★小説家になろう様、カクヨム様、アルファポリス様、ノベルアップ+様にて投稿中★
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第124話 レアアイテムのプラチナの腕輪
ユウキ達はロイヤルベガスの地下からプラチナの森へとやってきていていた。女神ナディアからプラチナの森へもう一度挑戦できるチャンスをもらったからだ。
ユウキ達は一度プラチナの森に挑戦している。プラチナの森とは、プラチナスライム、プラチナゴブリン、プラチナオーク、プラチナラビット、プラチナキャットなど、出てくる魔物が全て銀白色のプラチナでできており、倒すと大量の経験値がもらえる。要はボーナスステージである。
又、1万分の1の確率でプラチナの腕輪とプラチナのネックレスを入手する事ができる。ユウキがしていたゲームには登場しなかったアイテムなので、効果はまだわかっていないが入手何度からかなりのレアアイテムだと推測できる。
そして、森の中心には神殿があり、その神殿の中にはプラチナの森の主、プラチナドラゴンがいる。以前ユウキ達はプラチナドラゴンに挑戦したが倒す事ができず、途中離脱していた。
今回の目標は、レベル上げに加えて、プラチナドラゴンの討伐と、プラチナの腕輪とプラチナのネックレスの入手である。
「ユウキ?とりあえず出てくるプラチナモンスターを倒して行けばいいのよね?」
「ああ。今回は総力戦で行くよ。神殿に入らなければプラチナドラゴンと戦う事もないからね。それまでに倒せるだけ倒すよ。だからリーネ。精霊も呼び出してくれるかな?僕もフェンリルとドラゴンを呼び出すから。」
リーネがジン、ドリュアス、ガーディアンの精霊を呼び出し、ユウキもフェンリルと、ドラゴン夫婦を呼び出した。
「よしとりあえず森の魔物を全滅させる勢いでいくぞ。ここはボーナスステージだ。脅威はない。見つける魔物。見つける魔物全て倒すぞ!!」
(ここは人もいない。最悪森を焼きつくても問題ないだろ。今日は森の魔物を全滅させるぞ。1万体はさすがに難しいけど1000体ぐらいは倒せるかな?俺達が4人に、フェンリルとドラゴン夫婦もプラチナモンスターは倒せると思うから戦力は7人。精霊達はきびしいと思うから俺達のフォローをさせれば効率も上がるだろ。)
そうして、プラチナモンスター殲滅作戦は開始された。前回来た時にこの場所はどこか別の隔離された空間であることは、確認済みだった。
ユウキ達は森の中心の神殿を避けて四方に散らばった。早速それぞれが戦闘を開始したようで、至る所から轟音が聞こえてきた。
(あれはドラゴンブレスか・・・てかドラゴンブレスってプラチナモンスターに効くのか??。魔法は完全無効だった気がするけど・・・)
そんな事を思いながらユウキはメタルバスター極を連発しながら出てくるプラチナモンスター相手に無双していった。
(この爽快感。無双系のゲームを思い出すな。ゲームでもかなりのストレス発散にはなったけど、実際やってみるとそれ以上だな。あ~馬が欲しいな・・・駆け抜けたい!!)
ユウキは目に見える魔物、目に見える魔物全てをメタルバスター極みで倒していく。はたから見たら危ない人に見えただろう。いや衛兵に捕まっていただろう。それぐらいユウキは怪しい笑みを浮かべていた。
その事にユウキは全く気付いていなかったが、近づいてきたジュリアに、
「ど、どうしたの?そんなニヤニヤ笑いながら魔物倒して・・・ちょっと怖いわよ。」
と言われ、自分が半笑いで無双している事に気付いた。
「ははは。」
(そりゃこんな顔にもなるだろう。だって考えても見てよ。無双で爽快感マックス!メタルでレベルもウハウハ。こんな状況二度とないだろ。ゲームの世界でもこんな状況起きた事ないし・・・)
「そりゃ倒したらレベルは上がるから楽しいのかもしれないけど、ドロップアイテムはちゃんと確認してるの?」
「あっ!?忘れてた。」
「も~。めんどくさいかもしらないけどちゃんと見なさいよ。レアアイテムなんでしょ?」
「うん。ちょっと今まで倒した所見てみるよ。」
(いかんいかん。夢中になってドロップアイテムの事すっかり忘れてた。これだけ倒したんだ。プラチナアイテムの1個や2個落ちていてもおかしくないよな。)
ユウキは自身が無双した所を振り返って、地面にドロップアイテムがないか確かめた。
すると・・・
「あったーーーー!!」
ユウキは地面に光るプラチナの腕輪をみて思わず叫んだ。叫び声につられてジュリアやリーネ、ニーチェに精霊やフェンリルやドラゴン夫婦も近づいてきた。
「そんな大きな声出してどうしたんだマスター?」
「ドロップアイテムを見つけたんだ。」
「「「本当!?」」」
ユウキは、みんなにプラチナの腕輪を見せた。
「ホントね。効果はどういったものなの?」
「ああ今鑑定してみるよ。」ユウキはプラチナの腕輪を鑑定した。
【名称】プラチナの腕輪
【効果】特に無し
「えっ・・・」
ユウキは目を疑いもう一度鑑定した。
【名称】プラチナの腕輪
【効果】特に無し
「えっ・・・マジ・・・」
「どうしたのユウキ?」
「何も効果がなかった・・・」
「えっ!?」
「効果は特に無しだった。ただの珍しい腕輪だった・・・」
「そんな・・・」
「NO-----」
さっきまでのハイテンションはどこに行ったのか・・・ユウキは地面に膝をついてうなだれるのだった・・・
第125話 再戦プラチナドラゴン
「ユウキ様。そこまで気を落とさなくても。」
「ああ・・・。」
「ユウキ?本当に何の効果もない腕輪だったの?いつもの鑑定なら女神様からのメッセージとかあったじゃない?それもなかったの?」
