【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
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第52話 女神が作った神職とは・・・
「ルーラーの宝玉?それって一度行った事のある街なんかに一瞬でいけるヤツですか?」
「違うわ!それはゲームのやりすぎよ。ていうか、それはテレポートの魔法があるでしょ。」
「あっ・・・たしかに。」
「これはルーラー。つまり支配者に転職する為に必要な宝玉よ。」
「支配者?」
「そうよ。ユウキ君の冒険者、リーネのフォレストガーディアンとともに私が作った神職よ。」
「神職!?」
「ええ。邪神が私の作った世界を無茶苦茶にしようとしてるからこっちもそれに対抗して神職を7つ作ったのよ。それがその一つよ。」
「それってそのオレンジの球が7つあってそれぞれに1~7の星が入ってるんじゃ。」
「もちろんよ。」
「!!やっぱり!!じゃあ7つ集めるとどんな願いでも・・・」
「叶わないわ!!漫画じゃないもの!!」
(いやいや漫画じゃないけど、女神様だって漫画の見過ぎじゃないですか?)
「聞こえてるわよ。」
「まさか・・」
「そのやり取りはもういいわ。」
「・・・はい。」
「で、ジュリアさんにはこの宝玉を使ってルーラーに転職してほしいの。もちろんユウキ君と同じようにレベルは1になるけど能力はそのままよ。」
「本当ですか!?なります。私も神職に転職します。」
「普通なら王女の転職先は女帝でしょうけど、ルーラーの方が強いし問題ないでしょ。」
「もちろんです。」
(なるほど。神職の方が最上級職よりも強いのか・・・という事は主人公も英雄王よりも強いって事か・・・)
「ユウキ君もそれでいいわよね。」
「・・・はい。あっでも俺は主人公の宝玉を持っていませんよ。」
「ああそれは大丈夫よ。ユウキ君は転職の部屋でも主人公の転職先が現れたでしょ。すでにユウキ君には主人公の宝玉を使ってるもの。」
「はっ???」
「だって宝玉がないと転職ができないなんて面倒じゃない?だから私が作った7つの神職は私が宝玉を持ってるからいつでも転職可能よ。」
(ならなんで宝玉なんか作ったんだろ・・・)
「とりあえず私が作った神職は7つよ。もちろん7つあるからといって7人で行動する必要はないわ。あなたたちは3人でしょ。3人でも邪神を倒せる可能性はあるしね。」
「一応他の4つの神職も聞いていいですか?」
「構わないわよ。星が1から言うと、主人公、フォレストガーディアン、全知全能、ルーラー(支配者)、コマンダー、レジェンド、真の勇者の7つよ。」
「真の勇者・・・それってカツヤの職業ですか?」
「・・・そう思っていたけど、特に誰とかは決めてないわ。適正は必要だけど宝玉があれば誰でもなれるわ。ただ、神職になったからと言って必ず強くなるわけじゃないの。」
「そうなんですか?」
「もちろんよ。例えば・・・カツヤの事を考えて見て。アイツは勇者の職業でこの世界で最上級職についているけど、今、プラネットで闘技場で勝つことができてないでしょ。」
「たしかに。」
「ようはその職業に付いて、どうやって行くかって事ね。」
(たしかに女神様の言う通りだな。だけど、これからは俺のゲーム知識が役に立たないな。どの職業も知らないモノばかりだし)
女神ナディアが現れて、色々とやるべき事が変わってきたがユウキはとりあえず受け入れる事にした。
「わかりました。女神様。俺を主人公に転職させてください。それでこれからはどうすれば良いですか?」
「そうね。邪神が本格的に動くのは魔王が死んでからだと思うから、それまでは自由にしてて良いわ。魔王を倒すまではあなたの知識を最大限に生かせるでしょ?」
「そうですね。カツヤの事はどうしたらいいですか?」
「・・・一応助けてやってくれるかしら?あれでも一応勇者だし・・・勇者の装備を集めないと魔王城までは辿りつかないし、その装備を使えるのはカツヤ君だけだから・・・」
「ですよね・・・」
(そうなんだよな~。無視してもいいけど、結局カツヤがいないと魔王城まで進めないんだよな・・・)
「その辺は今までうまくやってきたんだからユウキ君にまかせるわ。本当どうしようもなくなったらゴリ押しで魔王城に行くしかないわね。」
「できるんですか?」
「多分いけると思うわ。ユウキ君だって最強の鍵持ってないのに英雄王の宝玉手に入れたでしょ。」
「!?・・・たしかに。」
(そういえばそうだな。よくよく考えればゲームの知識を持って、実際の行動に活かせばある程度融通は利くんだよな。って事はその辺を考えながら行動していく感じか。一度地上に戻ったら覚えてる事を書き出してまとめるか。」
「後は手探りでこの世界を楽しむといいわ。7つの神職を作った影響がこの世界にも表れている。職業が現れた事で世界がバランスを取るのよ。」
「ん?どういう事ですか?」
「わかりやすく言うと、神職に合わせて魔物も強いヤツが現れるし、武器も神職に合わせた武器が現れるって事。」
「!?・・・マジで!!」
「マジで!!その辺は世界がバランスをとって自動でするようにしているの。それぞれに発現したユニーク職業もその影響よ。」
「そういう事ですか・・・」
女神ナディアとの話が終わり、ユウキとジュリアはそれぞれ神職へと転職した。ナディアと閻魔からリーネを託されたユウキは、ヨルダンでやるべきことを終えたのでベルの街へテレポートで戻ったのだった。
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