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よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった 第44話

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ゲーム世界に転生
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【よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった】

 

よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

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『よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった』の目次

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第44話 カツヤとの別れ・・・目指すは英雄王!?

 

ジュリアが今のパーティを二つに分けて別々に勇者装備を探そうと提案してカツヤ達はどうするべきか話合っていた。

「二つに分けるなら3人ずつの方がいいんじゃないか?」
「いいえカツヤさん。それだとどちらも中途半端になってしまいます。カツヤさんのパーティがメインなんですからそちらは戦力を整えておかないといけないと思います。」

「それはまあ・・・そうだな。」
「私はそれで大丈夫だよ。ユウキと離れるのはつらいけどすぐに又合流するだろうしね。」

(いやいや。アイさん。思ってもないでしょう。正直カツヤと一緒なら問題ない。って顔してるよ。)

「あたしもそれでかまわないよ。」
「私も問題ないな。」

「ユウキはどうなんだ?」
「俺もジュリアの提案には賛成かな・・・。勇者装備シリーズは早く集めた方が良いと思う。一日でも早く魔王を倒して平和な世界にして俺は自分の村に戻りたい!!」

「・・・・そうだな。わかった。ジュリアの提案通りパーティを二つに分けよう。」

その後はカツヤ達が船を使って南に向かい、プラネットの国で勇者の盾を手に入れる。その間にユウキ達は他の勇者装備シリーズの情報を手に入れる。さらに可能なら勇者装備を手に入れる事で話はまとまった。

「とりあえずプラネットがある大陸までは船で2週間程で着くみたいだから往復で1カ月だろ?大陸に着いてからプラネットまでは1週間ぐらいで着くらしいからプラネットでの行動も考えて3か月後にこのベルの街で合流っていうのはどうだ?」

「ああ。それでかまわないよ。こっちも勇者装備シリーズの情報を集めておくよ。あわよくば手に入れて置くよ。」
「ああ。期待してるぜ。」

(プラネットではカツヤが闘技場で優勝しないと勇者の盾は手に入れる事ができない。ゲームならレベル35ぐらいなら問題なく手に入れられたけど、ゲームと違う事もあるからな・・・。まあでも合流できないならそれはそれで俺としてはうれしいけど・・・)

ユウキとジュリアはカツヤ達を見送って、テレポートでポルートに向かった。

「ユウキさん。やりましたね。正直最近のカツヤさんは見ていてとても不愉快でした。魔物との戦闘の時は大丈夫でしたが、それ以外は終始デレデレしてたし、街に戻ると飲みに出かけて朝帰りも結構ありましたし・・・」
「まああれがカツヤの性格なんだろうな。」

「ユウキさんはそうならないですよね。」
そう言って、ジュリアはユウキの腕を掴み、腕を組んできた。

「おい!?」
「いいじゃないですか。これからは2人なんですから。あっでも英雄色を好むっていいますから・・・ユウキさんを狙う女性は今後増えるかもしれないですね。あっ!大丈夫ですよ。私はその辺はちゃんと理解がありますから。それに・・・ユウキさんはハーレム作ってもちゃんと1人1人を大切にしてくれますよね!!」

「・・・もちろん!!」
(ハーレムか~・・・最初は死にたくない。アイを取られたくない!と思ってたけど、けっこう目的が変わってきたな。まあハーレムか・・・やっぱり憧れるよな。俺がハーレム目指してもいいのか?・・・ゲームの知識があれば無双できるしいけるか・・・いやいや調子にのるな俺!とりあえずまだまだ弱いんだ。まずは力をつけないと。)

「じゃあこれからどうします?」
「そうだな。とりあえずやりたい事は二つある。一つは職業について調べたい。ジュリアのプリンセスや俺の主人公なんかの職業がどれほどのモノが調べておきたい。あとはジュリアの最上級職業についても調べないとな。」

「そうですね。一応王女の上は女帝っていうのがあるのはわかってるのですが・・・どうやって転職するかはわかってないんです。」
「女帝か・・・。」

(とりあえずゲームでの最上級職の取り扱いと一緒ならレベルとアイテムだな。)

「わかった。とりあえず転職方法がわかるなら調べて見よう。ポルートの書庫には本がけっこうあるんだろ?」
「ええ。それはもちろん。もう一つのやりたい事はなんですか?」

「ああ。俺の最上級職の英雄王になる為の英雄王の宝玉を取りに行きたい。」
「英雄王の宝玉ですか?」

「ああ。英雄王に転職する為の条件は英雄レベル50以上と英雄王の宝玉を持っている事なんだ。」
「最上級職は転職方法があまり知られていないのに・・・さすがユウキさんですね。」

「まあね。それで英雄王の宝玉は俺の居た最果ての村からロッテルドの間の海に浮かぶ島の祠にあるんだ。祠には鍵がかかってて特殊な鍵を持ってないと入れないけど、なんとかなると思うから先に手に入れたいんだよな。」

(ゲームでは終盤に手に入る『最強の鍵』を持っていないとレアアイテム系を手に入れる事は出来なかった。けど、ここはゲームじゃないし最悪地面掘って扉の下からくぐれば移動できる気がする・・・)

「わかりましたわ。じゃあ早速英雄王の宝玉を取りに行きましょう。」
「いや。せっかくポルートにいるんだ。それは今度にしよう。先に書庫で情報を集めておきたい。」

「わかりましたわ。では王城に向かいましょうか?」

(えっ・・・・腕組んだまま行くの?)

「え~っ・・・と、ジュリアさん。腕は組んだまま行くんですか???」
「もちろんです。何かおかしいですか?」

(いやいやいやいやおかしい所しかないと思いますが。)

そうして王城に向かうユウキとジュリアだったが、門番から兵士など城にいる全ての人に、ニヤニヤ見られ、驚いた顔で見られ、うらやましい顔で見られ、怒りの顔で見られながら書庫に向かって情報収集をするのだった。

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