの?」

「ああ。ある程度ダメージを与えたら戦闘が終わるから、一定のダメージって感じかな。」

「ユウキ様。海底神殿って海の中にあるんですよね?どうやって行くんですか?」
「どうやってってそりゃ海鳴りの笛を吹いて・・・ってあっ!!!」

「どうしたの?」「どうしたんですか?」

(そうだ。忘れてた。海鳴りの笛がないと海底神殿行けないじゃん。カツヤ達は勇者の剣を取ったばかりだから海鳴りの笛は持ってないだろうし・・・どうしよっか?)

「忘れてたんだけど海底神殿に行く為には海鳴りの笛ってアイテムが必要なんだよね。」
「海鳴りの笛?」

「うん。その笛を海底神殿のある場所で吹くと、海底神殿に行けるんだ。」
(実際どうやって行くのかはよくわかってないけど・・・ゲームじゃ船の上で海鳴りの笛を使ったら海底神殿に一瞬で移動してたし・・・)

「カツヤ達は海鳴りの笛を持ってるのかしら?」
「持ってないと思うよ。だってあれがあるのって水の神殿だからね。」

「水の神殿・・・それってエリクシアの女王様が言ってた?」
「うん。エリクシアの岩山を超えた所にある水色の塔だね。」

この世界には魔王の配下で幹部が4人おり、それぞれがこの世界の各地にある神殿に居を構えている。

北の大陸には水の神殿が
東の大陸には火の神殿が
南の大陸には風の神殿が
西の大陸には土の神殿が

それぞれ神殿と言っているが、見た目は真っすぐに立つ塔である。

水の神殿は水色の塔で
火の神殿は赤色の塔で
風の神殿は緑色の塔で
土の神殿は茶色の塔だ。

それぞれの塔にいる魔王の幹部は

水の神殿には『魅惑のニーチェ』
火の神殿には『暴虐のバスターゴーン』
風の神殿には『策略のマルワイド』
土の神殿には『不死身のミラン』

又、それぞれの神殿では重要でレア度の高いアイテムが入手できる。

水の神殿では、どこの扉も開ける事ができる『最強の鍵』
火の神殿では、地上を自由に移動できる『魔法の絨毯』
風の神殿では、MPが減らずに全体を回復できる『賢者の石』
土の神殿では、食べた者のレベルを5あげる『黄金の果実』

だが、どれも隠し通路の先にあり、それぞれの宝を守るドラゴンもいるので入手は非常に困難であった。

ちなみに『賢者の石』は天空城でも入手する事ができる。ただし、この世界に一つしか存在しない為、片方を取るともう片方のアイテムは『転職の宝玉』へと変わってしまう。

ユウキは神殿の説明をジュリアとリーネにした。

「なるほど。水の神殿に行けば、海鳴りの笛と最強の鍵が手に入って、魔王の幹部も倒せるって事ね。それと、ニーチェってカツヤにちょっかいかけてたヤツでしょ?」
「正解。そうだよ。」

「なら丁度いいわね。サクッと行ってアイテム取ってニーチェも倒しましょう。それでカツヤに海鳴りの笛を渡せばいいのよ。」

(なるほど。俺が海鳴りの笛を取って、カツヤに渡せばアイツは勇者の鎧を取りに行ける。でもそれだと、そこでカツヤと一緒に行動しないといけなくならないか?)

「ジュリア。カツヤに会うとせっかく別行動してるのに無駄にならないか?」
「大丈夫よ。カツヤ達には勇者の鎧を探しに行ってもらって私達は情報収集するって言えば一緒に行動しなくて済むでしょ。」

「まあそりゃ・・・」
「それよりもユウキ!水の神殿は私達のレベルで攻略できるの?」

(水の神殿って攻略推定レベルいくつだったかな・・・。天空城がだいたい45っていうのは覚えてるんだけど・・・。まあそこから逆算したら海底神殿が40ぐらいだろうから35~38ぐらいあればいけるか。)

「う~ん・・・多分35から38ぐらいあればいけるんじゃないかと思うけど・・・」
「そう。なら少しレベルを上げる必要があるわね。私は今32だから。」

勇者の兜を取る為に最北の洞窟に行き、デュラハンを倒した事でユウキ達のレベルは30から32へ上がっていた。

「ジュリア?でもジュリアとリーネは神職だし、転職した時に能力そのままだったから一般冒険者のレベル60ぐらいはあるよ?」
「!?そうだったわね。・・・どうしようかしら?」

「レベルを上げる事で困る事はないから、どこか良い場所があるならレベルを先に上げるのもいいんじゃない?」
「そうよね!!たしかにリーネの言う通りだわ。ユウキ!近くに良いレベル上げポイントは無いの?」

「それなら水の神殿でレベル上げできるよ。あそこの地下にはメタリック系の魔物が出るから。」
(水の神殿にはメタスラプリンセスが出たはずだ。海底神殿に行く前にはあそこでレベル上げするのがいつもの流れだったから。)

「なら決まりね。」
「そうですね。」

(まあサクッとレベル上げして、サクッとレアアイテム手に入れて、サクッとニーチェを倒せば問題ないか。それにカツヤに海鳴りの笛を渡さないとそこで詰んじゃうし。)

話を終えたユウキ達は水の神殿へ向かうのだった。


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