第65話 単位取得の為の授業・・・何を取ろうかな??
「クラスの説明が終わったので、次は授業の説明をしますね。」
(クラスの仕組みはだいたい理解できた。4年間Sクラスでいる為にしっかり個人で努力しろ。って事だな。で次が授業か~。どんな感じなんだろ?単位の取得はそれほど難しくないって言ってたよな。)
「まず皆さんにはそれぞれ好きな授業を選択してもらいます。基本科は全員が必須です。それ以外は自由なので、選択した授業を受けて単位を取得してください。1年間で10単位取得できれば2年に上がれます。逆に10単位取得できなかったら来年も1年生のままです。留年ってやつですね。」
(大学みたいなモノか。10単位って事は10個授業を受ければいいのか?その辺の説明もしてくれるんだよな??)
「次に単位を取得できる授業の種類を説明しますね。貴族科、内政科、魔法科、冒険科、家庭科、歴史科、商業科、調理科、剣術科、武術科の10科目があります。それぞれの科目で1年間で1~3単位の取得が可能です。次に年に2回の総合試験の結果によっても単位が取得できます。さきほどの『文』の序列戦の試験ですね。なので『文』の学生はSクラスにいる=『文』の試験の上位者なので自然に2単位は取得できます。
年に2回あるから合計で4単位ですね。授業、試験以外はすばらしい功績を上げた場合も単位が取得できる事があります。これは学生がそれぞれおこなっている研究活動の成果などですね。それから~・・・」
(なるほどなるほど。だいたいわかったぞ。授業を受けて1~3の単位を取得する。5つ授業を受ければ平均2単位の取得で進級できるって感じか。それ以外にも試験の結果や研究活動?大学のゼミみたいなやつだろう。それでの成果によっても単位が得られるって感じだな。そうするとどの授業を取るか悩むな。どれも魅力的なんだよな~)
「以上で今日のオリエンテーションは終わりです。残りは自由時間になっています。学校の設備を確認したり、食堂をみたり、学生寮に住む方は学生寮に移動したり自由に使ってください。それと選択する授業は今日中に決めて、明日の朝提出してくださいね。」
フローラ先生はそう言って教室から出ていった。残された生徒はそれぞれどうするか話し合っていた。
(さてどうするかな。興味があるのは冒険科と魔法科と調理科だな。逆に興味がないのは家庭科と貴族科と内政科か。基本科は全員必須だから決定として、冒険科、魔法科、調理科をとって剣術科をとって5つにしようかな。自由時間に図書館とかで独学で勉強するのもありだし、研究活動も興味があるからな。)
とクリフはどの選択科目を取るか悩んでいると
「クリフ様はどの科目を取るんですか?」
セリーヌが話しかけてきた。
「ああセリーヌ。どうしようかと思ってるけど、一応冒険科と魔法科と調理科と剣術科にしようかと思ってるよ。セリーヌはどうするの?」
「私は貴族科、内政科、家庭科、調理科、歴史科をとろうと思ってますわ。それと・・・これはお父様から言われてるんですが、クリフ様はきっと貴族科と内政科に興味を示さないから取得するように言っておいてくれ。って言われております。」
セリーヌは小声で僕に王様から言われた内容を伝えてきた。
「えっっ!?」
クリフの取得科目がいきなり2科目確定した瞬間だった。
(陛下からの頼みなら断れないな~。しょうがない、貴族科、内政科、冒険科、魔法科、調理科にするか。)
「わかったよ。じゃあ貴族科、内政科、冒険科、魔法科、調理科にしようかな。後は図書館とか研究活動に興味があるからそっちに時間使いたいしね。」
「ありがとうございます。貴族科と内政科と調理科は一緒ですね。」
セリーヌと話しているとマッシュも話しかけてきた。
「クリフ~。どの科目取るか決まったか。」
「マッシュ!僕は決まったよ。マッシュはどうするの?」
「まあ貴族科と内政科は親父に取れって言われてるから確定だな。ていうかここにいる貴族はその2つは取るだろうな」
(ははは。僕は取る気なかったけどね。)
貴族ながら貴族科と内政科に興味がなかったクリフは苦笑いで答えた。
「そうだね。僕は後、冒険科と魔法科と調理科を取ろうと思ってるよ。将来は冒険者志望だし、魔法もおもしろいし、冒険中おいしい食事は必須だからね。」
「なるほどな。そうかクリフは次男だもんな。俺は剣術科と武術科と冒険科だな。」
「マッシュは魔法科はとらないの?」
「魔法はあまり得意じゃないからな。どうせなら得意な事を伸ばしたいからな」
「そっか~」
(マッシュの言う事も一理あるな。この赤髪イケメンはどう見ても武術よりの身体してるもんな~)
「それよりも科目決まったなら食堂に行かないか?どんな食事が出るか気になってよ~」
「あっいいね~僕も興味ある。行こう行こう。」
「じゃあセリーヌ僕らは食堂にご飯食べに行ってくるよ。あっセリーヌも行く?」
「クリフ様。お誘いはうれしいんですが、この後、王城にもどらないといけませんの。申し訳ありませんが又後日誘っていただけますか?」
(あ~クリフ様から昼食のお誘いがあったのに王城で仕事があるなんて最悪ですわ・・・)
「王族も大変なんだね。わかったよ。次又誘うね。」
そういってクリフとマッシュ、取り巻きのマロンとリーネとともに教室を出て食堂に向かって行った。
第66話 食堂で上級生に絡まれる!!??
