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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第29話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第29話 メタリックスライムを倒せ!!

ユウキは目が覚めると準備して宿屋の食堂に向かった。食堂に行くと、カツヤとアイとジュリアはすでに席についていた。

「おまたせ。みんな早いな。」
「俺達もちょうど今来た所だぜ。」
「そういやカツヤ。昨日カジノに行ったんだって?どうだったんだ?」

「げっ!!!なんでユウキが知ってるんだ?」
「ユウキ。聞いてよ。カツヤ始めは勝ってたのに、最後に調子に乗って大きく賭けたら最後に負けちゃったのよ。」
「ん?アイも一緒に行ったのか?」
「うん。カツヤに誘われてね。」

「昨日は負けたけど、今日は勝つ。」
「その自信はどっから来るんだよ?」
「勇者だからな。それにあそこに炎の剣っていう武器が景品であったんだ。俺はあれがほしい。」

(いやいやその武器ってピラミッドでゲットできたよ。ほしいならピラミッドにいけばよかったのに・・・)

「昨日負けたんだろ?金はあるのかよ?」
「無い。だが、今から周辺のモンスターを狩ればお金はすぐに溜まるはずだ。か、アイに借りるから大丈夫だ。」
「え~。私貸さないよ。」

「そういや~。この周辺に経験値を大量にゲットできるスライムがいるんだったよな?カジノでそのモンスターの情報とかはなかったのか?」
「ああ。もちろん情報は掴んだぜ。銀色のスライムでメタリックスライムって言うらしい。ただ、かなり素早いみたいで、見つけてもすぐに逃げるらしいんだ。」

(だろうな。ゲームだったら会心の一撃が出れば倒せたけど、現実にも会心の一撃ってあるんだろうか?逃げなかったら4人で攻撃すれば倒す事もできる可能性はあるだろうけど・・・)
「そうなのか。でも探すんだろ?」
「「もちろん」」

ユウキ達は食事を終えて、ベルの街から出た。周辺のモンスターを狩る為だ。

ちなみにベルとパルテ神殿の周辺にはガイコツ剣士や魔法を使う魔導士、大きな熊や大きな猿が出てくる。スライムはメタリックスライムと大きなスライムのキングスライムが出てくる。レベルも16~20ぐらいのモンスターなのでけっこう強い。

ユウキ達はレベルを上げる為、見つけたモンスターを片っ端から倒して行った。予想通り、カツヤとアイのレベルは16だったので倒すのはけっこう大変だった。カツヤの攻撃とジュリアの攻撃、ユウキの魔法でダメージを与える。攻撃を喰らうとアイの回復魔法で回復する。MPが心配だったがジュリアも回復魔法が使えたので順調にモンスターを倒して行った。

「そろそろ昼めしにしようぜ!」
カツヤが休憩しようと皆に声をかける。
「そうだな。俺も腹が減ったよ。」

周りにモンスターがいない事を確認してユウキ達は昼食を取った。
「それにしてもメタリックスライムは惜しかったな・・・」

昼までにユウキ達は3度メタリックスライムと遭遇していた。

1回目、メタリックスライムを見つけたユウキ達は、早々にカツヤが声を出し、メタリックスライムに気付かれる。メタリックスライムは攻撃する事なく逃げていった。

2回目、気づかれない様に声を殺して近づく事には成功する。カツヤが剣で攻撃するが「ガキン」と剣がはじかれる。効いているか効いていないかわからない状況だった。その後すぐにメタリックスライムは逃げていった。

3回目、今度も気づかれないように近づいて4人一斉に攻撃した。魔法が効かないのはわかっていたのでそれぞれの武器で攻撃した。カツヤとジュリアの攻撃はメタリックスライムに当たったが、ユウキとアイの攻撃はよけられた。その後、メタリックスライムはファイアボールを放ってきたので、チャンスと思い再度攻撃しようとするが、ファイアボールを放ってすぐに逃げていった。

「メタリックスライム固いし、すぐ逃げるし、倒せる気がしないんだけど・・・」
「でも3回目の時はおしかったじゃん。逃げないように四方から攻撃するっていうのはどうかな?」
「たしかにユウキの言う方法なら倒せるかもな。今度見つけたら四方から追い詰めて見ようぜ。」

食事を終えたユウキ達は再度、モンスター退治を続けた。ビッグモンキーやビッグベアー、ガイコツ剣士、ガイコツ剣士、と順調に倒して行くと、メタリックスライムを発見した。

「いたぞ。メタリックスライムだ。作戦通り、俺が前から、ユウキは左から、アイは右から、ジュリアは後ろにまわってくれ。」
カツヤの指示通りにユウキ達はメタリックスライムに気付かれない様に四方を囲む。そしてカツヤの合図とともに一斉にメタリックスライムに襲い掛かった。

四方から向かって行ったのがよかったのか、スライムはユウキ達の攻撃を受けてもその場にとまったままだった。
(驚きとまどっている。って感じの状態なのかな??)

ユウキがゲームの状況で似たような事があったな。と考えていると、カツヤとアイとジュリアはメタリックスライムを倒そうと再度攻撃をしていた。ユウキも遅れて再度メタリックスライムを攻撃する。相変わらず、攻撃しても「ガキン」と音がするだけでダメージを与えれているかわからなかった。

が、カツヤの一撃をうけたメタリックスライムはHPが0になったのか消えていった。
「やった!!メタリックスライムを倒したぞ。」
「本当!?やった!レベル見てみよ。・・・あっレベル上がってるよ。さっき17になったと思ったのに、もう18になったよ。」

運よくメタリックスライムを倒したユウキ達は予想通りの大量経験値に皆でハイタッチして喜びを分かち合った。
「もう一匹倒せばレベル20なんてすぐだな。」

カツヤの言葉に皆が気合を入れてモンスター狩りを再開したが、それ以降メタリックスライムを倒す事はできなかった・・・

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