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異世界転生にチートは必須だよね 136話

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異世界小説
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異世界転生にチートは必須だよね

気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。

第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?

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『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

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第136話 英雄クリフと勇者パインと聖女ユーナ



3対抗交流戦の開会式が始まり、クリフは王国の代表者挨拶を行った。
内容は無難に、これまでの努力の成果と優勝宣言ぐらいで何事もなく乗り切った。

だが、挨拶の後に代表者同士での握手が案内され、勇者に絡まずに開会式を終えるというクリフの予定はいきなり崩れ去った。

勇者パインがクリフに近づく。

「久しぶりだなクリフ。そういやセリーヌ王女は元気か?今回帝国が優勝したらセリーヌ王女は俺にくれよな!!」
「何意味わからない事言ってんだ。セリーヌを渡すわけないだろ?それに優勝は王国がもらうよ。お前こそ負ける姿を帝国中に見られたくなかったら尻尾撒いて逃げるんだな。」
「何っ!!!」

クリフがパインに負けじと言い返す。その場で戦闘が起きそうな雰囲気になるが、

「パイン様もクリフ様もここは開会式の場ですよ。みんなが見ています。小競り合いなどしなくても競技で競い合うんですよ。」

「あっゴメン・・・」
「ふん!!」

クリフは謝り、パインはそっぽを向く。

「ではお互いの健闘を称え合って握手をお願いします。」

「クリフ様よろしくおねがいしますね。」
「こちらこそよろしくね。ユーナさん・・・だったかな。」
「はい。」

クリフとユーナは固く握手する。

「ほらパイン。いやだけど握手だ。一応お前も頑張れよ。」
「なんで俺がお前と握手しないといけないんだ。」

パインはクリフの握手を断って、ユーナに手を差し出す。
「聖女ユーナだよな。俺の女にならないか??」
「はっ??」
「お前こそ何言ってんだよ!!」

「クリフこそ何言ってんだ。この世界で魔王を倒せるのは俺だけだ。なら帝国、王国、聖国が力を合わす為にも勇者である俺の女になるのが友好として一番だろ!」

「今は3大国交流会でここにきていますので・・・」
聖女ユーナはパインの言葉をさらっと交わしてパインの手を一瞬だけ触って・・・すぐに放した。

「まあいい。3大国交流戦が終われば俺の力がわかるだろう!終わった時にもう一度聞いてやる。覚悟しておくんだな。」

そう言って、パインは場を離れていった。
(アイツのあの自信はどっから来るんだ。・・・って僕、パインと握手してないや。まあしたくなかったから、別にかまわないけど。)

全ての予定が終了し、開会式は無事?に終わったのだった。

クリフは競技場を後にし、王国メンバーが滞在しているホテルに戻っていた。
泊まる所は各国がそれぞれのホテルを貸し切りにしてあった。

「クリフ。夜はメンバー全員で激励会だぞ。又挨拶あるけど大丈夫か?」
「大丈夫だよ。又無難に乗り切るから!」

「無難にって・・・もっと面白くなるような挨拶とかはしないのか?」
「いいんだよ。ああいうのは僕は苦手なんだ。セリーヌとかマッシュの方がああいうのは得意だと思うよ。」

その日の晩、王国メンバー全員で激励会を行い、競技での好成績を誓ったのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

一方勇者パインは・・・

「マイ!聖女に会ったぞ。アイツもかなりいい女だった。俺の女になれ!って言ったのにサラっと流しやがった。」
「見ていましたわ。パイン様が交流戦で優勝すれば見る目も変わりますよ。」
「そういうもんか?」
「はい。」

(それにしても王国の英雄クリフはちょっとやばいわね。今のままじゃパインでも勝てないわ。どうにかしないと・・・まさか王国があれ程の力を持っているとは・・・パインは気づいていないのかしら??)

「とりあえずサクッと交流戦で優勝するか。」

(このままじゃ。帝国の優勝も危ういわ。せっかく帝国が3大国交流戦で優勝。勇者の力をアピールして、勇者の存在の重要性を理解してもらおうと思ったのに・・・これは早めに動くしかないわね。)

マイは用意していた首飾りを4つ取り出してパインに渡す。

「パイン様。これを」
「これは?」

「これは魅了の首飾りです。パイン様にはこの首飾りを。残りの3つはそれぞれナリア、セリーヌ、ユーナに付けてください。そうすればその3人はパイン様の事が好きになり思うがままです。」
「マジか!?そんな便利なアイテムがあるんだな。」

「はい。交流戦中に付けてしまえば、各国の情報や、こちらが有利になるように動いてもらう事もできますわ。」
「なるほど。俺がいれば帝国の優勝は当たり前だけど念には念をいれるわけだな。」

「そうですわ。交流戦はパイン様1人の力ではどうしようもない事もあります。全ての競技にパイン様が出場できるなら問題ないのですが、1人1競技と決まっていますので・・・」
「たしかにな。わかった。ナリアには俺が直接渡そう。セリーヌとユーナには勇者からの贈り物って感じで各国のホテルに届けさせようか。魔除けの効果がある特別製と言えばすぐに着けるだろ!」

(とりあえず、魅了の首飾りを渡して、計画を早めるしかないわね。パインには今すぐここで首飾りを付けてもらって・・・。ナリア、セリーヌ、ユーナにも付けさせれればいいんだけど、こればっかりはわからないわね。まあ、パインさえつけててくれれば計画に支障はないわ。)

「じゃあパイン様には私がつけて差し上げますわ。」
「おお!頼む」

マイは魅了の首輪のメインをパインに付けた。
パインはマイから付けらえた魅了のネックレスをうれしそうに眺める。

それが邪神の加護が付与されているネックレスとも知らずに・・・

帝国の王女ナリア、聖国の聖女ユーナ、王国の王女セリーヌにも邪神の手が及ぼうとしていたのだった・・・

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