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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第54話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第54話 カツヤを助けにプラネットの国へ・・・

 

「ユウキ!これからどうするの?」

ジュリアからこれを聞かれるのはもう3回目だ。
「ちょっと待って。今どうするか考えてるから。」

「ユウキ様。女神様が言ってましたがユウキ様は勇者装備シリーズの場所やこれから起こる事がわかるのですか?」
「・・・まあね。」

ユウキは自分がこの世界の人間じゃない事。
この世界は元居た世界のゲームと非常によく似ている事。
自分は魔王に殺される事。
殺されない為に強くなった事を話した。

「そんな事が・・・実際にあるんですね。」
「まあ俺も最初は信じられなかったけどね。だけど、ヨルダンで女神様に会って、あの女神様が俺をこの世界に連れてきたのは間違いないと思う。」

「それじゃ、カツヤさんの所に行くのは後回しにして私達で勇者装備シリーズを集めればいいんじゃないですか?」
「そうだな~。それもありと言えばありなんだけど・・・」

(とりあえず情報を整理しようか。まずは勇者装備シリーズの入手だ。そして勇者装備を手に入れたら、天に一番近い塔に行って天空城に行く。天空上で神龍の子供を借りたら魔王城に行く。最短で魔王城に行くのはこの流れだな。)

勇者装備シリーズは

勇者の盾・・・南の国プラネットの闘技場で優勝すれば景品としてもらえる。
勇者の兜・・・最北の洞窟で最奥にいるデュラハンを倒せばゲットできる。
勇者の剣・・・東にある廃墟となかった城デスターンの王座に刺さっている。
勇者の鎧・・・海底神殿ポッセイでリヴァイアサンに認められると貰える。

(勇者装備シリーズは俺が集めても問題はない。これは装備できないだけで俺が入手することもできる。問題は・・・天空城か・・・あそこの神龍に力を認めてもらわないと神龍の子供のドラコを貸してもらえない。たしかあそこはレベル45ないとやばかったよな・・・)

天空城に行くためには勇者装備シリーズを装備した上で、天に一番高い塔の一番上に行く必要がある。

ここまでは勇者のレベルは特に関係ない。
だが、魔王城へはドラコに乗ってしか行くことができない。魔王城には結界が貼ってあり、神龍の力がないと結界を解除できないからだ。

そのドラコを借りる為には神龍と戦って力を示さなければならない。

(俺が戦闘できるなら神龍相手でも問題ないんだが、神龍戦は勇者の力を試すために勇者1人での戦闘だったからな~。そう考えるとカツヤに勇者装備シリーズを集めてもらってレベルを上げてもらわないと、そもそも魔王城にいけないな・・・)

「やっぱり勇者装備シリーズはカツヤに集めてもらおうと思う。」

(俺達は別ルートで戦力確保だな。カツヤには王道ルートを行ってもらって俺達はサブイベントをこなすとするか・・・)

ユウキは勇者装備シリーズの場所、全部入手してからの目的地、ドラコを借りれないと魔王城に入る事すらできない事を伝えた。

「なるほど・・・ではプラネットでカツヤさんを助けて勇者の盾をゲットすればいいんですね。でもユウキ様。今だプラネットで勇者の盾をゲットできていないのに大丈夫でしょうか?」

「それは問題ないよ。今カツヤがプラネットでダラダラ滞在してるのはニーチェが邪魔してるからだからね。」
「ニーチェって誰?」

「ああ。魔王軍4大幹部の1人で『魅惑のニーチェ』って言って、魔王の側近なんだ。」
「「!?」」

「カツヤはそれに気づいていないんだよ。ニーチェが敵だと分かれば、遊ばずに勇者の盾をゲットする為に頑張ると思うよ。」

「なるほど。ではカツヤさんを助けに行きましょうか?」
「ちょっと待って。ユウキ。カツヤさんを助けたら私達はどうするの?カツヤさんと一緒に行動するの?私達の職業の事はどうするの?」

「一応、プラネットには勇者装備の場所がわかってベルの街で待ってたけど、カツヤ達が来ないからフライの魔法で向かったって事にしようかと思ってるよ。それで向こうでカツヤと合流できたら、又、別行動を提案する予定かな。」

「私達の職業は言わないの?」
「そこは迷ってるんだよね~。正直、もうカツヤ達と一緒に行動する理由がないんだよな~。職業を伝えてもカツヤの事だからあんまり納得しない気がするんだよ。そうなるとな~。アイツには勇者装備を装備して魔王城に行ってもらわないといけないからな。」

「たしかにそうですね。カツヤさんは自分が勇者で一番強いと思ってるからユウキがカツヤさんより強いとわかったら一緒に行動しない気がします。それに・・・なんか足をひっぱってくる気がします。」
「だよな~。」

(職業伝えて、俺の方が強いって示したら、絶対反発する気がする。なら勇者として魔王城に行くまでは伏せて置いて・・・ていうかカツヤが魔王を倒すまでは気楽にこの世界を楽しむのが正解かも・・・)

「わかりましたわ。なら私も職業はダークエルフとカツヤさんや兄さんには伝えます。」
「まあすぐに又、別行動になると思うから大丈夫でしょ。」

翌日、ユウキ達はフライの魔法でカツヤのいるプラネットの国へと向かった。

プラネットに着いたユウキ達はカツヤを探した。

すると・・・・カツヤはすでに勇者の盾を入手しており、プラネットにはいなかった。

(はっ??せっかく来たのにいないってどういう事??)

ユウキの計画はしょっぱなから崩れるのだった。

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