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勇者に魔王を倒させろ!第五話&第六話

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勇者に魔王を
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トラックに轢かれた訳ではなく、ブラック企業の鬼残業による過労で倒れた訳でもなく、ただただ正月に食べた餅で喉を詰まらせて死んでしまった山川光は、ふとした事から異世界へと転生する事になった。

神力を使い果たした女神からは流行りのチートはもらえなかった。鑑定もアイテムボックスも転移魔法も何ももらえなかった。

このままではせっかくの異世界もただのモブで終わってしまう。光はリターンを得る為にリスクと言う名の命をかける事で異世界を生き抜いて行くのだが・・・

「これ、かなりの無理ゲじゃね?」

前世の知識を総動員して、死なない為に、光は今日も努力を続ける・・・

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第5話 魔法を使うヒカル

薬草採取を終えたヒカルは早速シスターモネの元に向かった。

「シスターモネ。魔法を使いたいんです。教えてくれませんか?」

「あらあらヒカル。今になってようやく魔法の重要性がわかったの?」

「はい。やっぱり魔法が使えた方が冒険者として有利だと思って。」

「そうね。わかったわ。丁度この後は時間があるから教えてあげるわ。」

「ありがとうございます。」



「じゃあ早速教えるわね。前にも言ったとは思うけどその時の事は覚えてる?」

「いえ・・・」

「じゃあ始めからね。じゃあまず魔力を感じとる所からはじめましょうか?ヒカルは魔力を感じる事はできるかしら?」

「はい。おへその下あたりにあるヤツですよね?」

「そこは知ってたのね。そうよ。じゃあ後は簡単よ。魔力を意識して詠唱するの。そしたら勝手に発動するわ。」

「光れ。ライト!」

シスターモネの手が光った。

「これが生活魔法のライトの魔法よ。ヒカルもやって見て。あっ魔力を意識するのを忘れないで身体の中を魔力が動くからそれを感じるのよ。」

「光れ。ライト」

ヒカルが詠唱をすると、手の先がボンヤリとひかった。

「できた!」

それとともにミッションクリアの声が響いた。

ミッション『魔法を使え』を達成しました。報酬として成長補正極大を手に入れました。

(よし!クリアしたぞ。これで少しは希望が出た。)

その後ヒカルは、シスターモネから、水を出すウォーターの魔法を教わった。

「シスターモネ。魔法って詠唱しないと使えないんですか?」

「一応詠唱しなくても魔法を使う事はできるわ。こんな風にね。」

シスターモネは詠唱せずに指にライトの魔法を発動させた。

「すごい!どうやるんですか?」

「これは無詠唱っていう技術なの。詠唱した時におへその下から手に魔力が移動したのは感じたわよね?これを自分で魔力を移動させて魔法を発動させるのよ。ライトにはまだ早いわね。」

(たしかに・・・さっきから魔力を移動しようと頑張ってるけど全く動かないもんな・・・。)

「魔力が全然動きません。」

「そりゃそうよ。私だって無詠唱で魔法を使えるようになるのは随分苦労したのよ?すぐにできるものじゃないわ。毎日魔力操作の練習を頑張る事ね。」

(なるほど。この辺はラノベ知識と一緒だな。なら毎日地道に努力するしかないか。後は・・・)

「わかりました。それと今日他の冒険者が魔法で魔物を倒してたんですがああいった魔法はどうやって使うんですか?」

「属性魔法ね。そうね。さっきの生活魔法と違って属性魔法を使う為には適正が必要になるの。ライトはギルドに登録した時に自分の適正を教えてもらったと思うけど覚えてる?」

「確か・・・火属性だったと思います。」

(今は全部の属性に適正があるけど、それはまだ隠してた方がいいな。)

「ならヒカルは詠唱さえ覚えれば火魔法が使えると思うわ。」

「本当!?」

「ただし!今はまだ使っちゃダメよ!」

「どうしてですか?」

「ヒカルは今日初めて魔法を使ったでしょ。って事はあまりMPが無いわよね?」

「はい。MPは5でした。」

「さっきライトとウォーターの魔法を使ったから今のライトのMPは3になってるはずよ。」

ラッキーは自分のステータスを確認した。

(たしかにMPが3になってるな。と言うことは生活魔法は消費MPが1って事だな。今は使うなって事は、MPが少ないから発動しないのか?それともMPが0になると気絶するとかかな?)

