陛下とセリーヌ様が辺境伯領にきて1週間が経った。
陛下は父上や母上とともに出かける事が多く、僕は専らセリーヌ様と一緒にいた。
~~ある時は庭で魔法を見せて~~
「クリフ様、魔法を見せてほしいですわ。」とセリーヌ様に言われ庭で渾身の魔法を見せた。
「ファイヤーバード」
簡単に言うと鳥の形をした炎だ。それを上空に放つ。
(魔法はイメージだからな。ファイヤーボールの形を変えるイメージをしてたらできるようになったんだよな。某大魔導士も使ってたから憧れもあったしな)
「綺麗~。クリフ様はすごい魔法使いなんですね」
セリーヌ様がはしゃぎながら褒めてくれた。
僕はうれしくなり、水魔法で周囲にシャボン玉を作っては
「綺麗です~」とセリーヌ様に感動され、
風魔法で空を飛んでみては、
「すごい。クリフ様は空も飛べるんですね」と驚かれた。
「セリーヌ様も空を飛んでみますか?僕もまだあんまりうまくは飛べませんが少しぐらいでしたら一緒に飛べると思いますよ」
「本当ですか!?是非お願いします。」
セリーヌ様が手を握りながら駆け寄ってきたので、僕は
セリーヌ様をお姫様抱っこし、バランスを取りながら空を飛んだ。
落ちると大変な事になるので、スピードはゆっくりだ。
ゆっくりと庭を何周かしただけだが
「空を飛ぶなんて夢見たいです。私、一度でいいから空を飛んでみたかったんですの。クリフ様のお陰で夢が叶いました」
とかわいい子供の夢を語ったセリーヌ様はとても満足してくれた。
(魔法を見せた時はけっこう好感度上げたよな~)
~~ある時は一緒に街を散策した~~
(父上にお小遣いももらったし、今日はアクセサリーとか買ってあげたいな。)
「クリフ様、あれは何ですの?」
串焼きの屋台を指さして聞いてくるセリーヌ様に
「あれは屋台って言って、食べ物を売ってる店だよ。ちょうどいいから2人分買いましょう。」
僕はそう言って串焼きを2本買い、セリーヌ様に手渡した。
セリーヌ様はどうやって食べたらよいかわからず串焼きを握ったまま固まっていたので、
「こうやって食べるんですよ。」と僕は豪快に串焼きを食べた。
セリーヌ様は驚きながらも、僕と同じように串焼きを食べた。
「はむっ。・・・ん~おいしいです。」
(かわいい!!よしこれは良い雰囲気だぞ。)
僕はセリーヌ様との会話もだいぶ慣れてきたので、
「セリーヌ様、今度は屋台以外も見て見ましょう。」
とセリーヌ様の手を取って、露店をまわった。
セリーヌ様の目がとまったっぽい所で足を止めてみると、アクセサリーを並べている露店だった。アクセサリーを眺めていると、
「おっかわいい坊主と嬢ちゃんだね。何か気になるモノがあるかい?」と人懐っこいおじさんが声を掛けてきた。
「いろんなアクセサリーがあって、どれもキラキラしていて素敵です。」
セリーヌ様がアクセサリーに感動してると、
(おっ!この髪留めとかセリーヌ様に似合いそうだな。)
僕は気になるモノを見付けのでセリーヌ様にプレゼンとしようとした。
「この髪留めを下さい。」
「おっ。ありがとよ坊主。ほらっ」
おじさんから髪留めを受け取った僕は、その髪留めをセリーヌ様にプレゼントした。
「セリーヌ様、似合いそうな髪留めがありましたので、買ってみました。受け取ってくれますか?」
すると
「私にですか!!うれしいです。つけて見ていいですか?」
と喜んで髪留めを付けてくれた。
(クリフ様から髪留めを頂いちゃいましたわ。男性からのプレゼント!一生の宝物にしなければ)
セリーヌは盗賊に助けれた時からクリフにかなり好意を持っていた。
(プレゼントも喜んでもらえたし好感度ポイントもだいぶ上がったはずだ)
クリフの行動はハーレムルート突入を意識していたのでかなり露骨ではあったが、裏目には出なかったので成功していた。
そして陛下とセリーヌ様が王都に帰る事になったとき、セリーヌ様は上げた髪留めを握って、
「クリフ様この度はありがとうございました。とても楽しく過ごすことができました。会えなくなるのはさみしいです。」
セリーヌ様は泣き出してしまった。なので
「セリーヌ様。僕も会えなくなるのはさみしいですが、11歳になったら高等学校へ入る為に王都へ行きます。その時は又、会えると思いますのでそれまでに魔法も剣術ももっと頑張ります。」
僕はかっこよく別れの挨拶をした。
(よし。噛まずにうまく言えたし、この1週間で慣れたから緊張せずに言えたぞ)
「クリフはセリーヌちゃんとだいぶ仲良くなったみたいだな~。たしかに高等学校では同じ学年だからな。まあ試験もクリフなら問題ないと思うからそれまでは我慢だな。」
「セリーヌもクリフ君と友達になれて良かったみたいじゃ。クリフ君。王都に来た時はセリーヌに会いに来てくれよ」
と陛下からも言われた。
そして陛下とセリーヌ様は王都へと帰って行った。
僕のハーレムルート幼少期編は無事終わりを迎えた・・・
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