第83話 公爵令嬢ジャンヌ・・ハーレム入りは???
【武】の序列戦の1回戦が始まり、最初はクリフとタフマンが闘った。勝者はクリフだった。クリフはSクラスメンバーが観戦している所に行きセリーヌと話していると他のSクラスのメンバーが話しかけてきた。
「クリフ様1回戦突破おめでとうございます。」
話しかけてきたのはセリーヌの隣にいたジャンヌだ。ジャンヌは公爵家の令嬢でセリーヌの仲の良い友人の一人だ。
「ありがとうジャンヌ。」
「タフマンは騎士を目指していて、学校でも毎日素振りしてるのをよく見かけますわ。そのタフマンを剣で倒してしまわれるなんて、クリフ様は魔法だけでなく、剣術でもお強いんですわね。」
「僕は魔法の次に剣が得意だからね。でもタフマンも強かったよ。さすが毎日剣を振ってるだけはあるね。」
「でもどうして魔法は使わなかったんですの?」
「タフマンは魔法が得意じゃないからね。そこに僕が魔法を使ったらフェアじゃないかなって思ってね。手を抜いてるって訳じゃないよ。」
「そんなんですね。その考え方は素敵ですわ。」
クリフとジャンヌが仲良く話しているとセリーヌが会話に入ってきた。
「もう。ジャンヌばかりクリフ様と話さないでください。私もクリフ様ともっと話したいんですよ。」
「あらっセリーヌはいつもクリフ様と話ししてるじゃない。私だってクリフ様と話す機会なんてあまりないんだから。」
(ジャンヌも可愛いんだよな~。セリーヌがいる所でしか話した事がないからまだそこまで仲が良いって訳じゃないけど、これから仲良くしたい一人だよな~。)
「たしかにセリーヌとはいつも話してるな。ジャンヌも別に普通に話しかけてくれても全然良いよ。」
「本当ですか!?正直セリーヌの眼が怖くてなかなかクリフ様に話しかけづらかったんですの。それはうれしいですわ。」
「ちょっ!!ジャンヌ」
(なるほど。クラスの女性陣にはセリーヌが圧をかけてるんだな。まあハーレムを築きたいとはずっと言ってるけど、正直な所セリーヌだけでも十分なんだよな~。何人もハーレムを築く異世界小説の主人公ってどうやってるんだろ??実際にハーレムを目指して見るとなかなか難しくて思うようにいかないよな。)
しばらく3人で仲良く話しているとセリーヌがジャンヌを連れて少し離れてコソコソ話していた。
「ジャンヌどういうつもりですの?クリフ様と親しく話して」
「セリーヌ。あなたがクリフ様と婚約してるのは知っているわ。でもこの国は一夫多妻でしょ。私がクリフ様を狙っても問題ないでしょ。それにクリフ様の実力なら側室だってこれから増えていくわ。」
「!?それはわかっていますわ。でもジャンヌあなたもクリフ様を狙っていたなんて・・・」
「まだそこまで好きって訳じゃないわ。でも周りの男性の中でクリフ様が一番実力が抜け出ているわ。どこぞのよくわからない人と婚約させられるんなら自分で気に入った人を見付けたいのよ。」
「ジャンヌの言っている事はわかりますが・・・」
「クリフ様って容姿もカッコいいしね。」
「それはその通りですが・・・」
「別にセリーヌから奪うって訳じゃないんだからいいでしょ。」
「わかりました。」
セリーヌとジャンヌはコソコソとクリフの事を話していた。
(何を話してるんだろ・・・気になる。)
2人が離れた所にアリスとシェリーが近寄ってきた。
「クリフ君お疲れ~。1回戦勝利さすがだね。」
「アリス。シェリー。まあね。一応優勝目指してるからね」
アリスは入学試験の時に貴族に絡まれていて助けた女性で、シェリーはその友人だ。二人は仲が良いのかだいたい一緒に居る事が多い。アリスはクリフに気さくに話しかけてくるので仲もそれなりによかった。
「クリフ君なら優勝も簡単にできそうだね。」
「そうでもないよ。ほら次の試合のマッシュとかは優勝候補だと思うよ。」
闘技場には次の組合わせであるマッシュとドランが準備していた。
「マッシュ君も強いもんね。クリフ君はマッシュ君とドラン君ならマッシュ君が勝つって思ってるの?」
「そうだね。ドランはゴーレムを使ってくると思うけど、マッシュの方が総合的に実力は上だろうからね。アリスとシェリーは【武】の序列戦ならだれが優勝すると思ってるの?」
「一番候補はクリフ君ね。2番手がマッシュ君かな~。でもフィルちゃんとかの魔法もすごいから優勝候補かも」
「そうね。フィルの魔法は前に見た事あるけどすごかったわ。」
「フィルって精霊魔法を使うんだよね。」
「「そうよ」」
(フィルか~精霊魔法ってみた事ないからよくわからないけど、精霊を召喚するのかな?って事は精霊と戦う感じか?それとも精霊の力を借りて魔法をつかってくるのかな?二人にどんな魔法か聞きたいけど、ここで聞いたらフェアじゃないよな~。)
クリフはフィルについて聞きたかったが、ぐっとこらえた。
アリスとシェリーと話しているとセリーヌとジャンヌが戻ってきた。
「アリスさん。シェリーさん。楽しく何の話をしてるのかしら」
「ジャンヌさん。今クリフ君と次の組合わせでどっちが勝つか話してたんだよ。」
アリスはクラスの中で誰からも好かれている。誰にでも話しかけるキャラが人気者になっているのだろう。
「あらっそろそろ次の対戦が始まるみたいね。」
闘技場に目を向けるとマッシュとドランの準備が終わったのか、2人の対戦が始まった。
ジェラート職人が作る本物のジェラート
20万冊以上から選び放題!紙の本のサブスク「タダ本」
コメント