【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第28話 パルテ神殿に入る為には巫女を探せ
砂漠を抜けて、パルテ神殿に到着したユウキ達だったが、パルテ神殿には入る事が出来なかった。現在パルテ神殿は立ち入り禁止になっており、いつ入れるようになるかわからないとの事だ。
「せっかくパルテ神殿に来たのに入れないってなんだよ!?」
「せっかく砂漠を抜けてきたのに~。」
「まあでもまだレベル20になってないから転職できないじゃん。周辺でレベル上げしながら入れるようになるのを待とうよ。」
(そうだった。パルテ神殿はイベントクリアしないと入れないんだったよ。すっかり忘れてた・・・)
ユウキはパルテ神殿開放のイベントを思い出していた。
ゲームではパルテ神殿が立ち入り禁止になっているのは、神殿の最高責任者の娘の巫女が行方不明になっており、捜索の為、人が出払っていて神殿が機能していないので立ち入り禁止にしている。そして巫女を探すとイベントクリアとなり、パルテ神殿に入れるようになるという内容だ。
ユウキはイベントの内容をそっとジュリアに話した。
「じゃあ巫女を探せばパルテ神殿に入れるようになるんですね。もちろんユウキさんは巫女がどこにいるかはご存じなんですよね?」
「ああ。まあでもベルの街の酒場で情報収集したらすぐにわかる事だから。」
「しょうがねぇ。パルテ神殿に入れないんだから、ベルの街に行こうぜ。」
カツヤが声を掛けてユウキ達はベルの街へと入って行った。
ベルの街はカジノもあるので夜でもすごく賑わっていた。
「夜なのにすごく明るい街だね。」
アイがキョロキョロ周りを見ながら歩いていた。
「アイ。田舎者感が出るからあまりキョロキョロするなよ。」
「だって田舎から出てきたんだもん。そうゆうユウキだって田舎者じゃん。」
ユウキ達は宿を見つけるとそれぞれ部屋を取った。
「じゃあ明日の朝は周辺でレベル上げして、街で情報収集しようか。大量の経験値をくれるモンスターについても調べたいし、パルテ神殿が何で立ち入り禁止になってるかも調べたいしな。」
「「「了解」」」
ユウキが部屋に入ってしばらくすると、ドアをノックする音が聞こえた。
「は~い」
「ジュリアです。入れてくれますか?」
ジュリアが来たのでユウキは鍵を開けてジュリアを中に入れる。
「どうしたの?」
「先ほどカツヤさんが来て、カジノに行かないか?と誘われました。」
「カツヤが?あいつ元気だな?そういやポルートでも1人酒場に行ってったっけ・・・」
「まあお断りしましたけど。多分アイさんも誘われてるんじゃないですか?」
「アイも断る気がするけど・・・カジノって行った事ないだろうから付いていく可能性もあるな・・・」
「それでユウキさん。この街でする事を再度確認したいんですが、よろしいですか?」
ジュリアは椅子に座って今後の予定を聞いてきた。
「かまわないよ。」
「巫女を探すって言ってましたが巫女はどこにいるんですか?もしかして仲間になる方って、その巫女なんですか?」
「いや、巫女は仲間にならないよ。仲間になるのはエルフの狩人と女盗賊だからね。巫女はここから南に行った所にあるエルフの集落にいるんだ。そこでエルフの問題を解決すると、巫女は神殿に戻って、エルフが仲間になるって感じだね。」
「エルフの問題ですか?」
「ああ、エルフの里にある世界樹の樹が枯れかけてるんだ。エルフは世界樹の樹を昔からずっと守ってきた種族みたいで、世界樹が枯れるとエルフは滅びるみたいなんだ。そして世界樹が枯れる原因はダークエルフによる呪いによるものなんだ。世界樹の中がダンジョンになってるんだけど、最上階にダークエルフが居て、倒したら呪いが解けるって感じかな。」
「なるほど・・・さすがユウキさん。なんでも知ってるんですね。」
「まあね。」
「カツヤさんは明日はレベル上げと情報収集と言ってましたが、その後にエルフの里に行く感じですか?」
「そうだね。ただ、ダークエルフを倒すにはレベル20はないときついからしばらくここでレベル上げをしてもらいたいのが本音かな。ピラミッドに寄らずにここまできたから多分カツヤとアイは今はレベル16ぐらいだろうし・・・」
「そうですね。私も今はレベル17です。私はユウキさんとピラミッドに行きましたのでその分、レベルが上がってます。」
「なるほど。でも17でもちょっときついかな。もしカツヤがカジノで大勝ちしてカジノの武器とか防具とかアクセサリーをゲットしてくるならそのままでも行けるかもしれないけど多分無理だろうね・・・」
「カジノの景品には強い武器があるんですか?」
「そうだね。あそこの武器と防具とアクセサリーは今後の為に俺も欲しい所だね。時間を作ってカジノにはいく予定にしてるよ。」
「その時は私も行きます!!」
「えっ!?まあカジノぐらいなら大丈夫だよ。」
「やった!!」
「女盗賊はベルの街で仲間になるって言ってましたがその方にはまだ会わないんですか?」
「うん。まあ先に会ってもいいんだけど、女盗賊とも戦闘になるからね。負けたら仲間にならないから、エルフを救ってからかな。」
ユウキとジュリアがこの街での行動を共有して、その日はカジノに行くことはなかった。
(とりあえずカジノで俺の武器とアクセサリーはゲットしたいな。カツヤはカジノとか好きそうだから毎日行きそうだよな~。なるべくカツヤがいないときにそぉっと行かないとな。)
ユウキはジュリアが出て行ってからもこれからの行動を考えるのだった。
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