第86話 【武】の序列戦 ルイン対マロン
【武】の序列戦の4組目が始まろうとしている。
1組目 クリフ対タフマン・・・クリフの勝利
2組目 マッシュ対ドラン・・・マッシュの勝利
3組目 フレイ対フィン・・・フィンの勝利
準備を終えたルインとマロンの4組目の戦闘が始まった。戦闘が始まると同時にマロンはファイヤーボールを放つ。ルインは落ち着いて剣でファイヤボールを切り裂いた。
「ルイン君、ファイヤーボールを剣で切ったよ。」
「ああ、落ち着いてるな。」
マロンはルインに近づかないように遠距離で魔法を連発していく。ルインは冷静に剣で魔法を切ったり、躱したりしながらマロンとの距離を詰めていく。距離を詰められたマロンも剣を抜き、剣での攻防になって行った。
「やっぱり剣ならルインの方が押してるね。」
「そうだな。ルインは大剣を使ってるがうまく扱えてるよ。」
「マロンも片手剣でがんばってるけど、武器自体の性能の差も大きいね。」
ルインは大剣を巧みに振り回してマロンを攻撃していく。マロンも片手剣で防御していくが、大剣の重さに苦労しているようだ。マロンは剣での勝負は勝てないと思ったのか、素早く距離を取った。
距離を取ったマロンはすかさずエアハンマーをルインに放った。ルインはエアハンマーの気配を感じ取ったのか後ろに下がって魔法を交した。
「あれってエアハンマーだよね。マロンって風魔法も使えたんだ?」
「ああ、あいつはけっこう器用だからな。上級魔法は使えないが、初級魔法は練習して一通り使えるって言ってたぜ。」
「ルインもすごいね。エアハンマーって見えないから避けるのってなかなかできないよね?」
「風の流れを感じて違和感を見付ければ避けられるよ。」
エアハンマーを避けたルインは、再度マロンとの距離を詰めた。距離を詰められたマロンは剣で防御しながら魔法を放つタイミングを計るが、ルインの大剣に押し負けて剣をはじかれていた。尻餅ついて倒れたマロンに剣を突き付けるルイン。マロンが降参して戦闘はルインの勝利になった。
「順調にルインが勝ったな。」
「そうだね。あの大剣はちょっと脅威だな。僕も片手剣だからうまく防御できるかわからないな。うまく軌道をそらせるようにしないと手がもたないかも」
「クリフの場合は距離を話さなくても魔法が使えるからなんとかすると思うけどな。」
(たしかに!無詠唱魔法もこういう所で役に立つな。)
戦闘を終えたマロンがマッシュの所にやってきた。
「お疲れマロン。ルインは強かったか?」
「そうですね。あの大剣はちょっとさばけそうにないですよ。」
「だろうな。俺もあいつと模擬戦とかするけど大剣を受けると手にずしっ!ってくるからな。」
「マロンお疲れ。残念だったね。」
「クリフ君。がんばったんだけどね。魔法使ったらもっといい勝負できるかと思ってけど、剣で切られたからね。」
「マッシュと話してたんだけど、魔法が無詠唱で使えたらゼロ距離でも魔法が使えるからマロンが勝てたんじゃないかって。」
「無詠唱か・・・たしかにそうだね。クリフ君今度無詠唱教えてよ。でも僕にできるかな?」
「マロンならできるよ。魔法も剣も両方できるんだ。マロンってかなり器用な方だと思うよ。」
「ありがとうがんばってみるよ。」
【武】の序列戦も次が1回戦の5組目で最終だ。闘技場には準備の為、ソロンとマークがいた。
「次はマークの番だね。セリーヌ、マークは勝てそうかい?」
「そうですね。先ほどルイン様がマロンさんに勝ったような感じならマークも勝ってくれると思うんですが・・・ソロン様は魔法が得意で賢者と呼ばれてますし・・・」
「ソロン君は無詠唱で魔法が使えるからマーク君はきびしいかもしれないね。僕はソロン君と仲がいいからけっこう話したりするけど、魔法に関してはけっこうすごいよ。」
先ほど戦ったマロンがソロンの情報を教えてくれる。
「そうなんだ。確かにソロンって無詠唱の授業をした時に一番初めに成功していたな。」
クリフは魔法研究会で無詠唱の研究をしながら、学園長に頼まれ、臨時講師として無詠唱の授業を希望者に行っていた。そこにソロンも参加していた。あまりしゃべらないソロンとはクリフはあまり交流がなかった。
「じゃあマークがルインみたいに距離を詰めても逆に危ないな。近距離で魔法使われたらよけきれないしな。マークもルイン並みに剣が使えるんだろ?」
「そうだね。僕もマークと時々、剣の訓練するけどけっこう素早い印象かな。大剣じゃなんくて片手剣だから数で押すタイプなのかな」
「まあ俺としてはマークに勝ちあがってほしいかな。正直魔法職との戦闘より剣術同士の戦闘の方が楽しいからな。」
「まあマッシュはそうだろうね。でも魔法通しの戦闘も楽しいよ。相性とか気にしながら魔法を打ち合うのは楽しいし。」
クリフ達が次の対戦で勝敗を予想しながら話しているとソロンとマークの準備が終わったのか、1回戦5組目の戦闘が始まろうとしていた。
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