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勇者に魔王を倒させろ!第三話&第四話

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勇者に魔王を
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トラックに轢かれた訳ではなく、ブラック企業の鬼残業による過労で倒れた訳でもなく、ただただ正月に食べた餅で喉を詰まらせて死んでしまった山川光は、ふとした事から異世界へと転生する事になった。

神力を使い果たした女神からは流行りのチートはもらえなかった。鑑定もアイテムボックスも転移魔法も何ももらえなかった。

このままではせっかくの異世界もただのモブで終わってしまう。光はリターンを得る為にリスクと言う名の命をかける事で異世界を生き抜いて行くのだが・・・

「これ、かなりの無理ゲじゃね?」

前世の知識を総動員して、死なない為に、光は今日も努力を続ける・・・

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第3話 ミッションモード突入のヒカル

指令を達成する事で、力を得る事ができると知った光は、ネメシス、プルンとともに指令内容を考えていた。

「ネメシス様、その指令は無理です。」

「どうしてよ?」

(いやいやいやいや魔王を倒せって指令に入れられても・・・クリアしないと力得られないし、その指令はただの無駄じゃん。)

「プルン様・・・。」

「光さん。あなたの考えはわかりますので、少々お待ち下さい。」

ネメシスとプルンは二人で話し始めた。神の言語を使ってるのか光には言葉がわからなかった。

(そういや〜異世界なら言葉はどうなるんだろ?それに生まれた所からのスタートなのかな?それも確認しておかないと。)

「ネメシス様。うまく指令を使えば光さんは勇者をサポートできるかもしれません。指令内容を私に任せて頂けますか?」

「それで魔王が倒せるならかまわないわ。」

「では。」



(どうなったんだ?頼むぞネメシス様。プルン様。)

「光さん。指令が全て決まりましたので確認してください。」

プルンが一枚の紙を光に渡して、光はそれに目を通した。

・教会でお祈りしろ
・魔法を使え
・魔法学校に入学しろ
・勇者を2年生に進級させろ
・勇者を3年生に進級させろ
・勇者を魔法学校を卒業させろ
・聖剣を手に入れろ
・聖女を仲間にしろ
・勇者パーティーに加われ
・魔王四天王を全て倒せ

(なるほど。魔王を倒さないといけないから、勇者をサポートする内容が多いんだな。とりあえずおかしい所はないし、教会にお祈りしろ。とかかなり指令が優しいのも入ってる。ネメシス様とプルン様に感謝だな。あとは・・・どんな力を手に入れるかだな。)

「はい。確認しました。この内容でいけそうですが一応説明して貰っていいですか?」

「はい。もちろんです。今回指令を作る上で、過去49回の勇者の行動を参考にして指令を決めさせて頂きました。魔法学校で卒業出来なかったり、進級出来なかった事もあったので、ラッキーさんにはその辺もサポートして頂ければと思ってます。後は・・・」

「わかりました。後は報酬の力はどのようなモノを頂けるんでしょうか?それとスタートは生まれた直後からでしょうか?言葉とかはどうなっていますか?」

「報酬は一覧を見せるからじっくり選びなさい。言葉は異世界言語理解がついてるみたいだから大丈夫よ。それとスタートだったわね。プルン?どうだったかしら?」

「はい。今回はサポートキャラクター0ですので、スタートは0歳から10歳までのどこかで覚醒となります。更に言えば、転生先も王族、貴族、平民、奴隷のどれかになります。」

(まじか・・・。何歳から始まってどこに転生するかがわかれば予定も立てやすいけど、いきなり予定が崩れたぞ・・・)

「え〜っとネメシス様・・・奴隷に転生すると学校とかいけないと思うんですが・・・。それに10歳とかから始まると学校に入れ無いんじゃ?」

「安心しなさい。魔法学校は12歳から入れるわ。10歳から始まっても大丈夫よ。奴隷になった場合は・・・あきらめなさい。」

(まじかー。転生していきなり詰み。とかないわー。ネメシス様って神様だよな?そこはどうにかするのが神様だろ?無いわー。)

