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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第60話

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ゲーム世界に転生
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よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

動画で異世界ファンタジーの記事を更新しました~動画セレクション1~5

動画で異世界ファンタジーの記事を更新しました~動画セレクション6~10

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第60話 勇者の兜を取りに行こう。



 

ユウキ達はフライの魔法でベルの街を出発した。

「それでユウキ!勇者の兜は最北の洞窟にあるっていってたけど、どっちに飛べばいいの?」
「とりあえず、北に向かって飛んでいけば見える・・・と思う。」
「なんかあいまいね。」

(そりゃゲームの時は地図とかなかったからな。空を飛んで移動できるようになっても同じ所を何度ぐるぐる回った事か。あれってなんなんだろうな?まだかな~まだかな~。あれっ?過ぎたかな?でコントローラー動かすのがよくないんだろうけど・・・)

ゲームでは最果ての洞窟に行くときは船に乗ってひたすら北を目指していた。ただ、正確な場所までは覚えていなかった。近くにいけば思い出すと思いこうして空を飛びながら目的地を探していた。

適当に移動していたユウキ達は案の定・・・迷った。
迷ったといってもユウキのテレポートやリーネの転移があるので、知ってる街にはすぐに戻る事はできる。ただ、目的の最北の洞窟が見つからなかった。

(あれ~。どこだったかな・・・たしか緑に囲まれてて洞窟がポツンってあるんだよな~。空からみたらすぐにわかると思ったんだけど・・・)

その後もユウキ達は空をぐるぐると回る。途中で行った事のない街や城、洞窟や塔など色々見付けるが、目的地とは違ったので立ち寄らなかった。

「ユウキ様!一度どこかで休憩しませんか?ずっと飛び続けて疲れてしまいました。」
「そうだね。あそこで一度休憩しようか。」

ユウキ達の降りた場所は、ジュリアがいたポルートの城だった。
(ゲームじゃあ移動しながら疲れるって事はなかったけど、こっちじゃ疲れもあるか。気を付けよう。)

ポルートの城下町で休憩したユウキ達は再度フライの魔法を使って最北の洞窟を目指す。

飛ぶ前に洞窟の事でわかってる事をジュリアとリーネに説明し、場所をはっきりと思えていない事を伝えた。

一度休憩した後に最北の洞窟と思われえる場所はあっさりと見つかった。
「あれは・・・ジュリア!リーネ!あの洞窟だ。まちがいない。」

ユウキ達は無事に最北の洞窟を見つけた。そのまま勇者の兜を入手する為に洞窟の中へと入っていくのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ユウキ達が勇者の兜を入手する為に最北の洞窟の中を進んでいる頃、入れ違いでカツヤ達はベルの街に戻ってきていた。

「やっぱりユウキ達はいないみたいね。」
「そりゃそうでしょ。だって約束は3か月でしょ。あれから半年以上経ってるもの。」
「ねぇカツヤ?どうしよっか?」

「そうだな。勇者の盾は手に入れたし、俺達は引き続き勇者装備シリーズを探そう。パルテ神殿のアッシュに伝言を頼んでおけばその内、再開できるだろ?」
「そうだな。カツヤ殿の勇者装備シリーズを入手しない事には魔王は倒せん。私もカツヤ殿の意見には賛成だ。」
「だろ?リヨンは頼りになるな。」

「カツヤがだらしないんでしょ。勇者の盾だってリヨンが闘技場で戦って入手したんだからね。」
「わかってるよ。俺だって、本気を出せばあれぐらいすぐできたさ。」

アイとアイカは愚痴を言いながらもカツヤとイチャイチャしていた。リヨンはその様子をため息を吐いて見つめていた。
(は~。本当にカツヤ殿について行って大丈夫なのだろうか?だが、勇者装備を使えるのはカツヤ殿のみ・・・は~。)

カツヤ達はパルテ神殿に足を運んでアッシュにユウキへの伝言を頼む。
「ユウキさんならだいぶ前に一度来ましたよ。ジュリアさんと一緒に。」
「本当か?」
「はい。でも半年程前だったかな・・・。あれからは見てないですね。」

カツヤは自分達が勇者装備シリーズを集めて回る事をユウキに伝えてほしい。とアッシュに頼み、次の目的地である東のデスターンに向かう事にした。

「リヨン。勇者の剣は東の国の城、デスターンにあるんだよな。」
「ああ。私が闘技場で戦った相手から入手した情報だ。デスターンという城に勇者の剣があるらしい。だが、デスターンの城はすでに人は誰もいなくて廃墟となっているらしい。」
「もう誰かに持ち去られてるんじゃねぇか?」

「いやそれはない。」
「どうしてだ?」
「私が戦った相手が言うには、そいつも勇者の剣をデスターンで見つけたらしいんだ。王座に刺さっていたらしい。だが、持って帰ろうとしたが抜けなかったみたいだ。」

「どういう事だ?」
「多分、勇者じゃないと抜く事ができないんじゃないか?と言っていたが?」
「なるほどな。それなら納得だ。俺が行くまではそのデスターンって城に勇者の剣は残ってるって事だな。」

「ああ。だから次の目的地に持って来いだと思ってな。」
「だな。それに剣を早めに見つけた方が俺が単純に強くなれるからな。」

カツヤ達は早速ベルを離れて東の国へ向かって行った。
「カツヤ!単純に東に真っすぐ進めばいいの?」
「ああ。ベルから東にむかって辿りついた大陸にデスターンはあるらしい。ただ、けっこう遠いらしいぜ。」

ユウキ達が勇者の兜を探す為にベルを出たところに
カツヤがベルの街に戻ってきた。
だが、ユウキ達が勇者の兜を見つけて、ベルの街に戻る頃には、
カツヤは勇者の剣を求めて、ベルをすでに出ている。

両者が再び出会うのはいつになるのか・・・それは誰にもわからないが、
カツヤもユウキも再開を望んではいなかった・・・

それは・・・どちらも今のメンバーに不満がなく、それなりに楽しんでいたからだ・・・


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