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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第39話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第39話 逃げ出した女盗賊を探せ!!!

翌日、ベルの街を1人でブラブラしてたユウキ。

(何もする事がないな~。カジノに行っても特にほしいモノもないし、装備品だってそろってるから武器屋も防具屋も用がない。アイテムだってあるから道具屋にも用がないし・・・。は~。スマホがあったら一日スマホでゲームできるのにここじゃ空き時間とか地獄だな・・・)

ユウキは予定もないのでただただブラブラしていた。

(いっそテレポートとフライで隠しダンジョンとか行くか!いやいや居なくなるのがバレたらまずいか・・・もうすぐ自由になるんだから今の内は我慢しないと・・・)

ベンチに座ってぼーっと歩く人々を眺めながら時間が経つのを待っていると、
「居た!!」

その声の方を見るとアイが居た。
「どうしたの?アイ?」
「カツヤがユウキからもらった炎の剣を失くしたの。カツヤに聞くと盗まれたって言うのよ。とりあえずカツヤが困ってるから全員呼んでくれって。」

(来たか!!女盗賊イベント。)
「わかった。宿屋に行けばいいのか?」
「うん。」

ユウキはアイと一緒に宿屋に向かった。宿屋につくと、カツヤとジュリアとリヨンはすでに居て、食堂で座っていた。

「カツヤ!炎の剣が盗まれたって本当か?」
「ああ。油断した俺もバカだったんだが、追いかけようと思ったんだけど剣がなかったからな。一応盗んだヤツの居場所はある程度わかったから、宿屋に予備の剣を取りに来て向かおうと思ったら、ジュリアが念のため、全員で行った方が良い!って言ってな。」

「なるほど。たしかにカツヤ1人で行ってもしもの事があるとヤバいよな。わかった。じゃあさくっと剣を取り返しに行こうぜ。」

ユウキ達はカツヤの案内の元、ベルの街の奧へ進んでいく。普段は足を踏み入れないスラム街だ。

スラム街に入ると周りから目を向けられるが、だれも話かけたり襲い掛かったりはしてこなかった。

「ここだ。」
カツヤが指さした家はボロボロになっていたがスラム街の一番奥の家だった。

ユウキ達が家を眺めていると、ちょうど女性が家から出て来た。それも見た事のある剣を持って・・・
「あいつだ。おい!!それは俺の剣だ!返しやがれ!!」

「げっ!?この剣はあたしんだよ。ほしかったら捕まえてみなよ!!」
そう言ってその女性は逃げていった。
「あ!?待てっ!!!」

そうなのだ。女盗賊イベントは女盗賊を一番奥の家で見つけてから始まるかくれんぼイベントだ。よくわからないが、女盗賊が隠れる先の3か所に向かうと女盗賊が再度逃げ、再度に元の家に戻ってきて捕まえる。と仲間になる。というイベントだった。

「逃げたな。どうする?カツヤ?」
「見つけるぞ!あいつ俺の剣持ってたから犯人なのは間違いないからな。」

「ユウキさん。逃げた先は知ってるんですか?」
いつものようにジュリアはユウキに小声で話しかける。
「ああ。もちろん知ってるよ。」
その言葉を聞いたジュリアは・・・

「二手に分かれましょう。その方が効率が良いですわ。私はユウキと街の方を探します。カツヤはアイとリヨンとスラム街を担当してくれますか?」
「!?そうだな。わかった。ユウキ頼んだぞ。」
「ああ。まかせろ。」

ジュリアはユウキを連れて街に向かって行った。
「それで盗賊はどこにいるの?」
「ああ。まずは教会だな。」

ユウキはジュリアを連れてベルの街の教会に向かう。そして教会の中・・・ではなく、教会の裏手の墓地に行った。するとそこには黒いローブを頭からかぶった人が墓の前で祈りを捧げていた。

「あの人が盗賊ですの?」
「ああ。ちょっと待ってろよ。おい!そろそろカツヤの剣を返してくれよ!」

声を掛けると、その黒いローブの人物は頭のローブを取ってこっちを向く。
先ほど、スラム街で会った女盗賊だ。ユウキ達の姿を確認すると、すぐに逃げていった。

「あっ!!又逃げましたわ。ユウキさん!!話かけなくても後ろから捕まえればよかったのに!!」
「まあまあ。大丈夫だ。ちゃんと考えてあるから。次は武器屋に行くぞ。」

ユウキはジュリアを連れて武器屋に向かった。
武器屋につくと、同じように黒いローブをかぶった人物が店主とやり取りしていた。

(あれ?もしかしてこれって、炎の剣を売ってる所なんじゃ・・・。まあ・・・いっか・・・炎の剣ぐらいカジノに行けばすぐに手に入るし・・・)
ユウキは気にしない事にした。

「いましたわ。今度こそ捕まえますわ。」
近づくタイミングで女盗賊に気付かれた。ユウキとジュリアを確認した女盗賊はまたしても逃げ出した。

「又、逃げられましたわ。」
「大丈夫大丈夫。次は又、教会だ。」

ユウキは再度、ジュリアを連れて教会に向かった。
「墓地には誰も居ませんよ。」
「まあ待ってよ。きっとここで待ってれば向こうから・・・ほら!」

教会の入り口で待ってると、教会の中から女盗賊が出て来た。
「やあ!又会ったね。」

女盗賊はユウキ達を見るとすぐに逃げ出した。
「又、逃げられましたわ。」
「とりあえずさっきのスラム街の家に行ってみようか。きっと家に戻ってると思うよ。」

(ここまでゲームの進行通りだと逆に面白いな。違う事も多くあったからもしかしたら探せないかも。って思ったけど問題なかったな。)

ユウキはジュリアを連れてスラム街に向かった。スラム街に入るとカツヤを見つけたのでカツヤに家に戻ってる事を伝え、一番奥の家に向かった。

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