★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第122話 オアシスはやはりオアシスだった。
一時休息の為、温泉宿へときたユウキ達。浴衣に着替えて早速向かったのは、ラッキースケベのイベントが多発する、そう混浴の温泉だった。
ユウキはウキウキ気分半分、ハラハラ気分半分で、混浴の露天風呂へと入った。するとそこにいたのは・・・
お湯に浸かるこの世界の女神、ナディアだった。
「どうして女神様が!?」
「どうしてって神様でも温泉ぐらい入るわよ。当然でしょ。」
「そう・・・なんですかね・・・。」
(どうして女神様がここに・・・俺の行動を見られてて先回りされたのか?でもどうして??)
「そんな事よりどうしてユウキこそここにいるのよ?」
「えっ?それはまあ全員がサブ職業に就いたからゆっくりみんなで温泉に入ろうと思って。」
「違うわよ。温泉に来た事じゃなくて、どうして露天風呂の中でも一番左の露天風呂に来たのかって事よ?」
「それは・・・たまたま?」
「嘘ね。この一番左の場所は普通なら入ってこれない設定になってるのよ。狙わないと絶対入ってこれないのよ。」
(何その設定・・・まじかよ・・・)
「いや・・・本当にたまたまで。」
「怪しいわね・・・はは~ん。なるほどなるほど。この場所はゲームでは女性が何人も入ってる場所なのね。なるほどなるほど。だからユウキはこの場所にピンポイントで入ってきたって訳ね。」
(ギクッ!心を読まれた。)
「そのやり取り久々ね。でもユウキ。あなたは・・・ジャンヌ、リーネ、ニーチェがいるのにまだ物足りないの?」
「いや・・・そういう訳じゃ・・・いやホントすいません。」
「はー。まあいいわ。そこに突っ立ってたら風邪ひくわよ。ユウキも入りなさいよ。」
ナディアにそう言われ、ユウキは露天風呂に浸かる。もちろんナディアとは距離を取った。距離を取ったといっても同じ露天風呂内だ。思いっきり手を伸ばせば届く位置にはいる。
「女神様。そういえば俺達全員サブ職業に就けたんです。ありがとうございます。サブ職業があれば能力も倍ぐらいになるからすごい助かってます。」
「それはまあ知ってるから良いわ。それで魔王はいつ倒すの?」
「それに関しては今カツヤ達が天空城に行ってると思うので、戻ってきたらカツヤ達が魔王城に行くと思います。」
「ああそういえばまだ勇者達がいたんだったわね。ユウキに言い忘れてたわ。魔王は勇者達じゃなくて貴方が倒しなさい。」
「えっ!?」
「えっ?じゃないわよ。もう一度言うわよ。魔王は貴方が倒しなさい。」
「えっ?」
「いやいやちゃんと聞こえてるでしょ。その何度も同じ事繰り返すノリやめてよね。」
「・・・どうしてですか?」
「魔王はすでに邪神の手の内にあるわ。勇者がきっと殺されるだけよ。」
「邪神・・・闇の宝玉を使ってるって事ですか?」
「その可能性は高いわね。」
(マジ!?魔王が闇の宝玉使ってたらかなりヤバくね・・・。ただでさえ強いのに魔王から魔神にクラスチェンジしてるって事?本当だったらカツヤには荷が重いな・・・)
「そうですか・・・。」
「魔王が邪神側にいるって事は、早めに手をうたないと、闇の宝玉を使う者がドンドン増えてくるわ。勇者だけは能力が高いからなんとかなるかもしれないけど、他のメンバーは100%死ぬわ。いえ、ユウキ達以外に倒せる人はいないわ。」
(カツヤ達も頑張ってるんだけどな・・・。まあ主人公と、真の勇者の職業を得てからはカツヤじゃなくて俺が主役みたいだし、ここらでカツヤには本当の事を話してもいいかもしれないけど・・・)
「考えてみます・・・」
(後でジュリア達に相談だな。一人では答えが出せない。)
「ええ。じゃあ私はそろそろ出るわ。あっ・・・ジュリア達がいるんだし他の女なんかに目移りしちゃダメよ。」
「はい・・・すいませんでした。」
そう言って、ナディアは露天風呂から出て行った。湯舟から出る時に裸が見れるかも!?と思ったが、ナディアは湯舟に使ったまま姿を消したのだった・・・残念。
ユウキも長く露天風呂に入ってのぼせそうになったので、お風呂を出た。折角混浴風呂に入ったのに、気づけば男性客にも女性客にも全く会わなかったのだった。
(とりあえず温泉宿には2泊する予定だし、ラッキースケベイベントはあきらめるか。女神様が言うように俺にはジュリア達がいるしな。)
部屋に戻ると、ジュリア達は既に部屋に帰ってきていた。
「遅かったわねユウキ?」
「ああ。温泉が気持ちよかったからついつい長くはいっちゃったよ。」
「ユウキなら混浴露天風呂にいるだろうと思って露天風呂にも行ったけど、誰もいなかったからサッと入って私達は出たのよ。ユウキは露天風呂にはいかなかったの?」
(やっぱりジュリア達も露天風呂に来てたのか・・・他の場所が正解だったんだな・・・失敗した。)
「いや露天風呂には行ったぞ。でも俺も誰にも会わなかったな。」
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そんなこんなで、お風呂を出れば後は、全員でお酒を飲みながら食事をする大宴会が始まった。酔った勢いでニーチェがメッチャ絡んできたが、ユウキ達以外には誰もいないので、そのままの勢いで4人で深夜までハッスルしたのだった。
そして・・・
朝早く起きたユウキは1人朝風呂へと向かう。
