フレイとフィルと別れたクリフはギルドに向かった。エリーさんにワイバーンの件について報告した。
「エリーさん。北の森にはやはりワイバーンがいました。一応ワイバーンが2体とレッドワイバーンが1体いましたので討伐しておきました。それと北の森ですが、スケルトン、ゾンビ、グールみたいな魔物がいたのと普段より魔物の数も多いみたいでした。なんかあるかもしれないので一応報告しておきます。」
(一応王様からは魔族の事はまだ伏せといてって言われてるから言わないけど・・・でも多分すぐにギルドマスターとかには伝わるよな??調査するって言ってたし・・・)
「ワイバーンが3体!?討伐した!?さすがクリフ君ね。ワイバーンの素材は持ってるの?」
「はい。裏に出せばいいですか?」
「うん。お願いできる?」
「はい。わかりました。」
クリフは解体所のワイバーンを出して、査定を待った。しばらくすると査定が終わりクリフは報酬を受け取った。ワイバーンはかなりの額になったが、森の調査からワイバーンの討伐に魔族との闘いで疲れていたクリフは報酬を受け取ると学生寮に帰って行った。
「は~疲れた。まさか魔族が出てくるなんてな~。まあ創造神様が魔王の事を言ってたしその内攻めてくる可能性も言ってたからその内攻めてくるんだろうけど、最近は学校が楽しくてその事を全然考えていたなかったな。」
この世界には魔王が存在し、魔王を倒す役目として勇者が存在している。魔王の目的は世界を破滅に導く事。と言われている・・・
「とりあえず魔族が攻めてきたときの事を考えないとな~。僕一人だったら転移で逃げる事もできるし、相手が1人とか2人とかなら十分対応もできる。ただ、それって僕一人ができる。って事だもんな・・・転移で逃げて戻ってきたら王都が壊滅してた。とかって逃げる意味全くないもんな・・・」
クリフ1人なら魔族が来ても、スタンピードが来ても、災害・災厄がきてもどうにでもなるだろう。だが、異世界に転生してから多くの人と出会い、婚約者・友人・知り合いが増えたクリフにとって、その人たちが死ぬのは見過ごせなかった。
「あらゆる可能性を考えて対応する方法を見つけておかないとな。僕には前世の知識がある。テンプレにも詳しい。だったらできるはずだ。」
クリフはまず北の森にあった転移魔法陣を思い出した。
「テンプレの可能性で言えば魔物によるスタンピードがやっぱり一番確率が高いよな。だって魔族がいて、転移魔法陣を見つけて、そこから魔物が現れた。そして魔族は逃げた。これはもう別の所にも転移魔法陣があるのがテンプレだよな。北の森の魔法陣は壊したから、同じ場所にはすぐには作れないっていうのもテンプレだと思うから・・・」
スタンピードについて対応を考えるクリフだったが
「あ~やっぱり戦力が足りないよな。こんなんだったら仲間をもっと増やしておくんだった。奴隷を買ったり、ドラゴンを見つけてドラゴン娘を仲間にしたり、フェンリルみたいな狼を仲間にしたり・・・今の所、僕とスイムだけじゃあ1万ぐらいの魔物が王都を攻めてきたら全然対応できないじゃん。」
スイムは俺がいるだろ。まかせろ。といわんばかりにクネクネした。
「ありがとうスイム。頼りにしてるよ。」
(どうすればいいんだろ?王都だから冒険者の数も多いだろうけど、冒険者が前線に立って魔物に対応しても少なくない被害が出るよな?それなりに対応はできるだろうけど、スタンピードを乗り切っても被害が大きかったら後々困るしな~。学校の学生も戦力にはなるだろうけど・・・フレイなんかが魔法を放っても倒せるのって多分1回で20体ぐらいだよな~。魔法を喰らわなかった魔物に襲われて終わり。って未来しか見えないよ・・・)
(騎士だって一緒だよな。王都を守る為に戦うだろうけど、こっちが100人いても1万の大軍にはさすがにな~・・・夜通し攻められたらこっちの体力がもたないよな・・・・いっそ魔国に攻めて魔王を倒すか??いやいや行った所でやられるだけだな。)
クリフはスイムをみながらあ~でもない。こ~でもない。と対策を考えていた。クリフの異世界でのテンプレの連続を考えるとスタンピードは確実に起こる。予感していたからだ。部屋の中で考えているとふと1冊の本が目に留まった。
「召喚魔法の本??」
そう。王都に来た時に購入した召喚魔法の本を見つけたのだ。
「そうか。召喚魔法だ!!!。これこそテンプレだ。魔法陣に魔力を大量に注いで召喚する。きっと戦力が増えるはずだ。フィルみたいに精霊が出てくるのか?竜王とかのドラゴンが出てくるのか?異世界の魔王とかが出てくるのもあるよな。誰が出てきても戦力は増えるはずだよな。買ってから存在をすっかり忘れてたよ。」
クリフは召喚魔法を使って戦力を増やす事を決めて、召喚魔法の本をじっくり読んだ。
「よし内容はある程度理解したぞ。でも本を見る限りじゃ何が召喚されるかわからないみたいだな・・・・。ドラゴンとか精霊の召喚に成功した。って本には書いてあるけど・・・まあ準備して行動してみるしかないか・・・」
クリフは、明日から召喚魔法をもっと調べようと決めて眠りについた。
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