【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第40話 女盗賊が仲間に!!名前はアイカ!!
街中で3回女盗賊を見つけて、元の場所に戻ると女盗賊は仲間になる。
そんなゲームの進行通りに進めて、ユウキはカツヤ達とともにスラム街の一番奥の家に向かう。
家に辿り着くと、カツヤを先頭に家の中に入っていく。すると、
先ほどの女盗賊が家の中に居た。ただし、女盗賊だけではなかった。布団に寝ている女性が別にいて、女盗賊は女性の看病をしているようだった。
「ようやく見つけた!おい!俺から盗んだ剣を返せ!!!」
それを聞いた女盗賊は・・・・
「ちょっと待ってくれ!!少しだけ待ってくれ!!頼む!!」
とこちらに頭を下げてきた。
「どういう事だ?」
「今、母さんに薬を飲ませた所なんだ。これで母さんの病気も治る。逃げないからちょっと待っててくれないか?」
「どうする?」
「事情がありそうだし、待っててあげましょう。逃げないって言ってるから大丈夫でしょ。」
ユウキ達は家を出て外で待つことにした。しばらくすると女盗賊が家から出て来た。
「さっきはありがとう。おかげで母さんは助かったよ。」
「それはよかった。・・・じゃない!!俺の剣を返せよ。」
「・・・すまない・・・あの剣は売ってしまってもう手元にないんだ。」
「売った!?」
(やっぱり武器屋のあれは剣を売却した後だったんだな。)
「じゃあその売ったお金を返せ!武器屋に行って事情を話して剣を返してもらう。」
「・・・すまない・・・お金も教会に渡してしまって手元にないんだ。」
「教会に渡した!?」
(なるほど。教会に行ったのはお金を渡す為か・・・そこで母親の薬をもらったのか??。てかここまで設定があったんだな。かくれんぼして仲間にするイベントって認識だったけど・・・)
「じゃあどうするんだ??」
カツヤが女盗賊に詰め寄ると、家の中から先ほど布団に寝ていた女性が出てくる。
「話は聞いたよアイカ。お前。人様のモノを盗んできたのかい?」
「母さん!!寝ててよ。まだ完全に治った訳じゃないんだよ!」
「娘が迷惑かけてるのに寝ていられる訳ないだろう。すいません!娘が盗んだ剣は私が働いて返します。なので、娘の事はゆるしてもらえませんか?」
「それは・・・」
(この雰囲気じゃ何も言えないよな・・・。ゲームじゃこんな重い感じじゃなかったけど実際は重い・・・そして選択肢がないとうまく進行させるのも一苦労だな・・・)
「え~と・・・アイカさん。あなたの噂はベルの街でも聞いてます。なんでも悪者から金品を盗んで、皆に分け与える義賊をしているとか?」
「それは!?」
「アイカ!?それは本当なのかい!?」
「え~っと・・・」
「そんな事をしているといつかは捕まると思うよ。それに、それほどの腕があるならよかったら俺達と一緒に行かないか?というのも俺達・・・というかこのカツヤは勇者なんだ。それで魔王を討伐する為に旅をしている。戦力になる旅の仲間は心強いし、一緒にきてくれるなら剣を盗んだ事は無しにしてあげるよ。」
「本当か!?」
「おい!!ユウキ!!」
「まあまあカツヤ!どうせ剣は売却されてもうないんだ。それよりも旅の仲間が増える方がいいだろ?」
「それはまあそうだけど・・・」
カツヤはアイカを上から下まで見ている。
(カツヤはハーレム野郎だから女性が仲間になる事に関しては絶対、首を縦に振るはずだ。)
「わかりました。勇者様と一緒に旅ができるんなら、これほど光栄な事はありません。アイカをよろしくお願いします。」
「母さん・・・」
「アイカ。今まで人様に迷惑かけてきたんだろ?勇者様のお供をして少しでも償いを指摘なさい!」
「はい・・・」
女盗賊イベントが終わり、カツヤ、アイ、ユウキ、ジュリア、リヨン、アイカは宿屋に戻っていた。
「改めてよろしく。あたいは盗賊のアイカでレベルは24だ。」
「盗賊か。ちなみに俺の剣は持ってないんだよな?」
「それは・・・すまない。武器屋に売ってしまった。」
「カツヤ。それなら俺にまかせてよ。今日カジノに行ってもう一回炎の剣をゲットしてくるから!」
「本当か!?」
「ユウキ~。大丈夫なの?絶対勝てるとは限らないのよ?」
「大丈夫大丈夫。」
「まあそれなら炎の剣は取り合えず良しとしよう。それでアイカはこれから魔王討伐のメンバーとして一緒に行動するようになる訳だけど、俺達はパルテ神殿で上級職に転職しようと思ってる。アイカはレベル24なんだろ?アイカも上級職に転職しないか?」
「転職!?そうだな。できるならしたいところだ。」
「今までは何でしなかったの?」
「お尋ね者だからな。転職しにいって捕まったらシャレにならないから行ってなかったんだ。」
「なるほどな。」
「でもレベル20を超えたあたりから転職は考えていたぜ。」
「ちなみに何に転職するつもりだったんだ?」
「くのいちだな。」
(くのいち!?又知らない職業が出て来たぞ!!たしかアイカは忍者に転職させたはずだ。女性で忍者ならくのいちって職業でもおかしくないのか・・・リヨンの精霊士といい、アイカのくのいちといいゲームと違う展開が当たり前になってきたな。)
「くのいち!?」
「ああ、女性で盗賊レベル20を超えたら転職できるはずだ。」
アイカとの話が終わり、その日は解散する事にした。ユウキは1人でカジノに行き約束通り炎の剣をゲットして翌日カツヤに渡した。
カツヤはすごく喜んでいたが、ユウキは持っているメダルでカジノに行って、炎の剣を交換しただけだった・・・
そして、転職ができるようになったので一同はパルテ神殿に向かい転職する事にした。
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