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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第116話 & 第117話

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ゲーム世界に転生
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よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第116話 氷の魔人アイスン

ユウキ、ジュリア、ニーチェがそれぞれサブ職業について、残すはリーネだけとなった。サブ職業に就く為には、『〇〇の証』が必要になる。どこにあるかわからないがはぐれ魔人を倒す事で手に入るかもしれないと思ったユウキは世界各地にいるはぐれ魔人を倒す事にした。

勇者であるカツヤが天空城でドラゴンを仲間にして戻ってくる間に4体のはぐれ魔人を倒す事を決めたユウキ達は、一番弱い氷の魔人アイスンの元へ向かっていた。

氷の魔人アイスンは東の大陸の更に東の海の上の島の洞窟の中にいる。ユウキ達は洞窟を進んで行った。

「ユウキ?ここの魔物はどんなのが出るの?」

「ああ、この洞窟内の魔物は、アイスロック、アイスバード、アイススライムという感じで氷属性の魔物しか出ないんだ。」

「それってもしかしてここの魔物も水と氷属性の魔法が無効で炎属性の魔法を吸収するの?」

「いや、洞窟内の魔物は見た目通り炎属性が弱点になる。」

(そうなんだよ。洞窟の魔物が火属性が弱点だからボスもって普通思うよな。なのにボスは火属性攻撃は吸収ってどんなムリゲーだよ!)

「そうなんですね。私達は多属性の魔法が使えるから大丈夫ですが、他の冒険者なら、洞窟内を進むのに火属性で固めるでしょうし、そうするとボスで苦労しそうですね。」

「ああ。リーネの言う通りだ。まあ俺達にはあまり意味はないけどな。」

「まあボスまでは火属性が有効なんだろ?アタシの火魔法で一網打尽にしてやるよ。サブ職業に就いたばかりだからな。たくさん倒して早くレベルを上げたいぜ。」

「そうだな。ニーチェのレベル上げもあるし魔物はなるべく倒しながら進むか。火属性魔法を使えばほとんど瞬殺だと思う。MPが減っても回復アイテムも持ってるしMPなんか気にせず進もうか。」

ユウキ達は魔物を見つけると、見つけた傍から魔法を放って片っ端から魔物を倒して行った。ユウキのメガファイア。ジュリアの灼熱地獄、ニーチェの火の極意と弱点属性である火魔法を使えば洞窟内の魔物は魔法1発で死んでいった。リーネは火属性の攻撃手段を持っていなかったので、他の3人が魔法を使って魔物を倒して行く。

「全然手ごたえがないわね。」

「しょうがないさ。この洞窟の魔物と比べると俺達が強すぎるんだ。ボスだってダークドラゴンより弱いんだぞ?」

「それもそうね。」

「ユウキ様。ですが、闇の宝玉を使ってる可能性もあるんですよね?」

「まあそれはそうだけど・・・。」

(全員ステータスは勇者カンストよりも多いんだからゲームで出てくる魔物はもはや脅威ですらないよな。ゲームに出てこない魔物が出て初めて脅威って思うぐらいなんだから知ってるダンジョンなら危険もない・・・か。ならサクッと攻略していくのがいいよな。もたもたしてるとカツヤがもどってくるだろうし。)

「まあリーネの言う事もわかるが、今の俺達なら問題ないだろ。」

「そうだぞリーネ。アタシがサクッと倒してやるよ。」

(まあフラグっぽい可能性もあるけど・・・。)

少しの不安を持ったまま、ユウキ達は洞窟をドンドン進み、最奥にいる氷の魔人アイスンまで辿り着いた。

最奥には、豪華な椅子がありその椅子には、全身青色の人物が座っていた。筋肉質な身体に髪は無く、頭には角が2本生えていた。そして指には赤色の指輪が光っていた。

「こんな所に客とは珍しいな。」

「お前が氷の魔人アイスンか?」

「そうだ。俺様に何か用か?」

(あれ?これって戦闘にならないパターンもあるのか?ゲームじゃ問答無用で戦闘になったんだけど・・・)

「私達はあなたを倒しに来たのよ。」

「俺様を?はんっ!おもしろいジョーダンだ。俺様は氷の魔人アイスン様だ。いいだろう。ちょうど退屈していた所だ。暇つぶしに遊んでやろう。」

(よかった。普通に戦闘になりそうだな。何か用か?って言われても特に用もなくただ倒しにきただけだしな。)