「それで?どんな力を望むの?」

(とりあえず奴隷にならない事を祈って進めるか。最悪の10歳での覚醒を想定して、ミッションは上から順にこなしていくと考えると・・・。)

「ネメシス様?貰える力は後から変更する事は可能でしょうか?」

「わからないわ。できるかもしれないし、できないかもしれないわ。」

(これはできないと思っていた方がいいな。魔法は頑張って覚えるとして・・・。)



光は悩みに悩んでミッションクリアの報酬を決めた。

(仕事サボってラノベを読み尽くしててよかった。)

「決めました。上から、全魔法適正、成長補正極大、アイテムボックス、取得経験値倍増、鑑定魔法、転移魔法、魔法威力増大、必要経験値減少、状態異常無効、魔力量増大でお願いします。」

「あら?そんなのでいいの?極大魔法とかもあるわよ?」

「いえ。適正があれば後は努力して覚えます。」

「わかったわ。じゃあ十戒に登録するわね。」

「はい。お願いします。」

「光さん。ミッションがクリア不可能になると死んでしまいますので気をつけて下さい。」

「はい。わかりました。」

(とりあえずなんだかんだあったけど、とりあえずなんとかなりそうだな。後は奴隷スタートにならないよう祈っとこ。)

「じゃあそろそろあなたの魂をマウンテンリバーに飛ばすわ。」

「はい。色々して頂きありがとうございます。ネメシス様。プルン様。」

「困った事があれば、教会で祈ってる時にでも伝えなさい。できるかできないかはわからないけど、あなたの要望は私には伝わるわ。」

(多分できないやつだな。できたらラッキーぐらいに思っておこう。)

「わかりました。」

「じゃあ転生させるわ。勇者を頼んだわよ。ヒカル。」



そして、目を覚ましたヒカルは・・・

「知らない天井だ。」

ヒカルは異世界マウンテンリバーへと降りたったのだった。

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第4話 目覚めたヒカル

ヒカルが目を覚ますと天井は・・・

知らない天井だった。

ヒカルは目を瞑り、先程の事と自分の事を整理していった。

(ネメシス様の言ってたようにちゃんと異世界に来れたようだな。それにしても・・・は〜。10歳スタートか・・・奴隷じゃなかったからいきなりゲームオーバーにはならなかったけど、孤児院って・・・。)

ヒカルが転生した先は、マウンテンリバーの世界にある4大大国の内の一つ、アルムガルド王国にある王都アルムガルド・・・ではなく、

獣人、ドワーフ、エルフからなるフリーダム連合国との境にある辺境の地エベレス・・・でもなく、

エベレスから馬車で3日程移動した先にあるどこにでもある普通の町イッパンの孤児院だった。

名前はヒカル、年は10歳。生まれた直後に親を亡くしそこから孤児院で生活している。

(まあやるしかないか。とりあえず異世界きたならするでしょ。ステータスオープン!おっ出た出た。声に出すのは恥ずかしいからな。思っただけで出て良かった。)

ヒカル
レベル1

HP10 MP5
筋力 2
魔力 2
敏捷 2
耐久 2
精神 2

スキル異世界言語

(よえ〜。10年生きてきてこれかよ。どうすんだよこんなステータスで。)

ヒカルがステータスを眺めながらどうしよ?どうしよ?とぼやいていると・・・

「ヒカルー。起きてるー?」

そう言って入ってきたのは赤い髪を両サイドで縛った活発な女の子だった。名前はメイリーン。

「起きてるよメイリ。」

「なら早く着替えてよ。行くんでしょ?今日もギルドに。」

「うん。」

ヒカルとメイリーンはこのアスナロ孤児院で最年長だった。本来であれば二人とも孤児院を出なければならない年なのだが、宿代もバカにならないし、部屋も空いていた。

と言う事で、少しの宿代を孤児院に払い、二人は孤児院で寝泊まりしていた。

ヒカルはすぐに着替えて食堂に向かった。食堂ではヒカルよりも幼い孤児達がすでに食事を始めていた。

(でたよ。異世界定番の黒パンと野菜の切れ端スープ!確か黒パンはスープに浸して食べるんだったよな。)