「そういえば・・・」
(たしかにジュリアの言う通りだ。こんな1万分の1の確率のレアアイテムが何の効果もない。そんな事ありえるのか・・・いやありえない。ありえるはずがない。よし。)
ユウキは再度プラチナの腕輪を鑑定した。
【名称】プラチナの腕輪
【効果】特に無し
(やっぱり3回見ても効果は特に無しだ・・・ん?▼が出てるぞ?なんだこれは・・・)
ユウキは効果の下に出ていた▼を押してみた。すると・・・
※気づいちゃったわね。そう気づいちゃったのね。ざ~んね~ん。折角ユウキに絶望を味わってもらおうと思ってたのに・・・。まあいいわ。多分すでに絶望した後だと思うしね。それよりもプラチナの腕輪をよく手に入れたわね。確率1万分の1なのによくやったわ。といいたい所だけど効果は鑑定したわよね。
鑑定した通り、その腕輪に特殊な効果は無いわ。てかあなたどれ程強くなる気なの?サブ職業にぶっ壊れアイテムなんか手に入れたら逆にこの世界が滅んじゃうわ。レアドロップをなくす事ができなかったから性能を何も無しに変更しておいたの。
だって、ユウキには必要ないでしょ。ねぇ?そうでしょ。必要ないわよね?すでにそれだけのステータスをあなたは持ってるのよ。さすがにこれ以上優遇はできません。諦めてね。
あっ・・・だけど持っていればいい事がある・・・かも?(テヘッ)
「ユウキ?どうだったの?」
「ああ・・・」
ユウキはジュリア達に女神様からのメッセージを伝えた。
「なるほどね。まあそうね。正直残念な気持ちはあるけど、女神様の言う事は一理あるわね。」
「そうですね。このサブ職業というのはヤバすぎます。」
「そうだな・・・」
(たしかにサブ職業はヤバいと思う。ヤバいと思うけど、効果を無しにするのはやりすぎだろ!!!せっかく期待したのに・・・もういい!!期待した俺がバカだった。この気持ちはプラチナモンスターにぶつけるぞ!!)
ユウキは吹っ切れて一人、再びプラチナモンスターの元へと駆け出して行った。
「ユウキ・・・」
「ヨッシャー!アタシもマスターに続くぜ。」
そう言って、ニーチェも森の中を走って行った。
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夜になると、プラチナの森には魔物が一体もいなくなった。そうユウキ達がプラチナモンスターを狩りつくしたのだ。森も焼け野原になったり原型を留めずクレーターになっていたりと森はボロボロになっていた。
「明日はプラチナドラゴンを倒すのよね?」
「ああ一応そのつもりだ。明日起きた時にプラチナモンスターが復活してるかもしれないけど、レベルも結構あがったからな。」
プラチナの森のプラチナモンスターを狩りつくした事で、ユウキ達のレベルは大幅に上がっていた。
ユウキ 主人公レベル85、真の勇者レベル60
ジュリア ルーラーレベル83、ヴァルキリーレベル55
リーネ フォレストガーディアンレベル82、アルテミスレベル50
ニーチェ 全知全能レベル83、セイレーンレベル53
それに伴いステータスもかなり上がっていた。もちろん新たな魔法やスキルもレベル上昇に伴い多数覚えている。
「そうですね。この前サブ職業についたと思ったのに、もうレベル50ですから。それにレアアイテムも意外に手に入れましたしね。」
「・・・そうだな。まあ持ってればいい事があるかもって女神様からのメッセージにもあったから一応持っておくけど、あんなに手に入るとは思わなかったよ。」
(ほしいと思った時はなかなかドロップしないのに、いらないと思ったら急にドロップするんだよな~。これも女神様の嫌がらせか??1万分の1の確率なのに、最終的に腕輪4個とネックレス4個ってどんな確率だよ・・・。)
ユウキ達が倒したプラチナモンスターの数は約2000体。そしてプラチナの腕輪かプラチナのネックレスのドロップ確率は1万分の1。通常であれば1個入手できればかなり運がいいと言えるだろう。
それなのに、ユウキ達は8個もドロップさせたのだ。もはや運がいいとかいう次元ではなかった。単純にレベルが上がった事で運の数値が上がりドロップしたのか、それとも主人公補正でご都合主義が炸裂したのかは定かではない。
だが、結果としてユウキ、ジュリア、リーネ、ニーチェの4人がそれぞれ装備できるだけのプラチナ装備を手に入れる事が出来た。
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「一日経ったらプラチナモンスターも復活してるかと思ったけど、一度倒したら復活しないんだな?」
「そうみたいね。森とかは元に戻ってるけど、魔物は1体も見えないわ。」
「まあ元々プラチナドラゴン倒して戻る予定だったしサクッと行くか。」
ユウキ達は森の中心にある、神殿に入り、プラチナドラゴンを見つける。以前と変わらない姿をとらえるとユウキはすかさず鑑定した。
【名前】プラチナドラゴン
プラチナの森の主。はっきり言って魔王並みに強い。プラチナ系モンスターの防御力に加えて、他のプラチナ系モンスターには無い攻撃力を備える。倒すと莫大な経験値と超レアなアイテムをドロップする・・・かも。
そこには以前と同様の鑑定結果が現れた。
(はいはい。超レアドロップね。どうせドロップしないんだろ?それにドロップしたって使えないんだろ。もう期待しないぞ。・・・っていう風に装っておけばドロップするかもしれないよな。)
懲りないユウキであった。
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