【武】の序列戦の1回戦の最後、5組目が始まろうとしている。
1組目 クリフ対タフマン・・・クリフの勝利
2組目 マッシュ対ドラン・・・マッシュの勝利
3組目 フレイ対フィル・・・フィルの勝利
4組目 ルイン対マロン・・・ルインの勝利
ソロンとマークの対戦が始まった。どちらも攻撃を仕掛けずに、お互いが距離を取っていた。
「なかなか動かないね。どうしたんだろ?」
「お互い相手の動きを警戒してるんだろうね。例えばマークが剣でソロンに向かって行くとタイミングを合わせて魔法を当てられるかもしれない。逆にソロンは先に魔法を使うとさっきのルインみたいに魔法をさけて距離を詰めに来るかもしれないって感じじゃないのかな?」
お互いがにらみ合っているがどちらかが動かないと勝負はつかない。始めに動いたのはソロンだった。両手からウォーターボールを出してマークに放った。マークは片方を剣で防いで、片方は回避した。その後、マークはソロンとの距離を詰めようとしたがソロンはその場にいなかった。ソロンは身体に風魔法をまとい自分の速度を上げていた。
「おいソロンのやつ風魔法を自分にまとってるぞ。」
「あれは風属性の身体強化魔法だね。風の魔力を身体にまとわせる感じで発動すると使う事ができて風属性は早さが上がるんだよね。さすが賢者と呼ばれるだけはあるね。あれで動いたらマークも捕まえるのは苦労するだろうね。」
「じゃあマークよりソロン様の方が優勢なんですか?」
「今の所はね。ただ、ずっと風魔法をまとってると消費も激しいからソロンが魔力切れになったらマークが優勢だね。どこまでマークが耐えれるかなって感じかな。」
マークもその点はわかっているのかソロンに近づこうとする。ソロンはマークをちかづけさせないように魔法を放っては距離を取り魔法を放っては距離を取って行った。勝負が長引くとかもと思った瞬間だった。ソロンに向かって行くマークが足を地面に引っ掛けた。よく見るとマークの足元の土が不自然に盛り上がっていた。
「あれはソロンの土魔法だな。これはソロンにうまくやられたな。風魔法と水魔法で注意をそらしていざという時に土魔法か。態勢が崩れればマークは魔法を避けれないだろうな・・・」
(ソロンの土魔法は使い方がうまいな。たしかに無詠唱なら相手に気づかれる事なく魔法を発動できる。ソロンは土を盛り上がらせてマークの態勢をくずしたけど、落とし穴とかつくったら気づかずに落とす事もできるな。僕も使って見よう。)
マッシュの指摘通り、態勢をくずしたマークはソロンの魔法が直撃した。魔法が直撃したマークは膝を付き、これ以上戦えないと降参した。
ソロン対マークの試合はソロンの勝利で終わった。これで1回戦は全て終了した。
「いや~みんな強かったね。マッシュにフィンにルインにソロンか~。誰と次戦っても気を抜いたら僕もヤバいかな。」
「何言ってんだ!?クリフが一番ヤバいだろうが!!俺はクリフとフィンとソロンとはまだやりたくないな。魔法職と戦うのは苦手だ。」
「クリフ様は誰と当たっても大丈夫ですよ。きっと勝てます。」
「セリーヌありがとう」
「これで今日の【武】の序列戦は終わります。明日は2回戦を行います。もちろん負けた方も最終的な序列を決めるので戦闘があります。今日の疲れを明日に残さないようにしてくださいね。じゃあ今日はここまでとします。」
フローラ先生が初日の【武】の序列戦の1回戦の終了をつげたので今日の授業は終わった。
明日に備えて訓練をする学生もいたが、クリフは明日に備えて早めに休むことにしたので学生寮に帰って行った。
(よし明日は2回戦だな。誰が来ても全力を尽くすぞ。目指せ序列1位だ)
~一方その頃、魔国では~
帝国の勇者に腕を斬られた魔族は魔国に戻ってきていた。
「くそ!!あの勇者覚えてろよ。今に見てろよ。」
「おい。腕はどうしたんだ!?」
「帝国の勇者にやられた。帝国を今攻めるのはやばそうだ。攻めるのは王国の方がいいかもしれん。」
「勇者か・・・お前勇者に腕を斬られてよく帰ってこれたな?」
「ああ。勇者に帝国じゃなく王国を攻めるんなら見逃してやるって言われてな。」
「それで帰ってきたのか?勇者は王国に恨みでもあるのか?」
「さあな。でも俺もやばかったから話に乗って帰ってきたって所だ。」
「お前がやられるって事は勇者は相当強そうだな。しかし王国に魔族を攻めさせようとする。か・・・もしかしたら勇者は使えるかもしれないな・・・」
「どういう事だ?」
「いや。こっちの話だ。それより王国は今すぐにでも攻めれるのか?」
「ああ。魔物は転移魔法陣ですぐにでも送れるからな。」
「わかった。では先に王都を攻めるか指揮する者がいないと魔物もうまく進まないからな。南と北で俺とお前で別れて王都に魔物を引き連れる事にしよう。」
「わかった。腕を治すから1週間後に開始でどうだ?」
「よしそれでいこう。とりあえず徐々に魔物は王国に転移していくことにしよう。」
王国を攻める事を決めた魔族の二人は1週間後をめどに王国に魔物を向かわせる事を決めた。魔族の襲来の時は近い!!!
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