【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第49話 聖剣の持ち主は過去の英雄!?
「できるのは、聖剣の持ち主を紹介するだけじゃ。剣がほしければ直接その者と交渉するが良い。」
閻魔から言われた言葉は聖剣を譲るのではなく、持ち主を紹介する。という言葉だった。
「ユウキさん!!」
「ああ。大丈夫だ。予定通りだから。」
「閻魔様ありがとうございます。それでかまいません。早速ですがどこにいるのか教えて頂いてよろしいでしょうか?」
(まあどこにいるかは知ってるけどね。)
「うむ。あやつは常に剣を振っておるからな。城を出たら城壁にそってぐるっと移動してみよ。ちょうど城の裏側に小さな小屋がある。その小屋か、小屋の前で剣を振ってるだろう。」
「わかりました。ありがとうございます。」
ユウキは閻魔に御礼を言い、もっている世界樹の実を10個渡した。
「うむ。見事聖剣を手に入れる事ができたら一度儂の所に報告に来るように!!」
ユウキとジュリアは閻魔に教えてもらったように城を出て城壁沿いに進んで行く。ぐるっと回ると丁度入口の反対側に閻魔の言っていた小さな小屋があった。
「ユウキさん。あの小屋ですね。でも聖剣の持ち主ですよね・・・譲ってくれるでしょうか?」
「多分・・・大丈夫だと思うよ。」
(ゲームの時はゲットできなかったけど、今はゲットできるはずだ。)
ゲームをしている時にユウキはこの聖剣を手に入れる事ができなかった。なぜなら同じようにヨルダンに行き、閻魔に食料を渡し、持ち主に会ったが、
持ち主は「我は真の英雄を待っている。」という言葉とともに、
「お主にはこれを渡そう。真の英雄となったら又来るがよい。」と言い、
聖剣エックスカリバーはもらえず、もらえるのは木刀エックスカリバーだった。
木剣エックスカリバーは聖剣に似せて作られた木剣だ。
しかし攻撃力は1しかない。
(あの時は勇者だったからな。プレイヤーとしてはそこまでやりこんでもって感じだったし・・・)
ユウキとジュリアは小屋に入る。すると上半身裸で筋肉ムキムキで傷だらけの男が椅子に座っていた。
「ひゃっ!!」
ジュリアは傷だらけの男を見て、ユウキの後ろに隠れた。
「ジュリア。大丈夫だよ。すいません・・・」
「構わぬよ。それよりお主はここに何用だ?勝負でもしに来たのか?」
「いいえ。あなたが聖剣エックスカリバーを持ってると伺い、譲って頂けないかと思いまして・・・」
「我の事を知ってるのか?」
「聖剣エックスカリバーの持ち主は大昔、英雄と呼ばれていたエックス様だと聞いております。」
「うむ。我がそのエックスだ。」
「え!?」
ジュリアが驚く。
「ユウキさん。エックス様ってあの英雄の?1人でドラゴンの群れを相手に戦ったあのエックス様?」
「ほお~。そなたも我も事を知ってるのか。ドラゴンの群れとの戦闘か~。懐かしいのぉ。あの時は死ぬかと思ったもんじゃ。・・・まあすでに死んでいるがな。がっはっはっはー」
「ジュリアはエックス様を知ってるの?」
「もちろんよ。大昔の英雄でドラゴンスレイヤー。聖剣を使って数々の悪魔や魔族、魔物を討伐した大英雄よ。私ファンですもの。」
「そうなんだ・・・」
「でも・・・想像してた姿と違って・・・」
(なるほど・・・たしかに過去の英雄ってけっこう美化されてるもんな・・・)
「でもジュリアの言う人物でまちがいないよ。ここは死者の国ヨルダン。昔活躍した英雄や名を残した有名な人がゴロゴロいるからね。」
「・・・・そうなんですね。なんか憧れが崩れ去った気分です。」
「まあそれはしょうがないよ・・・」
「・・・」
ユウキは今の世界は魔王がいて、人々が魔王に怯えており平和とは言えない世界だという事。
平和な世界を取りもどす為に聖剣の力が必要という事。
勇者はいるが、頼りない事をエックスに伝えた。
「なるほどなぁー・・・今の世界も大変なのだな。だが、我の聖剣は簡単に譲る事はできぬ。我の聖剣を託すことができるのは真の英雄のみ!」
(きた真の英雄発言!!英雄王の職業がここで役に立つはず。)
「エックス様。俺はつい先日、英雄王の職業に転職しました。俺にこそ聖剣エックスカリバーはふさわしいと思います。譲っていただけませんか?」
「英雄王!?本当か!?」
「はい。どうでしょうか?」
「ちょっと待て!本当だろうな・・・ムムム・・・お主!たしかに英雄王についておる!!」
「苦労しましたから!!」
(毎日毎日スライム王国でレベル上げして条件を満たしたからな。さあくれる武器はどっちだ聖剣エックスカリバーか、木剣エックスカリバーか。)
「わかった。お主は真の英雄のようだ。まだまだ力は足りないが英雄王の職業についておるのだ。安心してこの聖剣エックスカリバーを託そうぞ!!」
(きたーーーー!!!聖剣エックスカリバーゲットだぜ!!!)
「ユウキさん!!!やりましたね。」
「ああ。これで一安心だ。」
(手に入れた事ないから能力とかは攻略本でしか知らないけど、これで勇者の剣に劣らない武器を手に入れたぞ。)
「うむ。我の代わりに魔王の脅威から世界を救ってくれ!」
「はい。ありがとうございます。まかせてください!!」
ユウキとジュリアは英雄エックスから無事に聖剣エックスカリバーを譲りうけたのだった。
聖剣を譲りうけた報告とジュリアの女帝の宝玉の件を聞く為に再度、王城に行き閻魔に会いに行ったユウキだが、そこで以外な人物に出会うのだった。
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