★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
第96話 ミランは仲間になるのか!?
土の神殿の最上階で不死身のミランを見つけたユウキ達。ミランと対峙すると、どういう訳かミランは白旗を上げてきた。
「どういう事だ?」
ユウキは困惑する。ゲームでも魔王の幹部が降参して戦闘が無くなる。何てことは無かったからだ。
「降参する。私じゃどうあがいてもあなたには勝てない。私はまだ死にたくない。ずっとここで引きこもっていたい。」
「・・・」
「どうする?ユウキ・・・」
「どうしよっか・・・」
「ミラン?降参してあなたはどうするの?私達と一緒に来る?」
「できればここでずっと過ごしたい。ここはすごく落ち着く。ここから出たくない・・・」
「マスター?ミランに戦う気はないみたいだし放って置いていいんじゃない?」
「でもニーチェ?ミランを倒さないとユウキのサブ職業のスキルが使えないわ。」
「!?そうか。たしかに・・・サブ職業につく為には4人の魔王の幹部を倒す必要があるんだった。」
ユウキはサブ職業を詳細鑑定した時の内容を思い出した。
「たしか、4人の魔王の幹部を倒したら『魔を倒した勇者の証』が手に入るからそれを持っていればサブ職業のスキルが使えて、新たなセカンド職業に付けるって話だったよな?」
「はい。そう言ってましたね。でもこの場合どうなるんでしょう・・・。ミランは降参したんですから、この場合、ユウキ様がミランを屈服させた。魔を倒したって言えるんではないでしょうか?」
(どうなんだろ・・・。でもまあ戦う必要がないならそれでもいいか。魔を倒した証に関しては風の神殿に行ってマルワイドを倒せばわかる事だし。倒した時に魔を倒した証を手に入れれなかったらその時に考えればいい事だな。)
「そうだな。とりあえず降参してるんだ。無理に戦う必要ないだろ。」
「ありがとう・・・。」
「ミラン?よかったわね。」
「うん。」
(とりあえずミランは仲間にならなかったな。いや・・・もしかして特殊なアイテムとかイベントをこなせばミランも仲間になるのか・・・。あの女神の事だ。可能性としてはありえるな。)
「そういえばミラン?私の姉、ミネルバの事何かしらない?この前、火の神殿で会ったんだけど、魔王とは別に動いてるみたいなの?」
「知らない。私はずっとここにいたから・・・。」
「そっか。」
(そういえば土の神殿には誰も襲って来なかったな。まあミランの降参っていうイレギュラーはあったが・・・)
その後、ユウキ達はミランと別れ、土の神殿を後にした。
「それじゃあ今日はアースの街で休んで、明日水の神殿に向かおうか?」
「フレイヤの街までいかなくていいの?」
「さすがにカツヤ達が来ている訳ないからね。せっかく初めての街に来たんだしゆっくりしようかなって。」
「そうね。そうしましょ。」
そうして、土の神殿を攻略したユウキ達は、ゆっくりとアースの街を楽しむのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一方、転移の宝玉を使ってプラネットに移動したカツヤ達は魔法の絨毯を使い、南の大陸を更に南へ移動していた。
「おお~。この魔法の絨毯すごいな。移動スピードも速いし湖とかも気にせず進める。なんといっても楽だな。」
「本当ね。ユウキには感謝しなくちゃ。」
「そうだな。ユウキ達の為にも早くロイヤルベガスに行ってアイ達の装備を整えないとな。」
「ええ。でもカツヤ!カジノは行っちゃダメよ!」
「わかってるよ。まああれだ・・・アイ達の装備を整えてお金が余るならちょっと遊ぶぐらいはいいだろ?」
「まあ・・・それぐらいなら。」
「よっしゃーー!!そうと決まればロイヤルベガスについたら早速魔物を倒してお金を稼ごうぜ。」
「もう!!調子いいんだから。」
「まあまあアイちゃん。カツヤならちゃんとしてくれるわよ。」
「アイカ・・・」
「そうだな。なんだかんだ言ってカツヤはよくやってるよ。」
「リヨン。」
「おっ!?見てみろよ。あっちに緑色の大きな塔があるぞ?」
「あれは風の神殿だな。」
「リヨン。知ってるのか?」
「ああ。あそこには魔王の幹部が居座ってるらしい。」
「魔王の幹部!?じゃあ寄り道して倒した方がいいんじゃないのか?」
「いや。ユウキ殿からは先に装備を整えろと言われているし、ロイヤルベガスに向かった方がいいだろう。カツヤが負けるとは思わないが私達がカツヤの足を引っ張るかもしれないからな。」
「そうか・・・。わかったよ。」
「まあ風の神殿にいる魔王の幹部はあそこから動かないらしいからな。焦らなくても装備を整えてレベルを上げればすぐに迎えるさ。魔法の絨毯、転移の宝玉もある。いつでもいけるだろ?」
「そうだな。リヨンの言う通りだ。よし!!目指すはロイヤルベガス!!行くぞーーー!」
カツヤ達は風の神殿を通りすぎてロイヤルベガスに向かった。もしユウキ達が先に風の神殿に向かっていればこの時点でカツヤ達に見つかり、合同で風の神殿を攻略していただろう。そんな未来の可能性もあったが、ユウキがいち早くその可能性に気付き行動したため、お互いが一緒に冒険する未来はなくなったのだった。
はたして今後、ユウキ達とカツヤ達が一緒に冒険をする事はあるのだろうか・・・。それは神・・・いや女神のみ知る・・・。
コメント