よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第61話 勇者の兜ゲット・・・デュラハン弱すぎない!?
最北の洞窟に無事にたどり着いたユウキ達は洞窟を攻略して行く。
「ユウキ!洞窟の中の道はわからないの?」
「ゴメン。さすがに洞窟の中までは覚えてないんだ・・・」
(洞窟やダンジョンのルート覚えてる程、ゲームをやり込んでるヤツなんかいないよな~。どっちみち全てのアイテムとって、レベル上げも兼ねて洞窟とかダンジョンって入るから全部の道通るしな。)
「まあ適当に進んで行こうよ。別に行き止まりでも宝箱とかあるだろうし、魔物が居れば倒せば経験値になるでしょ。」
「まあユウキがそういうなら・・・」
(ここって勇者の兜意外にレアアイテムとか合ったかな~。重要アイテム意外はあんまり覚えてないんだよな~。)
ゲームの世界では重要アイテムは世界に一個だけで入手すると特別なファンファーレがなっていた。もちろん今のユウキがアイテムをゲットしてもそんな音はならないが・・・
ユウキ達は道がわからないので、とりあえず適当に探索を進める。何度も行き止まりに遭遇するが、文句を言わず引き返し別の道を行く。
「ユウキ!そろそろ一度休憩しない?」
(そうだな。もうけっこう歩いたよな。ゲームだったら1マップ5分もあれば全て回れたから全然わからなかったけど、実際に歩いてみると、道は長いし思うように進めないし時間がかかるな・・・)
「そうだね。一度休憩しようか。あっちに湖みたいな所があったからそこで休憩しよう。」
ユウキ達は湖の傍で火を起こし休憩した。
「ユウキ様。この洞窟はけっこう長いのですか?もしかして1日で攻略できないのでは?」
「う~ん。どうだろ?半分ぐらいは来たのかな・・・・。ごめん。ちょっとわからないな。」
「そうですか・・・」
「まあテントもあるし、夜営する事になっても大丈夫でしょ。それよりさっきのリーネの精霊魔法すごかったね。」
ユウキは話を逸らす事にした。
「ジンですか?そうですね。風魔法使って魔物を攻撃してくれますし、かなり役に立ちますね。」
「ジュリアの方はどう?ルーラータイムとか?」
「・・・・そうですね。ちょっといまいち使い方がわからない。っていうのが本音ですね。」
「だよな~。MPの消費もはげしいし、その割には2秒しか時間を止めれないし・・・」
「レベルが上がればもっと時間は長くなるとは思いますが・・・」
「たしかに。でも攻撃魔法はかなり強力だったよね。」
「そうですね。裁きの雷なんかは敵が黒焦げになりましたし・・・」
「ユウキ様のフェンリルもすごかったじゃないですか?」
ユウキは洞窟に入ったすぐに召喚魔法でフェンリルを呼んでいた。体長が3m程もある狼の魔獣が現れた時にはユウキ達全員がびっくりしていたが、念話でユウキと話す事もできたので、今後の冒険にかなり役立つと思っていた。
「そうだね。洞窟内だと動きづらそうだからすぐに帰ってもらったけどかなりの戦力になると思うよ。」
覚えたスキルや魔法の具合を報告しながら休憩したユウキ達は攻略を再開した。
相変わらず、道がわからないので、手探りで攻略を進めていく。
最奥に着いたのは、リーネの予想通り、夜営をしてからの翌日の事だった。
「ここだけ周りとなんか雰囲気が違いますね。もしかしてここが最奥でしょうか?」
「多分そうだね。この部屋に入ると、多分デュラハンがいる。そしてデュラハンが持ってる兜が勇者の兜だよ。」
「ユウキ!デュラハンって強いの?」
「そうだね。けっこう強かったと思うよ。魔法は使わないけど、攻撃力と体力が多かったイメージかな。」
「ユウキ様!魔法は効くんですか?」
「う~ん。多分魔法も普通に聞くと思うよ。」
「なら今の内にジンを召喚しておきますわ。」
「私も部屋に入ったら裁きの雷をすぐに使うわ。」
ユウキ達が部屋に入ると、部屋の奥に首の無い騎士が立っており、兜を抱えていた。
「いた!あれがデュラハンだ。」
「わかりましたわ。ジンお願い。私もサイクロン!!」
「裁きの雷」
ユウキがデュラハンを確認すると、ジュリア、リーネ、精霊のジンがそれぞれ攻撃魔法を放つ。
ユウキが近づいて、更に攻撃をしようとしたら・・・
デュラハンはジュリア達の攻撃で跡形もなく消え去っていた。残ったのは勇者の兜だけだった。
「はっ!?」
(えっ・・・デュラハン死んだの?あっけなさすぎじゃない?どういう事?・・・ジュリアとリーネが強くなりすぎ・・・って事。)
ジュリアとリーネの能力はすでに勇者レベル60ぐらいになっていた。勇者レベル60と言えばゲームでは魔王と戦っても倒せるレベルだ。そんな能力値の2人が一斉に新しく覚えた魔法を使ったのだ。
いくらデュラハンとは言え、まだ中盤から終盤にかけてのボスではひとたまりもなかった。
「ユウキ!!デュラハンは・・・って死んだの?」
「ユウキ様!!」
「ああ。2人の攻撃で瞬殺だった・・・思ってたより俺達は強くなりすぎたのかもしれない・・・」
「まあ弱いよりいいじゃない。」
「ええ。強くて困る事はありませんわ。」
「・・・・そうだね。」
(ジュリアとリーネを怒らしたら俺も一瞬でこの世から消されてしまうのだろうか・・・)
ジュリアとリーネに恐怖しながら、勇者の兜を入手したユウキは、エスケイプの魔法を使って洞窟を後にした。
ちなみにデュラハンはレアドロップアイテムがあったのだが、ユウキが攻撃していないので、ドロップ率アップ極のスキルは発動しなかった。
もしユウキがデュラハンを仕留めていたらレアアイテムをゲットできたのだが、ユウキはその事に気付く事は・・・なかった。
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