第85話 【武】の序列戦 フレイ対フィン
【武】の序列戦の3組目が始まろうとしている。
1組目 クリフ対タフマン・・・クリフの勝利
2組目 マッシュ対ドラン・・・マッシュの勝利
フレイ対フィンの対戦が始まった。始まると同時にフレイは青いファイヤーボールを放った。
「おっ早速使ったな。青いファイヤーボール。」
「あの青いファイヤーボールは入学試験でクリフ様が使っていた魔法ですね。あれって普通のファイヤーボールと違うんですか。?」
「うん。火ってね温度が上がると青くなるんだ。だから普通の赤いファイヤーボールで燃やせないモノがあの青いファイヤーボールだと燃やせるんだ。単純に言うと威力が上がってるって事」
ファイヤーボールがフレイに向かって行く。フレイは水の壁を出してファイヤーボールを相殺した。
「フレイさんに止められましたね。」
「やっぱり水魔法を使ってきたね。水魔法は火に相性がいいからフレイにはちょっときついかもね。」
フレイのファイヤーボールを防いだフィンはそのまま詠唱してウォーターボールをフレイに向かって放つ。
「あれはウォーターボールだね。精霊魔法も普通の魔法と種類は変わらないのかな??」
フレイはファイヤーウォールを唱え、先ほどのお返しとばかりにフィンのウォーターボールを相殺した。ただ、フィンはわかっていたのか何度もウォーターボールを連発しフレイのファイヤーウォールを崩した。フレイは必至に避けようとするが何発かはもらってしまっていた。
フレイはこの機会を逃すまいと今度は風魔法を使う。エアカッターだ。
「おっあれは風魔法か。やはりエルフって風魔法が得意なのか??」
「エルフは森で生活してるからな。精霊魔法、特に風の魔法と弓は基本的に得意な人が多いぞ。」
マッシュがエルフの特性を説明してくれた。
(でも、精霊魔法ってよくわからないな。普通の魔法を使ってるようにしか見えないぞ。精霊が力を貸してくれるからMPの消費が少ないとか?目に見えないけど攻撃してるのは実は精霊。とかなのかな??)
クリフの疑問をよそにフィンは魔法を連続で放つ。フレイは防御が追い付かなくなり必死に回避するが、元は後衛の魔法使いだ。回避がうまいわけではない。たまらず最後は降参した。
3組目の対戦はフィンの勝利で終わった。
「フレイさん負けちゃったね。」
「そうだな。相性もあるが魔法使いって遠距離の打ち合いは得意だけど遠距離戦、つまり数が多い攻撃に対する防御は苦手なんだ。遠くから魔法で攻撃したり援護したりするのがほとんどだからね。フレイもその辺を磨けばもっと強くなると思うよ。でもフレイは強くなるより火魔法をメインに魔法を色々研究したいだけかもしれないけどね。」
フレイは侯爵家の令嬢だ。強さはあまり求められない。フレイ自身も強さよりも魔法が面白くて日々勉強している感じだった。
3組目の対戦が終わりフレイとフィンが仲良く観客席にやってきた。
「師匠~負けちゃったよ~。フィン強かった~。」
「ああ残念だったな。でもフィンとの相性もあっただろ?」
「たしかにそう。私は精霊の力を借りて火と水と風の精霊魔法が使える。今回は運が良かった。」
「精霊の力を借りる?フィンの精霊魔法って精霊が魔法を使ってるの?」
「そう。契約者しか姿は見えない。今回も風の精霊と水の精霊が手伝ってくれた。」
(なるほど契約者しか姿は見えないのか。じゃあフィンは火と水と風の3体の精霊と契約してるって事か。)
「なるほど。じゃあフィン自身は何してるんだ?」
「私は指示してる。後フォローしてる。私も風魔法と弓は使える。一緒に戦う事もある。」
「そうなんだ!?じゃあフィンと当たったら気を付けないとな。4対1って事だろ??」
「そうなる。」
フレイを慰め、フィンの強さを知ったクリフはセリーヌやマッシュ達とともに次の対戦に目を向けた。次の対戦はルイン対マロンだ。
「次はルイン対マロンだな。今回の対戦はマッシュに聞いた方がわかりやすいな。どうだマッシュ?」
ルインは男爵家の人間で剣聖と呼ばれていて、最近マッシュと一緒に剣の訓練をする事が多い。マロンも男爵家の人間でマッシュの取り巻きの一人だ。
「そうだな。剣なら圧倒的にルインが勝つ。ただ、マロンは剣も魔法も使う。その辺がどうなるかって感じだな。ルインも魔法は苦手ではないが魔法はマロンの方が上手だろうな。」
「なるほど、マロンは剣も魔法も使うから僕も参考にしようかな。ルインの剣術はどうなの?マッシュより強いの?」
「勝ったり負けたりだな。あいつは剣聖と呼ばれているからな。名に恥じないぐらい剣の扱いはうまいな。」
「マロンは魔法も器用に使うけどどれもこれも平均的な強さって感じだよね?」
「そうだな。火とか風に特化してないから器用貧乏って感じだな。剣も魔法も無難にどれも平均的にうまいって感じだ。」
「じゃあうまくはまればマロンが勝つ可能性もあるわけだね。」
「そうゆう事だ。」
次の対戦カードについて話しているとルインとマロンが闘技場に現れて準備を始めた。どちらもマッシュを通して仲が良いので普通に話しながら準備している。
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