アイスンが椅子から立ち、戦闘態勢に入った。両手を前に出し、手から無数の氷が飛び出してきた。

「!?いきなり攻撃してくるのかよ!?」

ユウキは極光の盾を出しアイスンの攻撃を防ぐ。

「ジュリア!リーネ!ニーチェ。魔法は火と水と氷以外だ。行くぞ。」

アイスンの攻撃を防いだユウキは、今度はこちらの番だ。と言わんばかりに攻撃を仕掛けた。

ユウキが剣を構えて接近戦を挑み、ジュリア、リーネ、ニーチェの3人は魔法で攻撃した。

ダークドラゴンよりも弱い氷の魔人アイスン。そして、ユウキ達のステータスはカンストした勇者のステータスよりも高い。更にアイスンには火属性の魔法はNGという事もわかっているので、ユウキ達はガンガン、アイスンを攻撃していく。

そんな攻撃にアイスンは防戦一方になる。

「なぜだ!?なぜ火魔法を使って来ない!こんな事は初めてだ!」アイスンは叫ぶがユウキ達は構わず攻撃を続ける。

止め!とユウキがかみなり魔法をアイスンに放つ。かみなり魔法の直撃を受けたアイスンは叫びながら消えて行った。後には指に付けていた赤い指輪だけが残ったのだった。

「楽勝だったわね。」

「ああ。」

「ユウキ様?証は手に入りませんでしたね。」

「そうだな・・・もしかしたら指輪を4つ集めたら女神様が証をくれるのかもな。」

(こんな感じでフラグを立てておけば、あの女神ならきっとそのように動くだろ。)

無事に氷の魔人アイスンを倒したユウキ達は、次のはぐれ魔人の討伐へと向かうのだった。

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第117話 炎の魔人フレイムン

氷の魔人アイスンを倒したユウキ達は、残りのはぐれ魔人を倒す為に、北の海を目指した。次に倒すのは炎の魔人フレイムンだ。

「ねえユウキ?次は炎の魔人フレイムンって言ってたわよね?そこもさっきの所みたいな感じなの?」

「いやそれぞれの洞窟でタイプが違ってるんだ。始めに言った氷の魔人のアイスンの所はよくある迷宮タイプの洞窟だっただろ?炎の魔人フレイムンがいる洞窟は何ていうか闘技場タイプの洞窟なんだ。」

「闘技場タイプ・・・ですか?」

「うん。入って見たらわかるんだけど、真っすぐ一本道が続いていて、道中に魔物は全く出ないんだ。その代わりに道を抜けると大きな闘技場があるんだ。そこに入ると1体ずつ魔物が現れるんだ。たしか・・・5体倒したら炎の魔人フレイムンが現れたと思うよ。」

「なんかおもしろうそうだな。アタシはそういうの好きだぜ。」

「魔物が1体しか出てこないって事はけっこう強いの?」

「そうだね~。もしかしたら苦戦するかもしれない・・・。だけどこっちは4人いるから大丈夫だと思うよ。」

「どういう事?」

「出てくる魔物は、シャドーって魔物なんだけど、俺達の姿をしてるんだ。」

「「「???」」」

「え~っと・・・シャドーって魔物はどんなモノにも変化する魔法を使える魔物なんだ。それで、俺とかジュリア、リーネやニーチェに変化してくるって事。」

「ユウキ様?それって強さも一緒になるんですか?」

「完全に一緒って訳じゃないけどね。それなりに強くなるよ。」

「真実の塔にいたボスみたいね。でもそれってやばいじゃない。相手がユウキならかなり強いんじゃないの?」

「でもこっちは4人いるからね。相手が1人ならまちがいなく勝てると思うよ。」

(まあ5回連続俺に変化してきたらちょっとやばいかもしれないけど・・・。確か1回だけゲームしてた時に連続5回勇者だった事があったな~。あの時はちょっとやばかったっけ。)

