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第19話 真実の塔のボスの裏技発動・・・やばい!?

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

『異世界転生にチートは必須だよね』の目次

ユウキ達は真実の塔の50階のボスの手前まできていた。先ほどユウキがちょうどレベルが15になったと伝えていた。

「王女様、ちなみに50階にいる真実を映すミラーを守っているボスっていうのはどういう魔物なのか知っているのか?」
「いえ、詳しくは知りません。ただ、自分の今までの経験が試される。と聞いたことがあります。」
「経験が試される?」

(たしかここのボスはカツヤの偽物だったよな。能力もカツヤと同じになるから経験が試されるっていうのも間違いではないな。全体攻撃はプロテクトで防御を上げて、カツヤとアイと王女様の回復魔法でなんとかなるし苦戦する相手じゃないな。)

ユウキ達は50階に到達し、最奥にある聖なるミラーを手に取る。すると
『オオケノタカラヲホッスルモノヨ。ミゴトシレンヲウチヤブッテミヨ』という事とともにユウキ達の前にカツヤとそっくりの敵が現れた。といっても同じ鎧、同じ盾、同じ兜、同じ剣で中身は見えないのでカツヤかどうかは実際にはわからなかった。

「あれってカツヤとそっくりだよ。」
「なるほど俺の偽物って訳か?本物の勇者がどれほどのモノかみせてやるよ。」

偽カツヤとの戦闘が始まった。
戦闘が始まるとすぐにジュリアが灼熱の杖を使った。偽カツヤを炎が包む。連続してユウキがアイスの魔法を唱える。カツヤがサンダーの魔法を唱え、アイはカツヤにプロテクトとパワーアップの魔法を唱える。いくら偽カツヤがカツヤと一緒の能力を持っていようとこっちは4人いる。偽カツヤが回転切りを使いユウキ達にダメージを与えるがすぐにアイとジュリアが回復する。

(偽カツヤの方がHPは各段に上なんだろうな。4人からの攻撃を喰らっても倒れる気配がないもんな。でもこのままいけば偽カツヤはすぐに倒れるだろう。)

カツヤとユウキが攻撃してアイとジュリアが回復する。危なげなくその繰り返しを続けていた。もうそろそろ偽カツヤが倒れるだろうと思った所で異変が起こった。偽カツヤが急に姿を変えた。影のような真っ黒い人型だ。黒一色で顔も何もなかった。
(なんだあの姿はあんなのゲームでも見た事ないぞ???)

「なんだ?俺じゃなくなったぞ?もう終わりって感じか。楽勝だったな。」
カツヤが止めとばかりに剣を持って偽カツヤだったモノに攻撃を仕掛ける。
倒した!!と思ったがカツヤの剣は受け止められていた。
そこにはユウキの姿になった偽カツヤがいた。

(はっ??どういう事だ?今度は俺になったぞ??)
偽ユウキはカツヤの剣を防ぐとカツヤに向かって特大の火魔法を放った。
近距離からの火魔法を喰らったカツヤはそのまま壁に激突した。そのまま偽ユウキは連続で特大の火魔法を放った。カツヤの前にアイが経ち防御したが、火魔法は2人に当たった。火魔法を受けた二人はそのまま倒れた。

(あれってもしかしてメガファイアか??カツヤとアイは大丈夫なのか??それよりも俺になったって事は・・・やばり!?英雄職のレベル50って事か!?なんだこれ?ゲームじゃこんな展開なかったぞ。)

「王女様。カツヤとアイを回復してくれ。俺がアイツを引き受ける。」
(とりあえず、もたもたしてると全滅だ。ここは本気でやるしかない)

ユウキは能力が1.2倍になる英雄の証を発動し、袋からサマンサ王女からもらった剣を出しメガスラッシュを放った。そのままメガアイス、メガファイアと連続で放っていく、偽ユウキも防御するが今のユウキは能力が1.2倍になっている。更に偽カツヤの時のダメージもあったので偽ユウキはユウキの攻撃で倒れた。

(ふー。なんとか倒せたな。でも俺の偽物ってやばいな。英雄職レベル50だから野力は360ぐらいだろ?カツヤは今レベル15だから能力は平均130ぐらいか・・・・そりゃカツヤじゃ勝てないよな・・・)

ユウキはボスを倒した後、ジュリアに駆け寄った。
「カツヤとアイはどうだ??」
「二人とも気絶しています。回復魔法を使いましたが・・・・」
ユウキはカツヤとアイにメガヒールを使う。回復魔法を受けたカツヤとアイは傷がふさがった。
「今のはメガヒール?ユウキさんは魔法使いじゃ??それにボスに使った魔法ってあれはメガファイアとメガアイスですよね。それにメガスラッシュも使っていましたよね。」

(やっぱり見られてるよね。どうするかな~。お願いして内緒にしてもらうようにするしかないか・・・ここさえ乗り切ったら王女様とはもう会わないし大丈夫だよね。仲間になるのは王子様の方だから口止めして王子様にも言わないようにしておけば多分大丈夫なはず。)

「王女様このことは内緒にしてもらえませんか??」
「どうしてですか??あんなに強いのに?」
「すいません。話せない事情がありまして・・・・どうかこの事は内緒にしていてほしいんです。お願いします。」

ユウキは全力で土下座をして、ジュリアにお願いした。
「わかりましたわ。ユウキさんがいなかったら全滅していたのも事実です。この事は私の胸にしまっておくことにします。」
「ありがとうございます。」

ジュリアの口止めに成功したユウキはエスケイプを唱えて真実の塔から脱出し、テレポートを唱えてポルートの城下町に戻って行った。

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