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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第33話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第33話 エルフの集落へ向かおう

カジノで必要なアイテムを入手したユウキは翌日カツヤにカジノでゲットした炎の剣を渡した。

「カツヤ。昨日カジノで勝ったからお前のほしがってた炎の剣ゲットしといたぞ。ほれっ!」
「ホントか!?」

カツヤはユウキから炎の剣を受け取ると目をキラキラさせてユウキに御礼を言った。
「ユウキサンキュー!!何回カジノに行っても最後はコインがなくなってよー。ほしかったんだけど全然ゲットできなかったんだよな~」
「そうそう。カツヤは初めは勝つんだけど最後にはコインを全部すっちゃうんだよ。その点ユウキはすごいね。どうやったの?」
「単純に運がよかったんだと思うよ。丁度勝ってコインがまとまった時に時間も丁度いいぐらいになったからうまく切り上げれたしね。」
「ジュリアも行ってたんでしょ?」
「はい。私は全部すっちゃいましたよ。その後はユウキについていってました。」
「ユウキはギャンブルの才能がありそうだな。」
「その才能はあんまりうれしくないけどな。」

「よし!じゃあ装備も整ったし予定通り、南の森に行って巫女を探すか?それで、ユウキとアイとジュリアを転職させよう!!」
「「「おー」」」

ユウキ達はベルの街を出て南の森を目指した。1時間程歩くと目的地に着く。

「ここが南の森だな。ここで巫女を見たって情報があったけどどこにいるんだろうな?」

「ユウキ?ここに巫女さんがいるの?」
ジュリアは周りに聞こえない様に小声でユウキに問いかけた。
「ああ。ここの森ってすごい霧がかかってるだろ?普通に探したんじゃ見つからないんだ。この森をしばらく探索するとエルフが声を掛けてくれるんだ。そこで集落まで案内してもらって初めてエルフの集落に行けるんだ。」
「さすがユウキね。わかったわ。」

「とりあえず探索してみましょ。探してたら巫女を見つけれるかもしれないしね。」
「そうだな。霧も深いし気をつけながら探索していこう。」

ユウキ達は慎重に進みながら森を探索した。視界が悪いので手探りでゆっくりと・・・

「だあぁ!!視界が悪すぎる!!これ入口に戻れるのか??」
「一応目印は付けてるので戻れるとは思うのですが・・・」
「まあ進んでたらきっと何か見つかるよ。油断しないようにしよう。」
「ユウキの言うとおりね。気を付けるわ。」

(魔物もけっこう出るな。トレントにゴブリン、フォレストウルフか・・・。もうけっこう探索したよな?そろそろエルフが接触してきてもおかしくないとは思うが・・・。ていうかゲームと同じように接触してくるよな?接触してこないと正直カツヤが言ったように入口まで戻る事もできないぞ。)

ユウキはゲーム通りに進むか心配していた。それもそうだろう。ゲーム通りに進む事もあれば、ゲームとは違った事が起きた事もあったのだ。全てが思うように進まない事をユウキは感じていた。

だが、しばらく探索していると
「止まれ!!」

前方から声がかかった。

「なんだ!?」
「前に誰かいるよ!」
「ホントか?」
(ようやく来たな。これでエルフの集落に行くことができるな。)

止まれ!と言った人物を見ようとするが、霧が深くてよく見えない。しかし、徐々に霧が晴れていき、言葉を発した人物を見る事が出来た。

その人物は弓を構えてこちらを狙っていた。

「おい!弓で狙ってるぞ!!」
「とりあえず話かけましょ。」

「おい。俺達は戦う気はないぞ。弓を下ろしてくれ!」
「お前達は何者だ?なぜここに来た?引き返せ!!」

「私達はパルテ神殿の神殿長の娘さんを探しています。この森に来た。という情報を得たので探しに来たのです。ご存じではありませんか?」
「そんな者は知らん。立ち去れ!」

「ユウキさん。どうしたらいいんですか?」
ジュリアはユウキに小声で話しかける。
(まあゲームなら選択肢から選んで進行を進めていくから簡単だったけど、現実なら言葉を発しないといけないから知らない場合は本当にここから引き返す事になりそうだな・・・)
「ん。まかせてよ。」

「すいません。こちらにアッシュという方はきていませんか?」
「アッシュだと!?あの子の知り合いか?」
「はい。アッシュさんが行方不明になっていると神殿では大騒ぎになっています。それで俺達がアッシュさんを探しにきました。」
「なるほど。そういう事か・・・・。わかった。アッシュの元に案内しよう。」

「よかったな。それにしてもユウキ!よく巫女の名前知ってたな。」
「ほら。昨日カジノに行っただろ?丁度情報収集もしてて、そこで知ったんだよ。」
「なるほどな。それにしてもあれってエルフだよな?耳が長いし。」
「そうだね。私エルフって初めて見たよ。イケメンだよね~。」

(さすがアイ。男には目がないって感じだな。元々ゲームで僕と付き合ってた時も設定では他に男がいたのかもな。僕もゲームではラスボス直前で捨てられたし・・・)

エルフに案内されて、森を進んで行く。あんなに苦労した森だったが、案内のままについていくとすぐに集落にたどりついた。集落に入ると多数のエルフが生活していた。

「ここがエルフの集落だ。アッシュは長の所にいる。そこまで案内しよう。」

ユウキ達は案内の元、集落の長の元に向かって行った。

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