「ユウキ様?5回戦うって事は例えばユウキ様に変化した魔物と2回戦う可能性もあるって事ですか?」

「リーネの言う通りだよ。だけど例えばカツヤとかアイとかに変化する可能性もあるから誰が出るかは行ってみないとわからないんだよね。」

「そうなんですね。まあユウキ様に変化してきてもこっちにもユウキ様はいる訳ですし大丈夫ですよね?」

「もちろんだよ。相手は1体。こっちは4人。そこまで難しく考えなくても大丈夫だよ。」

フレイムンの洞窟の事を話しながら進むと、目的地である北の海の上にある洞窟が見えてきた。

「あれだな。よし早速攻略しに行こうか。」

「まってユウキ!まだ肝心のフレイムンの事を聞いてないわ。途中の魔物が私達に変化するならフレイムンとの闘いはどうなるの?」

「う~ん。まあそれは行ってからのお楽しみかな。今それを言っちゃうと面白くないしね。」

「面白くないって・・・それどういう意味よ?」

「まあまあ行ったらわかるから。」

(はぐれ魔人の中で一番強いのが炎の魔人のフレイムンって言われてるけど、実は最弱の魔人とも言われてるんだよな~。まあアレが使えなくなるのは痛いけど、俺にとってはそこまで重要なアイテムでもないからサクッと行ってサクッと倒して次の場所に向かおうっと。)

ユウキ達は炎の魔人がいる洞窟に入っていく。ユウキの言葉通り洞窟に入ると真っすぐの1本道で魔物は1体も出現しなかった。そして、その道を真っすぐ進むと、その先には、大きな闘技場があった。観客席には誰も座っていなかったが、入り口とは逆側に全身を炎に包まれた魔人が待っていた。

「次の挑戦者は貴様らか。俺の名は炎の魔人フレイムン。俺と戦いたければ5名の戦士を倒してみよ。」

(これって、ゲームじゃ無理だったけどここであれを使えば戦闘全部終わるんじゃ・・・)

ユウキは氷の魔人アイスンを倒した時に手に入れた炎の指輪を取り出し、思いっきり炎の魔人フレイムンに投げつけた。ユウキの力はすでにカンストした勇者よりも強くなっている。ユウキの投げた指輪は避けられる事なくフレイムンに当たる。

指輪が当たったフレイムンは・・・

指輪に吸い込まれて姿をけしてしまったのだった。

「「「えーーー!!!」」」

いきなり炎の魔人フレイムンが消えた事に驚くジュリアとリーネとニーチェだった。

ユウキは落ちた指輪を回収する為に、闘技場を歩きだす。

「ユウキ!危ないわよ。シャドーが出てくるかもしれないわ。」

「大丈夫だよ。シャドーは元々フレイムンの部下だからね。フレイムンがいなくなれば襲って来ないはずだよ。」

(多分そうだよな?普通ボスを倒したら雑魚は消えてなくなるのはゲームじゃ普通だもんな。)

ユウキは指輪を拾い上げた。

『これはどういう事だ。貴様、何をした!?』

「おっやっぱりしゃべれるんだね。炎の指輪の力でフレイムンの力を全て吸い取ったんだよ。」

『なっ!?』

「ユウキ?どういう事?」

「うん。この指輪って火属性を吸収する効果をもってるんだ。それでフレイムンは炎の塊みたいなもんだから魔人事炎の指輪に吸収する事ができるってわけ。」

(我ながらうまくいったな。久しぶりにゲームの裏技がきっちりはまった感じだ。)

「ユウキ様、そこにもう一つ指輪が落ちていますわ。」

ユウキはリーネが指さす方を見る。

「おっ海の指輪だね。よかったよかった。忘れてたよ。じゃあ炎の魔人フレイムンも倒した事だし、後はウインドンとアイスンだね。この調子だったらどっちもすぐに倒せると思うしリーネのサブ職業も近づいてきたね。」

「「「・・・」」」

「は~。誰が出てくるのかとかどうやって戦おうかとか色々考えてたけど馬鹿らしくなるわね。」

「そうですね。」

「アタシはなんか疲れたぞ。」

炎の指輪に話しかけながら、来た道を戻るユウキを疲れた表情で後について行くジュリア達であった。

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

  1. 第1章 ゲーム世界に転生した!?
  2. 第2章 ゲームの流れに沿って行動しよう
  3. 第3章 勇者とは別行動だ!!
  4. 第4章 主人公として

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『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

異世界にチートは必須だよねを1話から読む

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