「はい。MPが3になってました。」

「ちなみに初級魔法を使うにはMPが5ないと発動しないわ。それにMPがなくなると魔力欠乏で気絶するの。だから魔法を使う時はMPを気にしながら使わないといけないの。」

「そうなんですね。わかりました。ちなみにMPってどうすれば上がるんですか?」

「魔法を使ってれば少しずつ上がって行くわ。」

(ラノベ情報と一緒だな。とりあえず毎日MPがなくなるまで魔法を使って、MPを増やさないとな。多分0になるまで使った方がMPの伸びは早いだろうから寝る前にライトを連発すればいいか。)

「わかりました。がんばります。ちなみに初級魔法の詠唱はどうやって知るんですか?」

「初級魔法の本はここにもあるからそれに載ってるわよ。でもラッキー!さっきも言ったけどまだ使っちゃダメよ。」

「わかってます。シスターモネ。」

(よしよし、これで初級魔法はなんとかなりそうだ。本にどこまで魔法について書かれてるかわからないけど、全魔法適正があるんだ。全て使えるようになるだろう。後は成長補正極大がどれだけ影響してくれるかだな。)

シスターモネに魔法について教えてもらったライトは、その後、早速、初級魔法の本を読み込み込んだ。

(詠唱を覚えないといけないのは大変だな。でもまあこれで火、水、風、土の初級魔法は使えるようになったはずだ。早く魔力操作を極めて無詠唱で使えるようにならないとな。)

ライトはベットに入り、魔力操作の練習をして、最後に気絶するまでライトの魔法を使ったのだった。

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第6話 初めて魔物を倒すヒカル

あれからヒカルはメイリーンとともに1週間連続で薬草採取の依頼を受け続けた。

ヒカルは日中はひたすら薬草を探しながら魔力操作の練習をし、孤児院に帰ると寝るまでは引き続き魔力操作の練習、寝る前は生活魔法を使ってMPを0にする生活を続けた。

そして翌日・・・

「ヒカルー。起きてるー?」

いつものようにメイリーンが呼びにきてヒカルは目を覚ました。

起きると同時にステータスを確認するのはヒカルの日課となっていた。

(ステータスオープン。)

ヒカル
レベル1

HP10 MP50
筋力 4
魔力 20
敏捷 4
耐久 4
精神 10

スキル 異世界言語、全魔法適正、成長補正極大

(よっし!MPが50になったぞ。今日から魔物討伐行ってみるか。)

「ヒカルー。早く起きなさい!」

メイリーンに起こされて、今日もギルドに向かうヒカル。ギルドにつくと、

「メイリ。今日は魔物討伐を受けて見ないか?」

「えっ。魔物討伐って、大丈夫なの?」

「いつも行ってる草原のスモールラビットを倒すだけだよ。」

「う〜ん。スモールラビットなら・・・大丈夫かな。」

「決まりだね。薬草採取しながらスモールラビットも狩れたら報酬も増えるしね。」

ヒカルは常設依頼のスモールラビット討伐と薬草採取の依頼を受けて、メイリーンといつもの草原に向かった。

「それでヒカル?どうやってスモールラビットを倒すの?穴でも掘るの?」

「ようやく初級魔法が使えるようになったんだ。だから魔法で倒そうと思って。」

「いつの間に!?1週間前まで生活魔法すら使えなかったじゃない?」

「毎日寝る前にライトの魔法がんばったからな。」

「ライトの適正って火だっけ?」

「ああ。だから孤児院にあった本で詠唱もバッチリだ。メイリは水だっけ?」

「ええ。水と、それと光ね。」

(そうだった。メイリは珍しく2属性に適正があったんだ。)

「じゃあメイリも初級魔法使えるの?」

「水だけね。光の方は詠唱がわからないから使えないわ。」

(水の初級魔法は、ウォーターボールだったな。とりあえずメイリのMPがどれくらいかはわからないけど、俺の方は安全に見ても8回は使えるから気絶する事はないだろ。)

