辺境伯領を出発して1カ月の馬車の度はさすがに疲れた。もちろん1カ月ずっと野宿という訳ではなく、間で通った街で泊まったりはしたが、基本1日中馬車に揺られる事を1カ月も続けると肉体的にも精神的にも疲れるはわかるだろう。
王都についた僕はさっそく宿屋を探した。アーサー兄とミリア姉におススメの宿はきいていたので、迷う事なく宿屋に着く事が出来た。
「あった。やすらぎの里だ。すいませ~ん。泊まりたいんですが部屋は空いてますか~。」僕は宿屋の受付に近づいて声をかけた。
すると
「はい。空いてますよ。」と僕よりも少し背が低い女の子が応えてくれた。
(女の子・・・って耳!?ケモ耳だ。テンプレだ。獣人だ。生ケモ耳だ。感動だ。)
僕は感動のあまり、声が出なかった。
女の子は首を掲げながら
「?? 部屋は空いてますよ。何泊ですか?」と再度聞いてきた。
僕は、はっっとして
「すいません。獣人の方を初めて見たので感動してしまいました。1カ月お願いできますか?」と正直に思った事を伝えた。
「獣人を見るのが初めてなんですね。王都では結構いますよ。遠くから来たんですか?」
「はい。王都の高等学校に入る為に西のボールド辺境伯領から来ました。」
「えっそうなんですか。私も今年高等学校の試験を受けるんです。一緒ですね。」
(お~同級生だ。ハーレム候補だよ~)
僕はいやらしい顔にならないように真面目な顔を意識して
「では同級生ですね。僕はクリフ・ボールドと言います。お互い入学できたらよろしくお願いします。」と手を差し出した。
「ボールド・・・貴族様ですか!?すいません。なれなれしく話してしまって」
と手を握ってくれず謝られた。
「学校では身分の差など関係ないですし、同級生ならなおさらです。クリフと気軽に読んでください。」
と再度手を差し出した。
(頼む。握手してくれ。ここで断られたら恥ずかしい・・・せっかくのケモ耳っ子だ。絶対に仲良くしたいぞ。)
「ありがとうございます。わかりました。クリフ君。こちらこそよろしくお願いします。まだ、試験に合格すると決まった訳じゃないから同級生になるかわからないですけどね」
と軽い口を出しながら握手してくれた。
「あっ私はミーケって言います。」と名前を教えてくれた。
(猫耳にミーケか。なんかそのままだな)
僕はミケ猫か!?と思ったが口に出さなかった。
「ミーケ。1カ月よろしくお願いします。そして無事、合格できたら同級生として仲良くしてください。」
と僕はミーケの名前を呼び、好感度を上げようとした。
そのままミーケと談笑し、僕は部屋の鍵を預かって部屋に入った。
そしてそのままベットにダイブした。
「あ~疲れた。ようやくついたよ。王都に。ホント王都って遠いよな~。でも・・・ミーケかわいかったな~。ケモ耳だし同級生だし、話もできたし、やすらぎの里を進めてくれたアーサー兄とミリア姉に感謝だな。」
僕は馬車旅で疲れていたので、その日はそのままベットで眠った。
翌日、王都の話を聞こうと僕は高等学校に足を運ぶ事にした。
今日は日曜日で学校は休みのはずだから、学校の隣の学生寮に向かい、寮の管理人みたいな人にアーサー兄とミリア姉がいないか尋ねてみた。
「すいません。ここにアーサー・ボールドとミリア・ボールドって居られますか?僕の兄と姉で会いに来たんですが?」
「アーサー君とミリアちゃんの弟さんかい。たしかに似てるね。待ってよ。どっちもまだいると思うから確認してみるね。」
管理人さんは、快く対応してくれた。良い人だ。
アーサー兄とミリア姉はすぐに来てくれた。
「クリフよく来たな。」「クリフ久しぶりね。」
アーサー兄とミリア姉と久々に再開し、僕は学園の事、王都の事を色々聞いた。
「まあクリフなら学校もうまくやると思うし、俺は何も心配してないから自由にやればいいと思う。今年は俺たちも最上級生で同じ学校にいるからわからない事があれば何でも聞いてくれ。試験の方は大丈夫そうか。って聞かなくてもクリフなら大丈夫か。」
「そうね。神童のクリフなら学科も実技も問題ないと思うわ。なんと言ってもすでに私達よりも強いしね。まああまり暴れすぎないようにね。多分クリフが思ってるよりもあなたの能力って規格外だと思うわよ。だって私達の実力って学園でもTOP5には入ってるのよ。それなのに、今年入学するのにすでに私達より強いんだから。気を付けなさいよ。」
そうなのだ。アーサー兄とミリア姉は毎年1回は辺境伯領に帰ってきていた。去年ぐらいにアーサー兄とミリア姉と模擬戦をしたのだが普通に勝ってしまった。しかもばれない様に手加減してだ。
僕は苦笑いしながら
「アーサー兄、ミリア姉ありがとうございます。試験の方は大丈夫だと思います。ちゃんと勉強してますし。それよりも知ってる人がいなかったので、お二人がいてくれて助かります。色々教えて頂きありがとうございます。僕も楽しい学校生活を送りたいので気を付けます。」
と、3人で久しぶりに昼ごはんを一緒に食べて僕は学園を後にした。
「よし後は教会に行って、創造神様にお祈りして冒険者登録だな」
僕は今日の予定を確認して、教会へ向かった。
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