『異世界転生にチートは必須だよね』の目次
(は~なんとか序列1位になれたな。Sクラスってやっぱりレベル高いな。勇者と引き分けて僕って結構強いって思ってたけどまだまだだな。もっともっと努力しなくちゃ。)
「クリフ様おめでとうございます。絶対優勝すると思ってましたわ。」
「セリーヌありがとう。マッシュは強かったから最後は魔法つかっちゃったけどね。できれば魔法無しでマッシュに勝ちたかったな。」
「クリフ様、それは高望みしすぎですよ。マッシュ様だって十分強いんですから。」
「たしかにね。僕も魔法と剣をうまく両方使えるようにもっと練習が必要だと感じたよ。」
【武】の序列戦は3日間続き、優勝者は予想通りクリフとなった。
2回戦は5名の為、1名は不戦勝だった。フローラ先生に言われ2回戦に進んでいる5名は順にくじを引いた。その結果
マッシュ 対 ルイン
フィル 対 ソロン
クリフ・・・不戦勝
となった。
ちなみにこの2回戦ではマッシュとフィルがそれぞれ3回戦へコマを進めた。
3回戦はクリフ対フィルとなり、マッシュは不戦勝だった。
クリフ対フィルの対戦は魔法を使った戦いとなった。クリフが火魔法、水魔法、風魔法、土魔法を巧みに使うが、予想通りフィルは風魔法を使いながら同時に火魔法と水魔法、風魔法を使い魔法が飛び交った。勝敗はフィルの魔力切れにより幕を閉じた。しょっぱなから魔法を打ちまくった事でフィルの魔力はみるみるうちに減少していき、最後は魔法が発動しなくなったのだ。
決勝戦はクリフ対マッシュだ。どちらも剣を使って戦った。マッシュは少しは魔法が使えるが魔法を混ぜるよりも剣術のみで戦った方が強いのか魔法は使わなかった。クリフも魔法無しでマッシュと剣を重ねていたが、剣術のみをずっと訓練しているマッシュに対しては分が悪かった。
このままでは負けると思ったクリフは風魔法を使ってマッシュの気をそらして最後はクリフの剣がマッシュの剣を弾き飛ばした。
終わってみればクリフの圧勝のように見えるがクリフ自身は全く納得していなかった。
最終的な【武】の序列戦の順位は以下になった。
1位 クリフ・ボールド
2位 マッシュ・ステイン
3位 フィル
4位 ソロン・マーリン
5位 ルイン・ミッドガル
6位 フレイ・ファイン
7位 マーク・ハーマン
8位 マロン・メビウス
9位 ドラン
10位 タフマン・サッカー
となった。
ドランとタフマンはAクラスの上位2名と模擬戦を行い、負ければクラスがAクラスに落ちてしまう。
「今回の序列戦で力が出せなかった人も納得いかない人もいるでしょう。今後も序列戦はありますので、皆さん気を抜かないでください。気を抜くとすぐに順位が下がってしまいますよ。」
「クリフ。次は負けないぞ。俺も剣を磨きながら魔法も鍛錬していくぞ。クリフに勝つにはある程度魔法を使えないとな。今度魔法研究会に俺も参加するぞ。クリフ魔法教えてくれよな。」
「いいよ。マッシュが魔法を覚えて更に強くなるのは大歓迎だよ。僕も負けないよ。」
(さすがマッシュ。イケメン主人公だ。魔法もすぐに覚えそうだな。)
「クリフ君。私にも魔法を教えてほしい。私も魔力切れにならなかったらもっともっと戦える。精霊使いとして魔法では誰にも負けたくない。」
「いいよ。じゃあ僕にも精霊魔法教えてよね。」
「わかった。」
Sクラスのメンバーは皆向上心がある。ライバルだから自分の技術を教えないようなせこい考えの持ち主はいない。Sクラスともなると実力とともにそういった考え方も一流の学生が多いようだ。
「クリフ君。僕とも模擬戦をしてくれないかい。Aクラスの人に負けてクラス落ちしたくないんだ。」
「わかったよ。タフマン。僕もタフマンに剣術を習いたかったから一緒に訓練しようよ。」
「僕も土魔法をもっとうまく使いたいんだ。ゴーレムについて相談させてよ。」
「もちろんだよ。ドランのゴーレムをもっともっと強くしようよ。」
Sクラスの序列戦が終わりクリフは明日からも頑張ろうと心に決めた。
翌日早速、クリフはギルドへ足を運んだ。
「エリーさん久しぶりです。なんかおもしろい依頼とかってないですか?最近依頼を受けてないので面白い依頼があれば受けたいんですが??」
「あらっクリフ君久しぶり。あっ序列戦1位だったんだってね。おめでとう~」
「エリーさん!?もう知ってるんですか?さすが情報が早いですね。」
「フィルから聞いたのよ。」
「フィルを知ってるんですか?」
「もちろん同じエルフだしね。色々相談に乗ってるのよ。」
「そうなんですね。フィルも強かったですよ。」
「そうね。あの子の精霊魔法はエルフの中でも上位に入ると思うわよ。」
「そうなんですね。」
「ああ依頼に関してだったわね。クリフ君はBランクだから色々あるけど、そうね~。あっそういえば北の森にワイバーンを見たって目撃情報があるの。放置すると王都を襲ってくるかもしれないから危ないようなら討伐する事になってるんだけど受けて見る?」
「ワイバーンですか?」
「ええ、目撃情報は1体だけだけど、何体もいるかもしれないわ。1匹ならBランク相当だけど何体もいると危険度はAランクになるから早めに対処したいのよ。」
(ワイバーンか。素材もよさそうだし受けて見るか)
「わかりました。その依頼受けさせてください。場所は北の森にいけばわかりますか?」
「ええ、北の森で見たって情報だけだからどこにいるかわかってないのよね。その辺の調査も兼ねてるの。お願いね。」
「わかりました。」
ワイバーン討伐の依頼を受けたクリフは北の森へと向かう事にした。
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