「なら魔法を使えばメイリもスモールラビットぐらい倒せるだろ?」

「多分・・・」

「それじゃ薬草採取しながらスモールラビットを探そう。先に俺が魔法で倒してみるから、その後はメイリが使って見ようか。」

「わかったわ。」

ヒカルとメイリーンは薬草を採取しながらスモールラビットを探した。

「メイリ。見つけた。あそこ。」

ライトが指さした先には、小さなウサギが草をムシャムシャと食べていた。

(異世界初の魔物だ。と言ってもウサギにしか見えないけど。正直魔法なんか使わなくてもナイフで倒せそうだ。)

「こっちにはまだ気づいてないみたいね。」

「うん。ここから魔法を使って見るよ。」

「落ち着いてね。」

「うん。」

(落ちつけ。落ちつけヒカル。深呼吸だ。落ち着いて狙えば大丈夫。)

ヒカルは両手をスモールラビットに向けて詠唱を開始した。

「火よ!その力で敵を倒せ。ファイヤーボール!」

ヒカルが詠唱すると手から火の玉が飛び出した。飛び出した火の球は野球ボールぐらいの大きさだった。

ファイヤーボールはスモールラビットに直撃した。

「よっしゃ!当たった!」

「すごいわヒカル。」

ヒカルとメイリーンは、ファイヤーボールが直撃したスモールラビットに近いた。

「ファイヤーボール1発で倒せたみたいね。でもこれじゃダメね。」

「ダメ?」

「ええ。スモールラビットの素材がボロボロよ。たしかスモールラビットで買い取ってくれる素材は皮と肉よ。火魔法のせいで皮は焦げてるし肉もこれじゃダメだと思うわ。」

「あっ!」

(そうだ!確かにラノベじゃ素材を傷つけない為に魔法なら火魔法以外を使ってたっけ。しかも火魔法って火力はあるけど森とかじゃ使えないじゃん。ミスったな。こりゃ早々にメイリには他の魔法を使える事を伝えとかなきゃな。)

「気づいてなかったみたいね。いいわ。次は私が水魔法で倒してみる。水魔法なら素材は大丈夫だと思うし。」

その後、スモールラビットを発見した時はメイリーンがウォーターボールの魔法で、素材を傷つけずに倒す事ができた。

その日は、持ってる袋がパンパンになるまでスモールラビットを狩った。

「それにしてもライトが4属性の適正持ちだったとわね。」

火魔法が素材をダメにする事を知ったライトは、その後、メイリーンに他の魔法も使える事を伝え、火魔法以外を使いスモールラビットを狩っていた。

「でも秘密で頼むぞ?変に騒がれてもいやだからな。」

(使えるのは4属性じゃなくて全属性だけど、それは言わなくていいよな。)

「わかってるわよ。4属性持ちなんて知られたらきっと貴族から目をつけられるわ。あっでも魔法学校とかからスカウトされるかも。」

「魔法学校!?」

「ええ。王都にある魔法学校は優秀な人を集めてるって聞いた事があるわ。」

(2年で入学資金を貯めなきゃと思ってたけど、スカウトとかそう言う方法もあるのか。一度調べてみないとな。)

「魔法学校か・・・興味はあるな。」

「私も・・・せっかく2属性の適正があるし興味あるわ。」

「そっか・・・」

「うん・・・」

「メイリ。それなら俺と、魔法学校を目指してみないか?」

「えっ!?」

「せっかく冒険者になったんだ。やりたい事をやらなきゃ損だろ。まあメイリがよかったら。だけどな。」

「ライトと一緒に学校・・・ライトと一緒に学校・・・」

「メイリ?」

「えっ?あっ、うん。そうね。ライトと一緒に魔法学校にいくのもおもしろいわね。」

「じゃあ決まりだな。一緒に頑張ろう。」

(よっしゃー!これでミッションクリアの希望が見えた!せっかく異世界にきたんだ。俺は絶対に死なないぞ。)

この日、ライトとメイリーンは、魔法学校に行く事を決めたのだった。

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カクヨム300万PVの『異世界転生にチートは必須だよね』を読む

『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

異世界にチートは必須だよねを1話から読む

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