もちろん、ラッキースケベのイベントなど起こるわけもなく、露天風呂にいたのはナディアだったのは内緒の話である。
第123話 あの場所へ再び
(女神様って絶対、俺の事監視してるよな。いく度いく度露天風呂で会うってどんな確率だよ・・・)
温泉宿オアシスで2泊3日の小旅行気分を味わっているユウキ達。気持ちいい温泉に美味しい料理、綺麗な景色と戦いを忘れて癒しの時間を味わっていた。ユウキは朝に昼に夜にと、とにかく露天風呂に入った。半分意地も入っていた。ラッキースケベのイベントを期待してだ。
だが・・・
温泉に入ると不思議と誰にも遭遇しなかった。遭遇率0%だった。いや厳密には100%の確率で女神ナディアに遭遇したので、誰にも会わなかった訳ではない。
(女神様以外を見かけないっていうのもおかしな話だよな。宿の中には結構な人がいるし、お風呂上りと思える人も結構いるもんな。)
2泊3日の温泉旅行もいつの間にか終わりを迎えた。今は、出発前に全員で朝食を取っている所だ。
「楽しかったわね。それでどうするの?カツヤ達には本当の事を言うの?」
ジュリア達には女神様から言われた事を伝えていた。ジュリア達にどうすれば良いか相談したが、帰ってきた答えは3人とも、「「「ユウキにまかせる」」」だった。
「それなんだけどな。よくよく考えてみたんだけどアイツらだって色々周りから期待されてるだろうし、天空城ではドラゴンまで借りて魔王討伐をお願いされてると思うんだ。だから一緒に魔王城に行こうと思う。」
「でもマスター?アタシ達は全員カツヤよりもステータスが高いんだよな?一緒に行くのはいいけど、見殺しにするだけじゃないのか?」
「それは・・・そうなんだけど・・・。」
(正直本当の事を言ったら何言われるかわからないから怖いんだよな。ただ逃げてるだけっていうのもわかってるんだけど・・・)
「まあユウキの気持ちもわかるわ。いきなり魔王に殺されるから行くなって言われてもカツヤなら言う事聞かないと思うし、魔王以外の魔物に通用するなら魔王城で分かれてカツヤ達よりも先に魔王を倒してしまえばいいんじゃないかしら?」
(ジュリアナイス!!たしかにそれならカツヤ達が死なずに魔王を倒せるかもしれない。)
「そうですね。ジュリアの意見ならいける気がします。でも魔王は闇の宝玉を使ってるんですよね?なら行く前に私はレベル上げをした方が良いと思います。私のアルテミスはまだレベル1ですし。」
「たしかにリーネの言う通りだな。そうだな・・・カツヤ達も俺達と一度合流するまでは勝手に魔王城にはいかないと思うし、どこか良い狩場でも探して一度レベリングするのもいいかもしれないな。」
「新しい場所を探すの?スライム王国じゃなくて?」
「ああ。女神様からプラチナの森をもう一度だけ開放するって言われてるんだ。ニーチェ。ワールドディクショナリ―でプラチナの森について調べてくれないか?」
ユウキは朝食前に一人で行った露天風呂でいつものようにナディアと会い、そこでプラチナの森を開放したから挑戦するように言われていた。何度も露天風呂に来るユウキにナディアは呆れていたが、ユウキは慣れたもので今日の朝は何事もなく、ナディアの隣に浸かり露天風呂を堪能していた。
「わかった。」
ニーチェはワールドディクショナリ―を使い、プラチナの森について調べた。
【プラチナの森】
カジノの地下にあるワープゾーンの先
「前と一緒ですね。」
「いや、前はベルのカジノの地下だったはずだ。今回はカジノの地下ってなってる。ロイヤルベガスにもカジノがあるし、今回はロイヤルベガスの地下だと思う。」
「プラチナの森って、倒せなかったプラチナドラゴンがいるのよね?今回は勝てるの?」
「総力戦だな。あれからアイテムはかなり補充したし強くもなった。時間さえかければプラチナドラゴンは倒せると思う。それに今は俺のサブ職業のスキルでドラゴンバスター極とメタルバスター極がある。前回のようにはいかないはずだ。」
「アタシも早くサブ職業のレベルを上げたかったから丁度よかったぜ。」
「わかったわ。折角のチャンスだから活かさないとね。」
「ああ。俺達のメイン職業のレベル上げとサブ職業のレベル上げ。プラチナドラゴンの討伐とレアアイテムのプラチナの腕輪とプラチナのネックレスを手に入れるのが目的だな。」
「それってたしか1万体倒さないと入手できないって言ってたヤツよね?」
「ああ。」
「一万体・・・」
「大丈夫さ。ひたすら倒し続ければいいんだ。それに1万体は確率の話だから、1体目で手に入れる可能性だったあるからな。」
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温泉宿を出たユウキ達はプラチナの森に向かうべく、ロイヤルベガスの町にテレポートした。ベルの町のカジノと同じように、ロイヤルベガスの地下に行って、行き止まりの場所を調べた。予想通りすり抜ける事ができたので、そのまま進んで行き、見つけたワープゾーンへと入っていったのだった。
だが・・・
ユウキ達は気づいていなかった。
女神ナディアはカツヤに魔王城に行くのはやめろと言った上でプラチナの森へ行くのだと思っていた事に。そして、前回2日程プラチナの森で行動して、戻ってきたら1カ月も月日が経っていたことに・・・
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