教室で選択授業を決めたクリフとマッシュ、マロンにリーネは食事の為に食堂に来ていた。
「お~、さすがに広いな。」
(たしかにすごく広い。まあ当たり前か4学年の学生が利用するんだもんな。)
「上級生とかも結構いますね。とりあえず空いてる席に座りましょうよ。」
マロンが率先して空いてる席を探して席取りしてくれた。
上級生が多くいるのがすぐにわかるのは制服にある。
高等学校では、学生は制服を着ている。前世と同じように男性はブレザーで女性はセーラー服だ。ネクタイの色で年代が変わっている。
4年生が赤のネクタイ
3年生が緑のネクタイ
2年生が紺のネクタイ
1年生が水色のネクタイだ。
女性は同色のリボンを付けている。
その為、色で何年生かがすぐにわかるようになっていた。
空いてる席を確保したクリフ達は早速食堂の料理を選びに行った。
(おっ唐揚げ定食がある。唐揚げって好きなんだよな~。僕はこれにしよう。)
クリフは目当ての献立があったので、すぐに決めて、唐揚げ定食を持って取っていた席に戻った。
(先に食べるのはマナー違反だよな。マッシュ達が戻ってくるまで待つか。)
マッシュ達が戻ってくるのを待っていると上級生の女性から話しかけられた。
「あなた、クリフ・ボールド君?」
「はい。そうですが・・・あなたは??」
「ああごめんなさい。私はルル・モーガンよ。リボンでわかると思うけど3年生ね。」
「ルル先輩ですね。それよりいきなり話しかけてきてどうしたんですか??」
(ナンパか?初逆ナンパか??・・・いやそれはないか)
「クリフ君今年の首席でしょ。すごいじゃない。食堂で見かけたから仲良くしようと思って声かけちゃった。」
ペロって感じでルルはウインクした
(やばっ!!かわいい~。)
「ありがとうございます。まだまだ学校の事をよく知らないので色々教えてくれると僕も助かります。こちらこそ仲良くしてください。」
「本当!?やった~。うれしいわ。私もここの席お邪魔していい?」
そのタイミングでマッシュ達が戻ってきた。
「あれっルル先輩!?どうしたんですか?こんな所で。」
「マッシュじゃない。そういえばあんたも今年入学だったわね。どうしたって今年の首席のクリフ君を見つけたから声かけてたのよ。マッシュ達がいるなら私も同席してもいいわよね。」
「まあ席は空いてるから大丈夫ですよ。」
「マッシュ!ルル先輩を知ってるの?」
「ああ、ルル先輩の家とは親同士が仲良くてな。その関係で昔からよく知ってるんだ。」
「そうなのよ~。もうマッシュ。クリフ君と知り合いなら教えなさいよね!!」
(ルル先輩ってぐいぐい来るな。僕はあまりしゃべるのが得意じゃないからこういうぐいぐい来る人は嫌いじゃないんだよな~。)
「それでクリフ君。研究活動とかは決まってるの?まだなら私がしてる研究会に来ない?魔法研究会で魔法について色々研究してるのよ。」
「魔法研究会!?興味ありますね。」
「ルル先輩。あまりクリフに絡まないでやってくれよ。これでもこいつは注目の的なんだ。親父も言ってたけど、いろんな貴族が取り入ろうとしてるらしいしな。」
「えっ!!??そうなの」
「ああ。だってお前考えて見ろよ。大貴族の息子で今年の首席。史上最速のBランク冒険者に大賢者の再来。話題性抜群だろ。」
「その噂、マッシュも知ってるんだね。」
「当たり前だ。ここの学生。っていうか貴族なら親から聞いてほとんどの人が知ってると思うぞ」
「まじか~!!??。面倒事は困るんだけどな~」
「まあやり過ぎたら注意を受けるだろうからそこまで面倒事にはならないとは思うけど、こればっかりはわからないな~」
「まあ私は単純にクリフ君に興味があったから話しかけたのよ。入学試験で見せた青い火なんて魔法研究会の部長としてほおっておけないわ。フローラ先生も興味深々だったし。」
「フローラ先生も知ってるんですか?」
「知ってるもなにも魔法研究会の顧問はフローラ先生よ。」
「へぇ~。そうなんですね。興味あるんで一度見学に行こうと思います。」
「ええよろしくね。」
「ルル先輩は氷魔法が得意なんだよ。それで魔法研究会の部長をしてるんですよね。」
「ええマッシュは魔法が全然だから、一緒にいても話が全然合わないのよ。剣術とか体術は私が全然ダメだから。」
(ルル先輩ってけっこう話しやすいな。年上っていうのもいいよな・・・いかんいかん。変に意識したら関係が崩れる。平常心平常心っと)
マッシュとルルの話を聞きながら食事の時間は楽しく流れて行った。
「クリフは午後はどうするんだ?」
「そうだね~。図書館に行ってみようと思ってるよ。それでその後は学生寮への移動かな。」
「クリフは学生寮なんだな。」
「マッシュは違うの?」
「ああ。俺はこっちに家があるからな。家から通ってるんだ。」
「クリフ君。図書館なら私が案内しようか??」
「ルル先輩ありがとうございます。でも大丈夫です。一人で色々見ながら行ってみたいので。」
「そう。じゃあしょうがないか。わからない事があったら何でも聞いてね。3年生だから先輩としてクリフ君やマッシュより学校の事は詳しいしね。」
「ありがとうございます。マッシュは午後はどうするの?」
「ああ、俺は剣術と体術の研究会を見て見ようと思ってるよ。まだまだ強くなりたいからな。」
「マッシュらしいね。マロンとリーネもついていくの。」
「はい。マッシュが問題を起こさないように見張ってとね。」
「ええ。マッシュ様が騒動を起こすといけませんから。」
「いやいや俺を問題児みたいに言ってるけど騒動なんか起こさねぇし」
「ははは。マッシュも大変だね。」
食事を終えたクリフはマッシュ達とルルと別れて図書館へ向かった。
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