ヒカルは黒パンを齧り、とても固いのを確認して、スープに浸して食べ始めた。

(まずい・・・。というか味がしね〜。興味はあ
ったけど、1回食べれば十分だな。)



「じゃあギルドに行きましょう。」

「待ってメイリ。先にお祈りして行くから。」

(早速ミッションをクリアしていかないとな。せっかく教会にいるんだし。)

イッパンの町にある孤児院は教会の中にあった。ヒカルはミッションをクリアする為に、礼拝堂で神様に祈りを捧げた。

(ネメシス様。無事に異世界に転生する事ができました。10歳スタートなのは微妙だけど、奴隷じゃなかったし感謝します。ありがとうございました。)

祈りを捧げ終わると・・・

ミッション『教会でお祈りしろ』を達成しました。報酬として全魔法適正を手に入れました。

頭の中にミッションクリアの声が聞こえた。

(こんな感じなんだな。よし。これで魔法の適正はゲットした。この調子で次も連続ゲットだ。でもそういや魔法ってどうやって使うんだ?ギルドで聞いて見るか。)

「お待たせメイリ。じゃあ行こうか。」

ヒカルとメイリはギルドへ向かった。教会からはさほど離れてないので、ギルドへはすぐに着いた。

「ヒカル?今日も薬草採取でいいのよね?」

「うん。俺達はまだ冒険者になったばかりだし受けれる依頼も少ないからね。」

「わかったわ。」

(覚醒前の記憶はある程度思い出したぞ。俺とメイリは1週間前にギルドに登録して毎日薬草採取の依頼を受けてる。と、は〜。貯金なんか全くないよな・・・。こんなんで魔法学校なんかいけるんだろうか?ゲームオーバーじゃないけどかなりのハードモードじゃね?)

薬草採取の依頼を受けたヒカルとメイリーンは町を出ていつもの草原に向かった。

「なあメイリって魔法使えたよな?魔法ってどうやって使うんだ?」

「魔法?シスターモネに教えて貰ったじゃない?まあヒカルは聞いてなかったから覚えてないのも無理ないわね。」

(たしかそうだったな。覚醒前は勉強もしない。魔法も覚えない。遊んでばっかの少年だったみたいだし。ラノベの定番じゃ魔力操作して体内の魔力を外に出す感じか?詠唱して魔力を属性変換させる感じかな?)

「そうだったな。冒険者になるならあの時もっと真剣に勉強したらよかった。」

「帰ったらシスターモネに聞いて見ればいいじゃない?それに基本魔法の本は孤児院にあったから読んで練習すれば使えるかもしれないわよ。」

「そうだな。帰ったらシスターモネに聞いてみるよ。」

ヒカルとメイリーンは1日かけて薬草をかき集めた。広い草原の中から薬草を見つけるのはかなりの重労働であったが、日が暮れる前には合計50束の薬草を集める事ができた。

薬草は10束で銅貨5枚になる。50束集めて銀貨2枚銅貨5枚の稼ぎだった。

(銅貨1枚100円、銀貨1枚1000円、金額1枚10000円って感じみたいだな。そうすると二人で日給2500円、一人日給1250円・・・時給200円か・・・。やばいな。どうにかしないとこのままじゃ魔法学校にいけずにゲームオーバーだ。)

ヒカルとメイリーンは受け取ったお金を握りしめて孤児院へと帰っていった。

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カクヨム300万PVの『異世界転生にチートは必須だよね』を読む

『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

異世界にチートは必須だよねを1話から読む

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