第60話 久々の家族の団欒~クリフの知らない所では・・
王城での話し合いが終わり、王城を後にしたボールド家は一同はこの後の予定を話合っていた。
「父さん、母さん、もうボールド領に帰るの?」
「いや今日は王都で泊まって明日帰る予定だよ。」
「僕の転移で送ろうか??」
「ああそうかクリフは転移が使えるんだったな。でも大丈夫だ。転移魔方陣を使ってきたからな。帰りも使って帰らないと色々問題が起きる。だから今回は大丈夫だ。気を使ってくれてありがとな。」
(たしかに、帰りに転移魔方陣も使わずにボールド領にもどってたらどうやったんだ?ってなるか。結局公表はしたけど、簡単には使えないって事だな。)
「せっかく王都にきたんだし、色々見て回りましょ。アーサーちゃんとミリアちゃんとクリフちゃんの服とかも見て見たいし。」
サラの提案により、ボールド家はその後、服屋を見て、アクセサリーを見て、カフェで食事をして久々の家族団らんの時間を過ごした。
「よしじゃあこの辺で解散だな。アーサー、ミリア、クリフ学園生活楽しんで来いよ。」
「「「はい。」」」
「長期休みは帰ってきてね。あっクリフちゃんは転移でいつでも戻ってきていいからね。」
「はい。」
アレクとサラはクリフとは別の宿屋に向かって行った。昔から利用してる宿屋があるらしい。アーサーとミリアは学生寮に向かって行った。クリフは明日、学生寮に移動するから今日はいつもの宿屋に戻って行った。
長かった一日が終わり、ベットに腰かけるクリフ。
「今日は入学式から色々あったな。一日がこんなに長く感じたのは初めてだよ。入学式で宣言して、王様達と家族に能力がバレて、セリーヌと婚約して、明日からの学校大丈夫かな・・。セリーヌとの婚約は周囲には知られてないからあまりおおっぴらにするわけにもいかない。ただ、婚約している以上、他の女性と気軽に仲良くする事もできないよな。チートはバレたからハーレムルートに進めていきたいけど、いまだにどうしたらいいかよくわからないな~」
明日からの学校生活に希望と不安を抱きながら、今日一日でとても疲れたのでそのまま眠りについた。
~ボールド家が出ていった後の王城では~
「お父様、今日はクリフ様と婚約させて頂きありがとうございます。」
「セリーヌよかったな。まあ俺もこれで悩みの種が一つ減ったな。ただ、クリフ君のスキルはヤバいな。新たな悩みの種が増えた気がするよ。」
「鑑定にアイテムボックス、転移に創造魔法ですか・・・味方でいる内はすごく心強いですが敵にまわったらゾッとしますね。」
「お兄様!クリフ様が敵になる事なんてありませんわ。」
「ごめんごめん。そうだね。」
「でもセリーヌ。婚約したからと言って安心してていいのかしら。クリフ君は学校ではきっと注目の的よ。これからクリフ君のステータスが他国にバレればそれだけで他国からもクリフ君を狙ってくる可能性があるわ。しっかりセリーヌがクリフ君を繋ぎとめておかないと大変よ。」
「お姉様。わかっています。婚約者としてクリフ様をしっかりと繋ぎとめてみせますわ。」
「クリフ君がいれば、帝国に、勇者に頼らなくても何とかなる気がする。王族としてのフォローもしていくから、今後はクリフ君にいくつか依頼をしながらクリフ君に功績を積んでもらうのが一番いいな。」
「あまりやらかしすぎて能力が他国にバレる事がないようにしないとですねお父様。」
「そうだな。その辺は学校ではセリーヌとリッキーに任せる。学校外は宰相と色々相談して決めておくとするか。」
王城ではクリフ育成計画が発動していた。
~アーサー、ミリア、クリフと別れたアレク&サラは~
「クリフのあのスキルの数々、サラは知ってたか?」
「いえ、私も知りませんでしたよ。ただ、クリフちゃんは昔から好奇心旺盛だったから普通とは違うな~とは思ってたわよ。ただまあ私の子供には変わりないから温かく見守っていたけどね。」
「そうだな。あの能力はやばい。マテウスが警戒するのもわかるな。クリフは真面目に育ってくれたからサラに感謝だな。婚約者もできて今後王家からの期待もヤバいだろう。ただ、王家から無茶な依頼がクリフにきたら、いくらマテウスといえど、俺は王家に抗議するぞ。」
「当然でしょ。いくらマテウスやマリアと言ってもクリフちゃんを利用するなら私だってゆるさないわ。」
「ああ。クリフは今後、大変だろうからしっかり支えてやろう。」
「そうね。」
アレクとサラはクリフが今後、様々な厄介事に巻き込まれる事を予想し、クリフの為に陰ながらサポートする事を決めるのだった。
~学生寮に戻るアーサー&ミリアは~
「なあミリア。クリフのステータスどう思った?」
「規格外ね。まさかあれほどとは思わなかったわ。」
「だよな~。クリフは努力して覚えたって言ってたけど努力で覚えれる限度を超えてるよな。」
「そうね。あれがバレたら学園でも大変よ。拉致されて利用される可能性が大いにあるわ。」
「兄としてサポートしたいがクリフの方が圧倒的に強いんだよな~。」
「でも力じゃなくてそれ以外のサポートは兄弟(姉弟)の私達しかできない事よ。」
「だな。あいつは何か大きな事をしそうだし兄としてもがんばるか。」
「おっさすが時期辺境伯様~。期待してるぞ。」
「ちゃかすな。あ~俺もクリフにスキル教えてもらおっかな~。転移とかすごい便利そうだし。」
「教えてもらって使えるんなら私も教えてほしいけど、多分無理よね。」
「俺もそう思う・・・」
アーサー&ミリアはクリフが学園でうまく生活できるように力以外の面でのサポートをしていく事を決めるのであった。
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